クリスマスのホームパーティーで、
七面鳥の丸焼きがテーブルに飾られているシーンを、
アメリカ映画などで見かけます。
海外ではクリスマスのメニューに、
七面鳥は定番のようですが、
クリスマスに七面鳥が食べられるようになった理由はなぜなのでしょう?
どこの国の歴史にも、
間違って伝えられていることがたくさんあるようです。
クリスマスに七面鳥が食べられるようになった理由にも、
語り継がれている表の歴史と、隠された史実、
いろいろあったようです。
そんなクリスマスの七面鳥丸焼きのですが、
七面鳥のお肉って美味しいのでしょうか?
日本のクリスマスはもちろん、
食卓にもあまり馴染みのない七面鳥の丸焼き!
七面鳥のお肉を日本人があまり食べないのは何故なのかということを
まとめました。
今度のクリスマスには七面鳥を食べてみます?
クリスマスに七面鳥を食べる理由はなぜ?
『アメリカ人は必ずクリスマスに七面鳥を食べるんだ!』
そんなイメージが伝わっていますが、
実際のところはどうなのでしょうか。
アメリカの家庭では、
クリスマスに七面鳥を食べることもあるのですが、
アメリカの家庭で七面鳥のお料理が食卓に並ぶのは、
クリスマスよりも感謝祭の日のようです。
アメリカでは11月の第4木曜日に感謝祭のお祝いをし、
その時のお決まりメニューとして七面鳥を食べます。
感謝祭とは、アメリカ合衆国の祝日のひとつで、
収穫感謝祭ともいわれていますが、
『七面鳥の日』とも呼ばれることもあるそうです。
七面鳥はキジ科の一属で、北米大陸が原産の家禽(かきん)で、
1400年代末にコロンブスが新大陸を発見する以前から、
中央アメリカの先住民族によって家畜化されていました。
新大陸「発見」後 七面鳥は、
1519年にはスペイン王室に、
1541年にはイギリスのヘンリー8世に献上されました。
16世紀にイングランドの王ヘンリー8世が、
クリスマスに七面鳥を食べたことが始まりです。
それがその後庶民にも定着し、
イギリスではローストした七面鳥がクリスマスのごちそうとされ、
今では87%ものイギリス人がクリスマスに七面鳥を食べるそうです。
今でこそクリスマスに七面鳥を食べるのは、
イギリス人の習慣となっていますが、
1620年に、
イギリスからアメリカ大陸へ移り住んだピューリタン(清教徒)の半数は、
最初の年の冬を越せずに亡くなっています。
彼らを全滅から救ったのがインディアン(先住民)でした。
先住民は進んだメキシコ高原の農業文化の影響を受けて、
当時すでにトーモロコシ、かぼちゃ、豆などを栽培していました。
先住民は白人に当面の食料を贈るとともに食料の作り方を教え、
同時に北米原産の七面鳥も贈ったので、
白人は生き延びることが出来たといわれます。
翌年、
教えられたとおり栽培したトーモロコシやかぼちゃを収穫したとき、
白人は恩人の先住民を招待し収穫を神に感謝する祭りを行いました。
この習慣がヨーロッパへ伝わり、
クリスマスのメニューとして定着し、世界中へ広まったといわれます。
・・・・・というのが、
白人が主張する新大陸発見時の先住民とのオモテの歴史です。
そう言った歴史は別として、
アメリカでは、感謝祭やクリスマス、結婚式など、
大勢が集まるパーティには七面鳥が用意されるようになり、
七面鳥はお祝いの席に欠かせない肉となったのです。
七面鳥はニワトリと比べると、カラダが大きいので、
一度にたくさんの人のごちそうが作れます。
クリスマスに限らず、大勢の人が集まるパーティーなどでは、
調理も一度にできて都合がよかったのですね。
クリスマスに食べる七面鳥の味って美味しいの?
七面鳥の肉は、牛肉や豚肉、ニワトリの肉などより脂分が少なく、
さっぱりとしていています。
ほかの食肉と比べて脂身の少ないのが特徴の七面鳥は、
アメリカでは「健康的な」食材と考えられているのです。
そのため、アメリカ人は感謝祭に七面鳥を食べますが、
これは美味しいからではなく、伝統食だからなのです。
日本人がお正月におせち料理を食べるようなもので、
すごく美味しいと思って食べる人はそんなにいませんが、
脂分が少なくヘルシーなので、ダイエットにいいと考えられ、
逆に普段からよく食べる人もいます。
七面鳥も鳥の一種ですから、
普段食べている鶏肉と似たところはありますが、
どちらかというと脂が少ないので、
モモ肉よりは、ささみや胸肉といった部位に近い味わいです。
このぱさぱさ感はローストの方法によっても違ってきて、
丁寧にローストされた七面鳥の味は、
ぱさぱさ感が少なく、ジューシーに美味しくいただくことができます。
食感は弾力があり、噛めば噛むほど良い味がしみ出してくる感じで、
部位によっては味が濃厚で、思ったよりもクセが無く、
臭みもほぼありません。
七面鳥の味については、好みの問題ということになりますが、
『食べやすく濃厚な味の鶏肉のささみ』
という感じでしょうか。
ただ、細かい骨が多いので、
丸ごとローストした七面鳥をいただく時には、
骨に注意して食べるようにしなければいけません。
欧米のクリスマスで食べられる七面鳥の調理方法ですが、
単なる丸焼きではなく、
内臓を取り除いたお腹の部分に詰め物をするという方法が多いようです。
この時に詰める中身は、家庭により様々で、
ひき肉やパンのクズを入れて焼く家庭もあれば、
野菜や果物を詰めて焼く家庭もあります。
野菜や果物だけを詰める場合には、
それはあくまでも七面鳥の味を引き立てるだけの具材なので、
中身を取り出して食べることはありません。
また、北米では、
パンチェッタという豚の塩漬け肉と玉ねぎやセロリ、
マッシュルームを炒め、
ここに湿らせたパン粉と卵を加えて混ぜたものを詰めます。
この状態で焼くと、
中の具材まで美味しくいただくことができます。
他には、バターでソテーしたキノコを詰めたり、
バターライスを詰めるなど、様々な方法があります。
七面鳥のお腹に何を詰めるか、それはその家庭のアイデア次第で、
それを考えるのもクリスマスの楽しみの1つのようです。
七面鳥が入手困難なときは、鶏肉で代用されることもあります。
日本では七面鳥があまり売られていないので、
鶏肉を利用して作ってみてはいかがでしょうか。
クリスマスに食べる七面鳥 日本人があまり食べないのは?
日本にもアメリカやイギリスのように、
クリスマスに七面鳥を食べる文化が入ってきましたが、
日本では七面鳥が入手困難なため、
鶏肉を代わりに使うことが多いようです。
日本のスーパーやデパートの食肉売り場でも、
牛肉や豚肉、鶏肉は常にありますが、
七面鳥を常時おいているところは見かけません。
見かけないから普及しない!普及していないから食べられない!
日本人が七面鳥をあまり食べないのには、
いろいろな理由があるようですが、
そのひとつに日本の台所には、
アメリカの家庭によくあるような大きなオーブンがないことでした。
七面鳥は大きく、丸焼きにローストする場合、
物によっては日本のオーブンには入らないのです。
日本ではクリスマスに限らず、
ホームパーティーを開くといった習慣は少なく、
開いたとしても、家族だけやカップルだけのような少人数になるので、
丸一匹の七面鳥は日本人のクリスマスの食卓には量が多すぎるのです。
アメリカではクリスマスも感謝祭も、親戚や家族がみんな集まって、
丸まま焼いた七面鳥を取り分けながら食べるのです。
さらにアメリカでは、七面鳥のサンドイッチは人気があり、
七面鳥はチリビーンなどに使ったりもするので、
丸ごとの七面鳥は通年販売されているのです。
クリスマスにわざわざ七面鳥を選ばなくても、
日本にはブランド鳥のような美味しい鶏肉がたくさん売られています。
小型の七面鳥でも、調理の手間ヒマを思うと、
チキンの方がずいぶん楽ですし、美味しいと思います。
クリスマスイブのスーパーでは、
一人分づつの鶏ももの照り焼きが、飛ぶように売れています。
あとがき
個人的には、
七面鳥をどうしても食べたいと思うほど美味しいとは思えないので、
クリスマスのごちそうには鶏肉を選びます。
ちなみに、鶏もも肉は左足の方が美味しいそうです。
実験でも、
旨味を現すイノシン酸が左足の方が1割多く、
強度実験でも右足よりも左足の方が4割柔らかいということです。
その理由は「鶏は左利きが多いから」だそうで、
左足の方が運動量が多いので、
肉が美味しいということらしいのです。
嘘か本当か、食べ比べて見てください!
骨付きのモモ肉の左右の見分け方は、
皮を上にした状態で「右曲がりのものが左脚」で、
「左曲がりのものが右脚」です。
焼きあがった骨付きのモモ肉、
右利きの私にはチョット持ちにくい方が左脚です。