日本全国には、
人形を供養してくださる人形寺がたくさんあります。
その中で、
京都にある人形供養で有名なお寺
粟嶋堂宗徳寺
宝鏡寺
虚空蔵法輪寺
この3つのお寺それぞれの、
お供養の仕方をご紹介します。
人形供養で有名な京都の粟嶋堂宗徳寺の供養の仕方
「あわしまさん」
女性守護・女人守護の寺として名高い
粟嶋堂宗徳寺は京都駅から少し西へ行った、
京都水族館の近くにあります。
粟嶋堂宗徳寺は室町時代開山のお寺で、
京都では「あわしまさん」と呼ばれ、女性を守る神様をお祀りしています。
昔から京都の女性から厚い信仰を受けてきたお寺です。
婦人病をはじめとして、病気平癒や安産子受、
良縁、所願成就などにご利益があると言われています。
また宗徳寺では、お参りしやすい納骨堂を設け、
お寺で責任を持って納骨・永代供養いたしております。
粟嶋堂のご由緒
『粟嶋へ はだしまゐりや 春の雨』
この句は、娘の病気平癒祈願に訪れた与謝蕪村が詠んだものです。
粟嶋堂は西山浄土宗に属する宗徳寺境内のお堂です。
宗徳寺は応永年間(1394〜1427)に行阿上人がこの地に開山し、
ご本尊は阿弥陀如来です。
粟嶋堂は宝徳年間(今から約600年前)に南慶和尚が紀伊の国、
淡島にて虚空蔵菩薩像を感得せられて上洛の途上、
俄かにこの辺りで重くなったのを、
ご神意として鎮守・粟嶋明神としてお祀りしたのが始まりといいます。
江戸時代には粟嶋明神の霊験は広く伝わり、
孝明天皇、光格天皇は度々ご代参され、
歴代の后妃も篤くご信仰されました。
また俳人の与謝蕪村や文人画家の富岡鉄斎も当堂にお参りし、今もその足跡を残しています。
粟嶋堂宗徳寺では人形供養をしています。
万物に魂が宿るというように、
私たちは昔からモノにも心がある、命があると感じ、
大切にしようという気持ちを持っていました。
あわしまさんでは人形に対し、
「これまでどうもありがとう」と感謝の気持ちをお伝えしてお供養しています。
皆様も人形に心を寄せていただきお供養していただければ幸いです。
直接、粟嶋堂へお持込みできる方
受付は毎日、午前9時から午後5時まで開門していますので粟嶋堂へお持込みください。
お車の方は山門をくぐって境内にご駐車できます。
郵送の方は
お人形を箱に入れてゆうパックまたは宅急便にてお送りください。
届きましたら開封してお供養いたします。
また、
同時に供養料を現金書留・あるいは郵便振込みにてご送金ください。
お人形と供養料をお受けしましたら、
お供養のご報告を兼ねてお手紙を差し上げます。
郵送の際、箱の中にお清めの塩を入れる方がいらっしゃいますが、
塩が箱から漏れて 郵送会社の方にご迷惑がかかりますのでご遠慮ください。
注意事項
お人形のガラスケースや装飾品について
お供養の対象はお人形だけです。
ガラスケースや台座、装飾品等は各ご家庭にて取り外していただきご処分ください。
人形供養で有名な京都の西陣・宝鏡寺の供養の仕方
宝鏡寺は、京都市上京区にある禅宗寺院です。
宗旨は臨済宗系の単立。
近世には皇女が入寺する尼門跡寺院でした。
山号は西山(せいざん)通称人形寺と呼ばれています。
普段は拝観できませんが、定期的に特別拝観が行われます。
光厳天皇皇女の華林宮惠厳(かりんのみやえごん)は、
無学祖元(鎌倉円覚寺開山)の弟子にあたる尼僧・無外如大が京都の五辻大宮に開いた
尼五山筆頭景愛寺の6代寺持でした。
室町時代の応安年間(1368年 – 1375年)、
伊勢の二見浦にて漁網に掛かった聖観世音菩薩を景愛寺子院の建福尼寺に安置し、
建福寺を改めて宝鏡寺と称しました。
これには、足利義政の娘が文亀年間(1501 – 1504年)に再興したとされているからです。
足利義満の時代、隣地には小川御所があったとされ、
義満母の紀良子、義満実弟の満詮の別宅だったというが、
応仁の乱(1467年-1477年)の折、
戦禍から後土御門天皇、足利義政室の日野富子が逃げ込んでいた。
後に後嗣を巡る争いで御殿は焼かれてしまい、跡地は宝鏡寺に取り込まれた。
正保3年(1646年)、後水尾天皇皇女の理昌女王(久厳尼)が入寺して以降、
代々の皇女が入寺する尼門跡寺院となり、
土地の名前から「百々御所」(どどのごしょ)とも呼ばれたが、
天明8年(1788年)焼失。
以降再建された現在の建物群は尼門跡寺院の構成をよく伝えている。
人形寺へ入った尼僧には御所より数多くの人形が贈られたといい、
孝明天皇ご遺愛の人形などを保存して供養をしていることから人形寺の通称がある。
境内には人形の供養と京人形の振興を目的として人形塚が建てられており、
御所人形像と武者小路実篤の歌が刻まれている。
人形塚の歴史は意外と新しく、
境内に建てられたのは昭和34(1959)年のことです。
1950年代半ばに、京人形商工業協同組合が、
京人形を本格的にアピールしていこうと建立を計画したものです。
人形塚には、京人形を象徴する愛らしい御所人形が彫り込まれています。
その台座には、武者小路実篤の歌碑が寄せられています。
人形塚は、人形と人形制作に一生を捧げた人たちの供養塔として、
真摯な意味を持っているのです。
人形よ 誰がつくりしか
誰に愛されしか 知らねども
愛された事実こそ
汝が成仏の誠なれ
武者小路実篤
■人形供養祭
宝鏡寺の人形供養祭は、秋に行われる行事です。
今年の開催は、平成29年(2017)10月14日。
時間 10時30分から
拝観 無料
【注意】拝観は人形供養祭の時だけ無料です。
通常は、拝観料金600円が必要となります。
この日は島原太夫の奉納舞などがあります。
■秋の人形展
・開催期間
11月1日~11月30日
・拝観時間
午前10時~午後4時閉門(受付は15:30まで)
・拝観料
大人600円 小人300円 ※団体割引あり
■人形供養の受付方法
窓口受付の場合
毎日10時から15時まで受け付けております(年末年始はのぞく)。
お人形をガラスのケースや木・紙箱から出して、
紙袋やポリ袋にまとめていただき、受付まで御持参してください。
お供養料は3000円からです。
かさばったり重量があるものに関しましては、
お火上げの手数料の都合でお供養料が加算されます。
御了承の上、お納めいただきますようお願い申し上げます。
※目安として、
ポリ袋(45リットルの袋の口が余裕をもってしばれるくらい)にまとめていただき
お供養料5000円になります。
郵送受付の場合
宅配便・ゆうぱっくでも受け付けております。
その場合は、
必ずミカン箱くらいまでの大きさの箱(約30cm×40cm×30cm程度の箱、
またはゆうパック箱=大サイズ)に人形を納め、
お名前と郵便番号、御住所を記入した用紙と、
お供養料として一箱につき5000円を封筒に入れ、箱に同封してお送り下さい。
その他
お人形がなくてもお供養のみ受け付けております。
お供養料は3000円です。
受付にて紙のひとがたに名前を書いてお申込みいただきます。
納められたお人形は、ある程度集まりますと可能な処へ運ばれ、お火上げとなります。
お人形と一緒に納められた紙のひとがたもお火上げとなります。
お火上げの日までは毎日お勤めがされます。
受付で書いて頂いた紙のひとがたを燃やした灰の一部が、
毎年10月14日に行われる“人形供養祭”にて人形塚の中に納められます。
“人形供養祭”には、この日に持ち込まれたお人形を並べ、
年に一度の総供養の日として、お勤めが盛大に執り行われます。
毎朝のお勤めに参列はできませんが、
当日は皆様にも参列していただき、お焼香もしていただけます。
人形の寺 宝鏡寺
〒602-0072
京都市上京区寺之内通堀川東入ル百々町547
TEL:075-451-1550
受付時間:午前10時から午後3時まで
交通:市バス 堀川寺之内下車すぐ
詳しくは電話にてお問い合わせ下さい。
人形供養に関する相談受付
お電話(075-451-1550)にてお問い合わせ下さい。
人形供養で有名な京都の嵐山・虚空蔵法輪寺の供養の仕方
京都嵐山 虚空蔵法輪寺は十三参りでも有名なお寺です。
嵐山の中腹に位置する虚空蔵法輪寺には長い歴史があります。
およそ1300年前の和銅6年(713年)に
元明天皇の勅願により行基菩薩が創建したのがはじまりです。
清少納言の『枕草子』では、京都の代表的な寺院として挙げられ、
本尊のご利益は『今昔物語』にも描かれています。
幕末の禁門の変によりお堂の大半が焼失してしまいました。
その後、お堂や山門、多宝塔が再建され現在に至っています。
嵐山の大堰川に架かる渡月橋は、
法輪寺の道昌が川を修築した折に掛けたのが始まりとされ、
江戸時代までは法輪寺橋と呼ばれていました。
その渡月橋から嵐山を望むと、山の中腹に法輪寺の多宝塔が見えます。
法輪寺の山門をくぐり、石段を上がって行くと、
途中に電気・電波を守護する鎮守の社『電電宮』がおまつりされています。
さらに石段を登ると、正面に本堂が見えてきます。
その左手には多宝塔があり、右手には舞台と呼ばれる見晴台があります。
ここからは、渡月橋をはじめ嵯峨野が一望でき、
さらに東山の山々や京都市内を見渡すことができます。
■人形感謝祭
お勤めを終えたお人形を感謝を込めて供養します。
大切なお人形をご供養する、毎年十月十五日の人形感謝祭。
ご家族の思い出とともにあったお人形。
愛着もひとしおながらお勤めを終えたお人形を、感謝の気持ちを込めてご供養なさいませんか。
京都島津では、
お子さまのご成長祈願も兼ねた人形感謝祭を、四十年余にわたって開催しています。
人形供養を通じて、お子さまにものを大切にする心、
ひいては他を愛する気持ちを感じとっていただけるかと存じます。
人形感謝祭は京都嵐山、虚空蔵・法輪寺において、
十月十五日(人形の日)に人形供養とともにおこなわれています。
第48回人形感謝祭
日時 平成29年10月15日(日)
開催時間 午前10時~11時30分
場所 京都嵐山 虚空蔵法輪寺
古来より、
数え年十三歳に成長した男女が、成人の儀礼として法輪寺に参拝しました。
十三歳の厄難を払い、智恵を授けていただけるように虚空蔵菩薩に祈願します。
難波より 十三まゐり 十三里 もらひにのほる 智恵もさまざま
の歌で知られるように、
江戸時代の中頃から京都のみならず近畿一円からのお参りが一般に広がりました。
まとめ
長い間、そばに飾ってあった人形、
いつも見守ってくれた人形
時には心を癒してくれれた人形
時には寂しさを忘れさせてくれた人形
時が来て、お別れする時が来たら、
感謝の気持ちを込めて、
人形寺でお供養して頂くのですね。