長かった外出自粛で、若者も口が衰えています。
お茶や汁物でむせることはありませんか?
お薬が飲みにくかったり、
口がよく乾き、電話で話をしていて、
よく聞き返されるなんて言うことはありませんか?
ちょっとでも思い当たるという人は、
お口の機能が低下する“オーラルフレイル”かも知れませんよ!
オーラルフレイルの原因と症状は?
以前は高齢者が主でしたが、
昨今では若者や子供でも、
十分に口が開かなかったり、
食べこぼすといった症状がみられことも・・・
社会情勢により長らく外出を控え、
人と話す機会が著しく減ったことや、黙食や孤食などとともに、
偏った食事内容が原因と考えられます。
会話をする機会の減少のほか、
加齢による歯の喪失や、口周り・舌・のどの筋肉の衰え、
唾液の分泌の減少などが要因となるそうです。
食べる、飲み込む、話す、といった
口腔機能の低下を放っておくと、
栄養バランスの乱れや低栄養から、
身体機能の低下へと、
ドミノ倒しのように衰えが進むことになりかねません。
オーラルフレイルは、
ケアしないと心身の機能低下(フレイル)に繋がる
『プレフレイル』の段階なのです。
まずはお口の健康を保つことが、全身の健康の第一歩になります。
『オーラルフレイル』これは高齢者だけでなく、
すべての年代での対策の必要性が高まっているのです。
オーラルフレイル予防で日常に取り入れたい4つのポイント
①セルフケアとプロのチェックで歯と口内の清潔をキープ
歯を失うと、食べることはもちろん、
会話によるコミュニケーションにも支障が出てきます。
虫歯や歯周病による歯の喪失を防ぐには、
日々のセルフケアが必要です。
毎食後に歯磨きをしているという人も、
実はきちんと磨けていないこともあるようです。
歯の状態は一人一人異なるのですが、
大切なポイントは、
その人にあった道具を使い、正しい磨き方を知ることです。
そのためにも歯科医による
歯の定期検診を受けることが重要になってきます。
歯科検診では、
自分では取りにくい歯垢など汚れの除去のほか、
個人に合わせたケアの方法も指導してもらえます。
歯医者さんへは、虫歯になったら行くというのではなく、
是非予防のために活用することをお勧めします。
また、入れ歯や舌の汚れは、
口腔内の雑菌繁殖のもとになりますので、
歯磨きと同時に、
しっかりときれいにする習慣を付けるようにしましょう。
②かかりつけの歯医者さんを!
“かかりつけの歯医者さん”を持つことで、
定期的に歯の状態をチェックすることができます。
歯並びや歯茎の状態だけでなく、
握力などに合わせた歯ブラシ選びや磨き方、
歯間ブラシやフロスなどの使い方も教えてもらえます。
舌や入れ歯のお手入れもお忘れなく!
入れ歯をしている人は、
お手入れや除菌をしっかりとしましょう。
舌に汚れがたまると口臭の原因にもなりますので、
市販の『舌ブラシ』や柔らかい歯ブラシで、
優しくブラッシングすることも忘れないようにしましょう。
③「ワッハッハー」と笑って口の周りの筋肉を鍛えましょう!
口や顎、舌、のどなどの筋肉が衰えると、
十分に口が開かなくなります。
また、食べものが嚙めなくなったり、
うまく飲み込めないという症状も出てきます。
飲み物や食べ物が気管に入ってしまう『誤嚥』のより、
肺炎を引き起こしてしまう危険もあります。
口の周りを日々意識的に動かすようにして、
鍛える必要があります。
とは言っても、口の周りを鍛えるってどうするの?
って思いますよね。
でも簡単です!!
「ワッハッハー」と、大声で笑うことです。
大きな口を開けて、大声で笑うことで、
口の周りの筋肉はもちろん、
唾液腺も刺激されて分泌が良くなるのです。
まずは、
喉が見えるくらい大きな口を開けてみましょう。
次に、
『い~!』っと首に筋が張るのを意識するくらい口を横に広げます。
その次は、『う~!』っと唇を尖らせて、
思いっきり前に突き出します。
最後に、『べえ~!』って思いっきり舌を出して、
顎の先をなめるように伸ばします。
口の形を意識しながら発音することで、
口輪筋、唇、頬、舌などを鍛えることができます。
マスクの着用で、
無意識で口呼吸になっている人が増えています。
口で息をする『口呼吸』は、ウィルスに感染しやすくなります。
虫歯や歯周病のリスクも上がり、
口臭の原因になるなどの影響があります。
舌力が付くと、
口呼吸を鼻呼吸に改善することも期待できます。
出来れば毎食後、
10セットを目安にチャレンジしてみましょう。
④食事はバランスよく、一口30回を意識してしっかり噛んで!
本当は好物なのに、
噛みにくいから食べなくなったものはありませんか?
歯が抜けてしまったりして噛めなくなると、
うどんなどの軟らかい食べ物に偏りがちです。
子供達でも、家では菓子パンなどの軟らかい食べ物に、
偏っていることも多いようです。
小さいころからいろんな食材を、
バランスよく食べるよう習慣づけなければいけません。
顎の発達のためにはよく噛むことが大切です。
一口30回は噛むようにすることを目安にし、
食材を大きめに切るようにしたり、
硬い食材も食べるようにすることですね。
しかし、高齢になって噛む力が弱っている場合は、
無理して硬いものを食べると、
顎を痛めてしまう場合がありますので、
食べられる範囲で、栄養バランスを整えることと、
よく噛むことを意識するよう努めましょう。
食べる量が少なくなっても、
多彩な食材を使うことで栄養バランスを保つことができます。
また、食事をするとき、
テレビやスマートフォンを見ながら食べると、
あまり噛まずに飲み込んでしまうので注意しなくてはいけません。
オーラルフレイルを予防するには
なるべく外に出て人との繋がりを持つようにしましょう。
コロナ禍で外出自粛の生活が続き、
運動不足になりがちです。
社会性がなくなり孤立することが、
一番のオーラルフレイルの要因と言われています。
一人で食事をすることは、
口腔機能の低下や食生活の乱れ、
そして体全体の機能の低下をもたらします。
外に出て、人と出会い、人と話すことは大切です。
無理のない範囲で外出し、
会話の機会を持つことです。
そうすることで全身の運動にもなり、
精神的な刺激にもなります。
外出しずらい場合は、電話などを活用し、
声を出して話すことが大切です。
家族をはじめ友人同士で連絡を取りあうなど、
適度な人付き合いを心掛けましょう。
また、家族や友人との連絡には、
電話やメールだけではなく、
ビデオ通話がおすすめです。
声だけではなく、
表情全体を使ってコミュニケーションを取り合いましょう。
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あとがき
スーパーやコンビニへ行っても、
一言もしゃべらずに帰ってくることがあります。
外出をせずに家にいると、
一日中、
誰とも話さない日が続いていることに驚きました。
買い物に行かなくても持ってきてもらえるし、
何不自由なく生活できているのですが、
運動不足は否めません。
オーラルフレイルからフレイルが始まると言っても
過言ではありません。
フレイルとは、
わかりやすく言えば、
「加齢により心身が老い衰えた状態」のことです。
高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、
さまざまな合併症も引き起こす危険があります。