カラダに良いアブラと悪いアブラの違いは? オメガ3脂肪酸を多く含む食材は?

美容と健康

近頃、テレビのCMなどで『オメガ3脂肪酸』という名前を耳にします。

このオメガ3脂肪酸は“脂肪酸”ですから『アブラ』です。

“アブラ”と聞くと、
『太りそう~!』とか『健康に良くないんじゃない?』って、
そんなイメージを抱く人が多いのではないでしょうか。

確かに、アブラは過剰に摂りすぎるとカラダに悪さをします。

ですが、
アブラは人間の身体にとって欠かせないものでもあるのです。

そんなカラダに良いアブラと悪いアブラの違いについて
まとめてみました。

  

カラダに良いアブラと悪いアブラの違いは?

カラダに良いアブラと悪いアブラの違いとは、
どのようなものなのでしょうか。

からだの中の“アブラ”は、脂肪だけではありません。

体内でのアブラは“脂質”と呼ばれ、
糖質やたんぱく質とともに、三大栄養素として体を作り、
健康を守るために様々な役割を担っています。

人間の生体内に存在する主な脂質には、
脂肪酸、中性脂肪、リン脂質、コレステロールなどがあります。

生体内に存在する主な脂質の役割としては、
複合脂質、単純脂質、誘導脂質があります。

複合脂質には、リポタンパク質、糖脂質、リン脂質があり、
リン脂質は、脂肪酸とともに細胞膜の材料になります。

単純脂質には、セラミド、中性脂肪、コレステロールエステルがあり、
中性脂肪は、エネルギーの材料となる脂肪酸を、
体内に貯蔵する時の形です。

誘導脂質には、コレステロールと脂肪酸があり、
コレステロールは、細胞膜の材料やホルモンの材料になり、
脂肪酸は、エネルギーの材料となります。

また、脂肪酸は、
脂質のほとんどを占める重要な成分です。

脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。

◎飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、
多く摂りすぎると、LDLコレステロールや、中性脂肪を増やし、
肥満や糖尿病、心疾患のリスクを高めることになります。

飽和脂肪酸は、常温で固形となるものが多く、
肉類やバター・チーズなどの乳製品や、
マーガリンや綿実油・ココナッツ油などに多く含まれます。

飽和脂肪酸はヒトの身体の中で作ることができるので、
たくさん食べる必要はなく、
そのため、適度な摂取量に抑えることが大切です。

◎不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、常温で液体となるものが多く、
一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類されます。

★一価不飽和脂肪酸は、総合的にオレイン酸といわれ、
いわゆる善玉コレステロールといわれるHDLの値を変えることなく、
LDLの値を下げる働きがあります。

動脈硬化予防などに効果があるといわれる一価不飽和脂肪酸は、
飽和脂肪酸と同じように、食べ物から摂取するほかに、
ヒトの体内で合成することができますので、多く摂る必要はありません。

★多価不飽和脂肪酸は、
おもにオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸に分類されます。

多価不飽和脂肪酸は、十分な量を体内では合成できないので、
食物として摂取する必要があり、これを必須脂肪酸と言います。

カラダに良いアブラ オメガ3脂肪酸を多く含む食材とは?

オメガ脂肪酸には、オメガ3のほかに、
オメガ6脂肪酸とオメガ9脂肪酸の3種類あります。

でも同じ名前の脂肪酸でも、
この3つの脂肪酸はぜんぜん性質が違います。

★オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸(n-3系)には、
EPA(イコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などがあります。

オメガ3脂肪酸は、
血中の中性脂肪やLDLコレステロールを提げる作用があり、
心疾患などのリスクを下げることも報告されていて、
青魚に多く含まれています。

オメガ3脂肪酸は、アレルギーを押さえ、
善玉コレステルロールを増やすという作用があるのですが、
熱に弱いという弱点があります。

熱するとすぐ酸化してしまうので炒め油などには向きませんので、
ドレッシングなどに使うことがおすすめです。

オメガ3脂肪酸が多く含まれている食材は、
亜麻仁オイル、えごま油、クルミなどの植物系と、
青魚のサンマ、サバ、アジなどのお魚系があります。

焼き魚の場合、熱が加わるのですが、
表面は酸化しても内部の脂肪酸は大丈夫です。
また、煮魚ならほとんど影響ありません。

植物系の亜麻仁油やえごま油を選ぶ時には、
低温圧搾(コールドプレス)で作られているかどうかを注意してください。

封を切ったら冷蔵庫で保管する事も効果を減らさないコツです。

亜麻仁油やえごま油などでオメガ3脂肪酸を摂取する時の、
1日の摂取の量は大さじ1杯くらいが目安になります。

同じ量のオメガ3脂肪酸を魚から摂取するには、
かなりの量を食べなければなりません。

免疫機能を高め、血液をサラサラにし血行が良くなるので、
美肌効果(特にシミ)にいいようです。

★オメガ6脂肪酸

オメガ6脂肪酸(n-6系)は、
LDLコレステロールを低下させる働きを持っていますが、
過剰に摂取すると、
アレルギーや炎症の原因になることが懸念されていています。

オメガ6脂肪酸は、
オメガ3脂肪酸と同じ多価不飽和脂肪酸に属しますが、
アレルギーを促進する作用があり、
悪玉コレステルロールを減らすかわりに、
善玉コレステルロールも減らしてしまいます。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸はまさに正反対で、
実際に効果を打ち消しあうこともあるのです。

ということで、デメリットの多そうなオメガ6脂肪酸ですが、
オメガ6脂肪酸も、実は体に欠かせない栄養素でもあるのです。

オメガ6脂肪酸が多く含まれている食材は、
肉や魚、卵、植物性油など、ほとんどの食品に含まれています。

植物油の原料となる、
大豆やゴマ、とうもろこしなどを使った料理を食べているだけで、
特に意識していなくても摂取目安量を超えてしまい、
過剰摂取はカロリーオーバーとなってしまいます

できる限りオメガ6脂肪酸より、
オメガ3脂肪酸を摂取するようにした方が良いようです。

★オメガ9脂肪酸

オメガ9脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸に分類されます。

オメガ9脂肪酸は、
悪玉コレステルロールを減らして、
善玉コレステルロールは増やすという優れものです。

またオメガ9脂肪酸は熱に強いので、
加熱しても変性せず、体に良い効果を、
ほとんど失わずにとり入れることができ、安定度が高いのが特徴です。

オメガ9脂肪酸が多く含まれている食材で、
代表的なものには、オリーブオイルがあります。

サフラワー油やひまわり油などの植物油にも含まれています。

マカダミアナッツやヘーゼルナッツなどのナッツ類、
肉類にも含まれています。

ただし、体内では飽和脂肪酸から合成されるため、
過剰摂取はカロリーオーバーとなってしまいますので注意が必要です。

肌への浸透力が高いことから、石鹸やハンドクリームなど、
食べるだけではなく、
直接肌に塗ることでも体にとり入れることもできます。

カラダに良いアブラ オメガ3脂肪酸を意識して摂取しましょう

健康に良いとされるオメガ3脂肪酸は、
十分な量を体内で作り出すことが出来ないため、
食事などから意識して取る必要があります。

厚生労働省は、EPAやDHAなどオメガ3脂肪酸を、
一日当たり約2g摂ることを勧めています。

オメガ3脂肪酸を多く摂取することで、
心筋梗塞になりにくくなることが報告されていてます。

冠動脈疾患や癌と診断されたことがない日本人を対象に、
魚およびオメガ3脂肪酸と心筋梗塞との関係似ついて調査した研究では、
一日当たりの魚の油(EPA・DHA)の摂取量が、
2g以上摂取している人は、摂取量が0.3gの人と比べて、
心筋梗塞になるリスクが35%という報告もあります。

オメガ3脂肪酸を多く含む食材を意識して食品を選びましょう。

たとえば、クルミに多く含まれるα‐リノレン酸は、
EPAやDHAと同じオメガ3脂肪酸の仲間です。

おやつにケーキなどを食べるのをクルミ代えることで、
オメガ3脂肪酸を摂取することが出来ます。

ショートケーキとクルミ、同じ200kcal分を食べたとして、
たんぱく質の量は変わりません。

ですが、
脂質、脂肪酸総量、n-3脂肪酸、n-6脂肪酸などは、
クルミの方が約2.5倍多く摂取できます。

ショートケーキだと、
炭水化物を7.6倍も摂取してしまうことになります。

クルミをサラダやパスタにトッピングしても良いですね。

ただし、いくらクルミがカラダに良いと言っても、
食べ過ぎは禁物です。

カロリーオーバーや脂質の取り過ぎにならないように、
食べ過ぎにはくれぐれも注意しましょう!

あとがき

オメガ3脂肪酸は、
DHA・EPAなどの脂肪酸のことで、
美肌効果やうつにも効果があるそうです。

不足しすぎると、シワ、シミ、タルミなどの原因になり、
オメガ3脂肪酸は、美肌に欠かせないようです。

シワ、シミ、タルミなどに効果があって、
美肌に良いとなれば、
是非とも意識して摂取を心掛けたいものです。