祖母の家に行くと、
甘いお味噌を大葉で巻いて揚げた紫蘇巻きや、
とてもきれいな赤紫色の甘酸っぱくて爽やかな紫蘇ジュースを、
よく作ってくれました。
庭でとれた大葉や赤紫蘇を使って、
梅干しをつけたり、料理をしたり、
ジュースを作ったり、
食べ方や保存方法もとてもバリエーションがありました。
しかし、
そもそも「大葉」と「しそ」は、どこが違うのでしょうか。
また、青紫蘇と赤紫蘇の違いとは何でしょうか。
大葉や青紫蘇は、そうめんや冷ややっこなどの料理でも、
薬味として彩りを添えてくれます。
さっぱりとした爽やかな風味がたまりませんよね。
そこで、いつでもおいしく食べられるように、
冷蔵や冷凍保存の方法もご紹介したいと思います。
「大葉」と「しそ」の違いってあるの?
実は、大葉と青紫蘇は同じものです。
呼び名こそ違っていますが、
大葉とは、青紫蘇の「葉」のことを指していて、
この二つに違いはありません。
どうして呼び名が違うのかというと、
昔、青紫蘇を販売するときに、
しその芽と葉の区別が必要になり、
葉に「大人になった大きな葉」という意味で、
「大葉」という商品名をつけたことがきっかけです。
現在もその呼び方が続いているために、
呼び方が2通りできてしまいました。
青紫蘇と赤紫蘇の違いとは?
では、青紫蘇と赤紫蘇は、どう違うのでしょうか。
見ての通り、青紫蘇とは、
全体が緑色になっているものです。
とても香りが良いので、刻んで薬味として使われたり、
天ぷらや刺身のつまなどでも食べられます。
一方、赤紫蘇とは、
全体が赤紫色になっているものです。
赤紫蘇は、
青紫蘇とは違い生のままで使われることはあまりありません。
青紫蘇よりもアクが強く、
えぐみがあり、生のままで食べても美味しくありません。
主に梅干しや紅ショウガ、柴漬けなどの着色に使用されます。
また、
実は青紫蘇と赤紫蘇は、旬の時期も違います。
青紫蘇は、
温室栽培が行われているので一年中出荷されています。
そのために、
いつでも新鮮なものが手に入ります。
しかし、赤紫蘇は初夏が旬です。
赤紫蘇の収穫自体は夏の間は行えますが、
生だと日もちしません。
赤紫蘇の需要は梅干しを漬ける時期に限られてしまいます。
そのために、青紫蘇が通年市場に出回るのに対して、
購入できるのが6月~7月となってしまいます。
栄養面では、赤紫蘇には、
シソニンとうポリフェノールが含まれています。
シソニンは、青紫蘇には入っていない成分です。
これは強い抗酸化作用を持っています。
体の中の活性酸素を取り除き、
細胞が老化するのを防いでくれます。
これは、美肌効果も期待できます。
一方で、青紫蘇は、
シソニンは含まれていませんが、
βカロチンが多く含まれています。
ビタミンB群やビタミンE、ビタミンKなども、
他の野菜に比べて多く含まれています。
さらにミネラル成分も多く含まれており、
カルシウムや鉄分、カリウム、マグネシウム、
亜鉛などの栄養を簡単に摂ることができます。
赤紫蘇は薬効成分が多く、
青紫蘇は栄養含有量が多いと言われています。
しその保存方法は?
しそは、水分が多く乾燥にとても弱いため、
常温保存には向いていません。
常温保存だとすぐに水分が失われて傷んでしまいます。
しかし上手に保存することで、
長期でしそを楽しむことができます。
しそは、冷蔵保存も冷凍保存もすることができます。
「冷蔵保存」するときは・・・
乾燥させないように包むことがポイントです。
新鮮さを保つために、
濡らしたキッチンペーパーなどにくるんで冷蔵庫に入れます。
こうすることで、1~2週間保存することができます。
また、瓶などの筒状の入れ物に、
しそを縦にして、茎の部分だけに水がつくように入れ、
ラップやふたをして冷蔵庫に入れます。
このときに、葉の部分が水についてしまうと、
傷んでしまうので注意してください。
水は3日に一度くらい交換します。
こうすることで、
2週間程度は冷蔵庫で保存することもできます。
しそは冷凍庫でも保管できますが、
そのまま入れると葉が黒くなってしまいます。
冷凍庫に入れる前に、少しコツを知っていると、
きれいな色を保ったまま保存することができます。
「冷凍保存」するときは・・・
しそを切って保存する場合は、
しそをお好みの大きさに切ります。
ざく切りやみじん切りなどに使いやすくカットしてから、
密封袋やフリーザーバックなどに入れて冷凍庫に保存します。
しそを切らずに、そのままの状態で保存する場合は、
水分をよく拭き取ってから、
3~5枚程度の小分けにします。
それをキッチンペーパーで包みます。
さらにこれをラップで包んでから冷凍庫で保管します。
しそは冷凍することで、
3カ月くらい保存することができます。
あとがき
これから夏に向けて、
新鮮な大葉が手に入る時は多めに購入しても安心ですね。
薬味としてはもちろん、
調理方法も様々で、体にも嬉しい作用のある食材です。
脇役でもメインでも、
私たちの食卓を爽やかに彩ってくれるすぐれものです。