甘いミカンの見分け方はどこを見る?品種や産地の特徴と保存の仕方は?

グルメ

甘いミカンとやぐら炬燵がなくては、
日本の冬は過ごせません!

それほどお正月には欠かせないミカンです。

秋も半ば頃から、
スーパーマーケットやデパートのくだもの売り場は、
みかん色一色に染まります。

それぞれ大きさや品種、○○産と書かれたミカンの種類は多すぎて、
ブランドみかんなど、有名なブランド名に惑わされ、
どれを選べばいいのか困ってしまいます。

やっぱり選ぶのなら、あまくて味の濃いミカンを選びたいのですが、
どれを見ても美味しそうに見えてしまいます。

そんな時の、甘いみかんを見分ける方法をお伝えします。

  

甘いみかんの見分け方はどこを見る?

一般的に『みかん』と呼ばれているものは、
『温州(うんしゅう)ミカン』のことで、関東より南の地域で栽培されます。

温暖な気候を好む温州ミカンですが、比較的に寒さにも強く、
春の終わりから初夏にかけて、3㎝ほどの白い小さな花を咲かせます。

品種によって実のなる成熟期は、9月から12月といろいろですが、
秋から冬には、5㎝~8㎝くらいの扁球形の実を付け、
その実は緑色からだんだんと『みかん色』になって行きます。

ミカンの木は、
高さがだいたい2mくらいから4mを超すほどのものまでありますが、
実を付ける頃には、濃い緑の葉が生い茂ります。

品種によって、また陽当たりやその土地の環境によっても、
甘みの強いものや酸味の強いものという特徴の違いがあります。

一般的に甘いミカンは、
ミカンの木の外側に、下向きになっている実と言われますが、
みかんが木になっている状態を見て買うことはできません。

ですから、私たちがくだもの売り場の前で、
甘いみかんと甘くないミカンを見分ける場合、
どういうところを見て選べばいいのかをまとめてみたいと思います。

🍊 オレンジ色濃いものを選ぶ。

黄色い色よりも、赤みの濃い色のみかんが甘いので、
果実の皮の色が濃いものを選びます。

色が濃いみかんは太陽の光りをたくさん浴びているといわれており、
盛んに光合成が行われることで糖分の高いみかんになりやすいです。

🍊 ヘタの軸は細い方がいいです。

軸が太いものは、大きな枝になったものが多く、
枝の中央部分の導管(どうかん)と呼ばれる通路から多くの水分が入り、
大味になりやすいです。

軸が細いものは導管が細く、師管(しかん)と呼ばれる通路から、
多くの栄養が送られていますので、甘みの濃いみかんになります。

甘いみかんは、軸が柔らかそうで、薄い緑色をしています。

みかんの軸の切り口が、薄い緑色で、
ヘタの切り口が小さくて細いものを選びましょう。

🍊 ずっしり重い感じを選ぶ。

持ってみてずっしり重い感じのものが美味しいです。

果実の形が良いこと。

形の悪いものは、
果実内の成熟のバランスが良くなく美味しくないといわれます。

丸く平べったい形をしていて、ずっしり重いみかんは、
糖分が多く含まれていることが多いのです。

🍊 小さめのサイズ。

皮の薄い早生みかんの場合は、
小さめのサイズを購入してみることをおすすめします。

みかんの大きさs、M、L。選ぶならsがいいようですね。
小さめが味が濃くて美味しいです。サイズで言えばMまでがおすすめです。

🍊 見た目と中身は違う。

みかんの表面がザラザラとしてしまうのは「水分不足」が原因なのですが、
みかんってストレスで甘くということで、
中身は外の見た目と打って変わってとても美味しいんですね。

外側ほど葉がゆれてこすれるので、
ミカンの擦り傷はおいしい証拠です。

傷物だと思って選ばないのは損です。

スリ傷があるのは葉が擦れて、
よく風と日光が当たった影響なのだそうです。

触った感じが柔らかく、
皮と身がくっついているミカンが美味しいです。

皮が浮いているみかんは、穫れたてであればおいしいものも多いのですが、
やはり皮が浮き上がって剥きやすそうではあるものの、
美味しさは劣ります。

🍊 皮のブツブツがキメ細かくなめらか

みかんには表面にブツブツとしたものがありますよね。
このみかんのツブツブは「油胞(ゆほう)」と言い、
これが多くて皮のキメが細かいほど甘くて美味しいと言われています。

また、このみかんのツブツブが多いほど、
みかんの木の枝の先についていることが多いので、
糖分が高くて甘いと言われています。

🍊 ミカンはお尻を見て選ぶ

へたの反対側が少しくぼんでいるみかんの方が甘味があります。

裏側が「でべそになってるみかんは甘い」といいますが、
軸でない方、お尻側の表面が細かくデコボコしていて、
なんだか菊の花のような形をしているもの、
このようなみかんを『キクみかん』と呼びます。

『キクみかん』は、畑の水分不足が原因でできると言われています。

果皮がうすく、よく見るとデコボコしているみかんは、
見た目は悪く、皮もポロポロ剥ける感じで少し剥き
難いのですが、中身は驚くほど甘い!のです。

◆おいしく甘いみかんの見分け方 まとめ

下向きになっているミカンほど甘くなる。

へたの軸が細いほど甘い。

果実の皮の色が濃いミカンを選びます。

丸くて平べったく、ずっしりと重そうなもの。

小さめが味が濃くて美味しい。

皮と身がくっついているミカン。

お尻側の表面が細かくデコボコした『キクみかん』。

皮の表面の油胞がキメが細かい。

※品質や栽培環境で甘さは異なる場合があります。
ミカン売り場で、あまり触って選ぶのはマナー違反です!

甘いみかんの見分け方 品種や産地の特徴

品種

温州ミカンの主な品種には、
極早生温州・早生温州・中生温州・普通温州に分けられます。

★極早生温州

極早生温州は、9月から10月頃に掛けて収穫される品種です。

ハウス栽培における石油消費量を減らす目的で、
研究が進められるようになった品種ですが、近年は生産過剰気味です。

宮本早生・日南1号・日南の姫(日南N1、ニュー日南)・岩崎早生
崎久保早生・上野早生・ゆら早生・YN26(紀のゆらら)

「極早生みかん」は有田みかんのトップバッターとして出荷されるみかんで、
主に10月から収穫・出荷が始まります。

★早生温州

10月から12月に掛けて収穫される品種です。

比較的単価が高いことから、
中生や普通温州からの切り替えを進める産地もあります。

青江早生・宮川早生・興津早生・田口早生・木村早生

「田口早生」は和歌山県で発見された品種で、
果汁の甘味が多くて減酸が早い品種で、
果皮に緑が残っていても、果肉は立派なみかん色です。

★中生温州

11月から12月頃に収穫される品種です。

藤中温州・南柑20号・愛媛中生・向山温州・きゅうき
久能温州・瀬戸温州・盛田温州

★普通温州

11月下旬から12月に収穫される品種です。

特に遅く出荷される品種(青島や十万など)は、
晩生温州として区別されます。

青島温州・十万温州・大津四号・今村温州・紀の国温州・寿太郎温州

産地

温州ミカンの生産量は、
和歌山県、愛媛県、静岡県が年間10万トン以上、
この3県で全国の約5割を占めています。

続いて、熊本県、長崎県が5万トン以上、
佐賀県、愛知県、広島県、福岡県、神奈川県、が2万トン以上、
三重県、大分県、大阪府、香川県、徳島県、鹿児島県、宮崎県が1万トン以上、
山口県、高知県が5000トン以上となっています。(2016年度の生産量に準拠)

これらの県で99%以上を占めます。

出典:農林水産省ホームページ
(平成28年産みかんの結果樹面積、収穫量及び出荷量)

生産量第一位の和歌山県の有名ブランドには、
有田みかん「新堂みかん」「田村みかん」「田口共販みかん」、
下津みかん「ひかえおろう」「雛みかん」「しもつみかん」、
紀南みかん「大坊みかん」「天」「木熟みかん天」「紀州一番」、
などがあります。

生産量第二位の愛媛県の有名ブランドには、
西宇和みかん「日の丸みかん」「豪琉頭日の丸千両」「百年蜜柑」、
宇和みかん「美柑王」「お袋さん」、
明浜みかん「風のいたずら」「はまかぜみかん」、
興居島(ごごしま)みかん「島みかん」、
中島みかん、などがあります。

生産量第三位の静岡県の有名ブランドには、
三ケ日みかん「ミカエース」「心」「誉れ」「マルマみかん」、
丸浜みかん「片山ミカン」、
浜名湖みかん「天下糖一」、
西浦みかん「寿太郎プレミアム」「寿太郎プレミアムゴールド」、
静岡青島みかん「夢頂」「いあんばい」、
などがあります。

温州栽培は、
温暖、かつ日当たり、風当たり、水はけが良い斜面の地形が条件であり、
主な産地のほとんどが太平洋や瀬戸内海に面した沿岸地です。

近年は保存技術の向上と共に、
ビニールハウスや温室で栽培されたハウスみかんも多く流通し、
ほぼ一年中目にすることが出来ます。

ハウスみかんでは佐賀県、愛知県、大分県などが、
主産地となっています。

大産地と言われる有名な産地のほうが、
みかんの発育に適している気候と土壌、生産方法や選果にも力を入れていて、
甘くて美味しいみかん率が高い感じがします。

みかんの保存の仕方は?

みかんの保存の仕方は、
風通しの良い、暗いところに置いておく方が良いです。

みかんは保存しておけばそれだけ酸が減り、
甘く感じられるといいます。

特に箱で買ったみかんは、
風通しの良い、涼しくて暗い所に保存するといいのですが、

この時、みかんに重さがかからないように、
重ねるのは3個までにして、
フタは開けたまま新聞紙をのせておきます。
こうすることでみかんにとって丁度いい湿度になるのです。

できればみかん同士がくっ付かないように、
一つ一つを新聞紙などで包んだり、
間に新聞紙を挟むことで、余分な湿度を取ってくれます。

それでもみかんは腐りやすいので、
時々点検して、カビかけているものや、
当たって水が出かけているものは、早目に取り除かないと、
他のみかんに伝染します。

ダメになりかけているみかんを見つけた時は、
すぐに取り除き、その周りをキレイにしておかないと、
その場所のみかんから、また腐っていきます。

取り除いたみかんは、中まで腐っていなかったら、
皮をむいてラップで包み、冷凍にしておくと、
また食べることが出来ます。

◆酸っぱいみかんを甘くする方法

単純にみかんは熟成すると美味しくなります。

涼しくて暗い所にしばらく置いておいておくと、
酸っぱいみかんは明らかに美味しくなります。

このときりんごと一緒に置いておくと、
りんごから発生すると言われるエチレンガスの働きで
みかんの熟成に一役買ってくれるんだそうです。

みかんは呼吸しているので、
呼吸することでみかんは酸を消費し、
甘く感じるようになるといわれています。

また、みかんをもんでも甘くなるといいます。

もんだ刺激がストレスになって呼吸が速くなり、
酸が減ったと考えられるということです。

ただし1日置くことが大切で、
これはみかんをもむことで酸が減るためです。

もんだみかんは傷みやすいので次の日に食べるのがいいようです。

あとがき

甘いみかんを見分ける方法で、おいしいみかんを選ぼうと、
スーパーマーケットのミカン売り場の前で、
ミカンの袋をまじまじと見つめたのですが、
なかなか難しいですね。

変な人って思われたかも知れません!

でも、これぞ!っていうのを買って帰って、食べてみました。
うう~ん!結構いい感じに甘いみかんが選べました。