寒露とはという前に、
二十四節気とは何なのかを知る必要があります。
古代中国では、暦に太陰暦が用いられていて、
その暦は、日付と太陽の位置とは無関係でした。
そのため、春夏秋冬の循環のよる
“暖・暑・涼・寒”の往来にずれが生じていました。
このずれを補完するために、
日付とは別に、太陽の黄道上の位置、
黄経制度(周天三百六十度のこと)を二十四等分し、
各一期を約十五日として、
それぞれに節気を配置して、
気候の推移がわかるようにしました。
これを定気法『二十四節気』と言い、
日本では平安時代から使われてきました。
現代の四季の分類では、
春は3~5月、夏は6~8月、秋は9~11月、冬は12~2月
になりますが、
中国の二十四節気は、
黄河の中・下流域の気候を基準にしているため、
日本の季節とは若干異なり、
ひと月ほど先取りすることになります。
そして寒露とは、その二十四節気の中の、
“秋”という季節の『晩秋』となり、
旧暦月名は『九月節』といいます。
二十四節気の寒露とはどういう意味?
寒露は、二十四節気の秋の季節『晩秋』ということですが、
寒露という意味をさらに解りやすくすると、
「夜露が凍りそうなくらい寒くなる時期」であり、
裏を返せば、
「朝露が一段と冷たく感じられる時期」ということになります。
最初にある「寒露は冷たい露を表す言葉」ということも、
こういった背景が解ると納得することができるかと思います。
二十四節気を、さらに約五日ずつ三つに分けて、
時候の様子を表したものを『七十二候』といいます。
古代中国の二十四節気に対し、
七十二候の名称は、
日本の季節に合うように何度か改訂されています。
七十二候を分類すると、
自然現象が二十一候、鳥が十七候、植物が十七候、
虫が九候、動物が七候、魚が一候となっています。
風・雷・雨などの自然や気候の表現が最も多く、
季節を知る重要な要素だったようです。
ですから、七十二候の寒露という時候は、
『雁の群れがやってきて、菊の花が咲き、
コオロギが戸口でさかんに鳴く声が聞こえる季節』
ということです。
寒露の期間の七十二候は以下のとおりです。
◎初候 10月8日頃~10月12日頃
鴻雁来(こうがん きたる)
:雁が飛来し始める(日本)
鴻雁来賓(こうがん らいひんす)
:雁が多数飛来して客人となる(中国)
◎次候 10月13日頃~10月17日頃
菊花開(きくのはな ひらく)
:菊の花が咲く(日本)
雀入大水為蛤(すずめ たいすいにいり はまぐりとなる)
:雀が海に入って蛤になる(中国)
◎末候 10月18日頃~10月22日頃
蟋蟀在戸(きりぎりす とにあり)
:蟋蟀が戸の辺りで鳴く(日本)
菊有黄華(きくに こうかあり)
:菊の花が咲き出す(中国)
二十四節気の寒露 2021年の時期はいつ?
令和3年 2021年の寒露の日は10月8日です。
寒露は、二十四節気の第17番目で、
旧暦月名は九月節となります。
新暦では、ほぼ毎年10月8日頃に訪れますが、
寒露から次の節気である霜降そうこうまでの
期間を指す場合もあり、
その期間は10月8日~10月22日です。
寒露は、
現在広まっている定気法では太陽黄経が195度のときで、
秋分から数えて15日目ごろ=10月8日頃となります。
二十四節気の寒露 この季節に美味しい食べ物は?
二十四節気の寒露 この季節は『秋』
秋は、食欲の秋といいますが、
暑くて食欲も衰えていた残暑が収まり、
実りの秋、味覚の秋ということで、
美味しいものがいっぱい出回る季節です。
秋の味覚といえば『松茸』を思い浮かべます。
松茸は、
焼きマツタケや松茸ご飯、土瓶蒸しや天ぷらが有名ですが、
少々お高いので、なかなかお目にはかかりません。
でも、秋の味覚では、
「薫りマツタケ味シメジ」っていうように、
松茸以外のキノコ類も美味しいです。
松茸ご飯でなくても、
しめじやマイタケなどのキノコご飯や、
栗ご飯もいいですね~。
少し肌寒く感じるようになってきたら、
お鍋も恋しくなってきます。
牡蠣やカニの季節もやってきますし、
水炊きや寄せ鍋は、スダチを絞って食べると
いくらでも食べられちゃって・・・
「秋茄子は嫁に食わすな」って言われますけど、
あれは茄子が美味しすぎて、
嫁には食わせないよって言う姑の嫁いびりじゃないですよ!
夏野菜のナスもキュウリも、
カラダを冷やす効果があるから、
嫁のカラダを気遣って言ってるんだそうですよ。
秋はサンマが美味しい季節ですが、
秋サバも見逃せませんね。
栗や柿、梨やブドウなどの果物も甘さが増し、
林檎やミカンもこれからどんどん出回ってきます。
あとがき
やっぱり食欲の秋は、
『天高くワタシ肥ゆる秋』になりそうです。
食べ物だけでなく、寒露の候は、
空気も澄んで気候も良いので、
どこかへ行きたくなりますよね。
今はちょっと我慢の時ですけど、
言ってみたいところがいっぱいです。
旅のガイドブックなどを買い込んで、
いまは読書の秋を楽しんでみます。