シラウオとシロウオの違いは何?旬な時期はいつで産地はどこ?美味しい食べ方は?

グルメ

高級食材として珍重されるシラウオとシロウオですが、
それって書き間違い?
それとも読み間違いじゃないの?って思われそうですね。

でも、シラウオとシロウオ、
それはまったく違う魚の名前なんです。

では、シラウオとシロウオはどのように違うのか、
見た目の特徴や、いつどこで獲れるのかなど、
シラウオとシロウオの違いをまとめてみました。

  

シラウオとシロウオの違いは何?

シラウオの特徴

シラウオは、サケ目シラウオ科の海水魚で、
『白魚』と書きます。

シラウオは、半透明の細長い小魚で
オデコに「葵の御紋」によく似た模様があるところが特徴と言えます。

大きさはシロウオよりも大きくて10センチほどです。

体は細長いのですが、
後ろに向かって太くなり尾びれの前で再び細くなる、
くさび形の形をしています。

新鮮であればあるほど透き通っていて美しく、
背骨や内臓などが透けてみえるのです。

死後時間の経過と共に白っぽくなるので、
その白い様子から「シラウオ」という名称が付けられたようです。

腹面に2列に並ぶ黒い点があり、
比較的目は小さく口は大きいのです。

シラウオの口はとがっていて、
シラウオのうきぶくろはシロウオほどはっきり見えません。

シラウオには背びれの後ろにある小さな丸い「あぶらびれ」があり、
これはアユやシシャモ、ワカサギなどと近縁であることを示しています。

シラウオは仔魚の形から変態し、
他のサケ類と同じようにひれができるのです。

シラウオは非常に繊細な生き物で、
漁で網から上げて空気にふれるとほとんどがすぐに死んでしまうため、
生きたまま市場に出回ることはほとんどありません。

早春の味覚として知られる。
シラウオは寄生虫(横川吸虫)の中間宿主となっている場合があるので、
2016年現在、
市販の生シラウオを含むシラウオの生食には、
注意を要するとされています。

少数の寄生では重篤な症状は出ませんが、
多数の寄生によって、
軟便、下痢、腹痛などの消化器障害が起こる可能性があります。

キュウリウオ目シラウオ科の魚は、
東南アジアから東シベリアまで6属14種類が分布していて、
なかには体長が15cm以上になる種類もあります。

従来の説では、
シラウオは春に川の河口域や汽水湖、沿岸域など汽水域の砂底で産卵し、
孵化した稚魚は翌年の春まで沿岸域で、
プランクトンを捕食しながら成長します。

冬を越した成体は産卵のために再び汽水域へ集まって産卵し、
産卵した後はオスメスとも1年間の短い一生を終えると考えられていました。

しかし、
2016年現在、シラウオは産卵のために汽水域に集まるのではなく、
汽水域で一生を過ごすという新しい説が提唱されています。

シラウオには、シラオ、シラス、トノサマウオ、シロウオ、シロオ、など、
いろいろな別名があり、
「銀魚」、「鱠残魚」という漢字を用いる場合もあります。

「トノサマウオ」という別名は、
お殿様の手ようなきれいな指をシラウオになぞらえたものという説があります。

また、細長く半透明の優美な姿から、
女性の細くて白い指を「シラウオのような指」とたとえることがあります。

★シラウオの種類

日本にはシラウオの種類が、3属4種が分布していますが、
アリアケシラウオとアリアケヒメシラウオは、
有明海周辺だけに分布している種類です。

この2種類は分布が極めて局地的な上に、
絶滅寸前というところまで個体数が減っているため、
どちらも絶滅危惧IA類に指定されています。

・シラウオ
体長8cmほどで、東シベリアから朝鮮半島、中国まで分布し、
日本でも北海道から九州北部に分布しています。

・イシカワシラウオ
体長8cmほどのシラウオで、
日本の固有種で、北海道から九州北部に分布しています。

シラウオに似ていて、
特にシラウオと区別せずに漁獲・流通がなされています。

・アリアケシラウオ
体長15cmほどにもなる大きなシラウオで、
有明海と朝鮮半島に分布しています。

有明海沿岸域では漁獲し食用にされていましたが、
現在は漁獲が激減し、絶滅が心配されています。

・アリアケヒメシラウオ
体長5cmほどのシラウオで、
丸い頭部とずんぐりした体型をしており、シロウオに似ています。

NHKの『ブラタモリ』では、
徳川家が好んで食べたのだとか言ってましたが、
シラウオを徳川家へ献上するイベントは、
いまも継続しているそうです。

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シロウオの特徴

シロウオは、スズキ目ハゼ科の海水魚で、
『素魚』と書きます。

シロウオは他のハゼ類と違い、
ほとんど仔魚のような形で成熟します。

シロウオの成魚は全長5cmほどで、
細長い円筒形の形をしています。

生きている状態では黄色みを帯びたほぼ透明で、
腹側に黒い点(黒色素胞)があります。

眼球・うきぶくろ・脊椎等が透けて見えるのですが、
死ぬと体が白く濁ってしまい、体内の構造は見えなくなります。

メスの腹部には黒い点が1列に並び、
オスにはそれがないので区別できます。

くちさきは丸く、眼の後ろまで裂けていて、
下顎が上顎より前に突き出ている顔つきには、
ハゼ類の特徴がよく現れています。

また、ハゼ科の魚は背びれが二つあることと、
腹びれが吸盤状になっているところが特徴ですが、
シロウオの背びれは一つしかなく、腹びれはごく小さいのです。

シロウオには鱗も側線もなく、
充分に成長しても仔魚のような特徴を残すことから、
ハゼ科の中では形態が特異な種類として位置づけられています。

シロウオは内湾にすみ、
春の産卵期には群れになって川をのぼり、小石の下面に産卵します。

北海道南部から九州南部までと朝鮮半島南部の慶尚南道周辺に分布し、
瀬戸内海域は日本海系と太平洋系統が混合していると報告されています。

食用に漁獲されます。

日本での地方名として、
茨城・徳島ではヒウオ(氷魚)、
北陸ではイサザ、
伊勢湾沿岸ではギャフ、
関西や広島では『しらうお』と呼ばれることもあり、
シラウオ科のシラウオと混称されることもあります。

また、北陸地方での呼称イサザは、
琵琶湖産ハゼの一種の標準和名に充てられていて、
琵琶湖で氷魚はアユの稚魚を指します。

シロウオの生態としては、
通常、沿岸の浅い海に生息し、
プランクトンを捕食しながら生活していますが、
早春には成魚が川の下流域に遡上して産卵します。

成魚は河口で群れをなし、
満潮時の上げ潮に乗って川をさかのぼります。

汽水域上限から淡水域にかけての、
転石が多い区域に辿り着くと群れは解消され、
一夫一妻の1回限りの繁殖様式とされています。

1-3mm程度の礫質底に、
オスは各々が石の下に潜り込んで産卵室を作り、
メスを誘って産卵させます。

メスは産卵室の天井に、
長径3mmほどの細長い水滴形の卵を約300個産卵します。

産卵・受精後はオスが巣に残り、
孵化するまでの2週間ほど何も食べずに卵を保護します。

シロウオの寿命は約1年で、メスは産卵後に、
オスも卵が孵化した後に死んでしまいます。

孵化する仔魚は全長5mmほどで、
すぐに川の流れに乗って海へ下ります。

古来より川の下流域へ集まる頃の成魚が食用に漁獲され、
早春の味覚として知られています。

また、
食用以外にはメバル等の肉食魚の釣り餌としても利用されます。

シロウオ漁には十字に組んだ竹2本で四角形の網を吊るした、
四手網が全国的によく使われます。

網を川底に吊るし、
シロウオの群れが網の上を通過したときに、
一気に引き上げて漁獲するもので、
早春の下流域で四手網を繰り出す様は春の風物詩ともなっています。

他に地引網や簗などでも漁獲され、
簗漁が行われる地域は日本各地にありますが、
福岡市の室見川下流におけるシロウオの簗漁は江戸時代からの伝統があり、
マスコミで取り上げられる機会も多いようです。

南三陸町の伊里前川では川に幾何学状に積み上げた、
「ザワ」と呼ばれる石垣の隅におい込んで捕獲する漁をしていますが、
これは戦後発達した漁法で、
近隣地域に見られないため、
近年「しろうお祭」と称される祭が開催されるようになりました。

近年シロウオは、高級食材として扱われていて、
死ぬと著しく風味が落ちるとされるため、
流通する際は、水と酸素を充填したポリ袋に入れるなどして、
殺さないように注意が払われます。

シロウオもかつては各地で沢山獲れたようですが、
近年はその漁が激減し、今や高級魚となっています。

激減した原因はいろいろあると思いますが、
最も大きな原因は、
シロウオが遡上し産卵できる綺麗な水と砂利のある場所や、
孵化した稚魚が過ごせる綺麗な砂地の海岸などが、
開発によってどんどん少なくなってしまっているからだといわれています。

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シラウオとシロウオの主な産地はどこで旬な時期はいつ?

シラウオ(素魚)の主な産地と旬の時期

★シラウオの主な産地

シラウオは古来より沿岸域へ産卵に集まる頃の成魚が食用に漁獲され、
かつては全国で漁獲されました。

シラウオの主な産地は
北海道から九州沿岸、朝鮮半島、中国などに生息していて、、
主な産地は島根県の宍道湖で、
「宍道湖七珍」のひとつとされています。

現在、北海道、青森県、秋田県、茨城県、島根県などが、
主な産地となっていて、比較的、東日本に多いのです。

また、茨城県の霞ケ浦なども知られています。

★シラウオの旬な時期

シラウオの旬は産卵期に川に上ってくる春の2~4月で、
宍道湖では11月中旬に解禁され3月がヤマ場とされています。

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シロウオ(素魚)の主な産地と旬の時期

★シロウオの主な産地は

シロウオは生息域の各地の河口で、
古くから主に四手網(よつであみ)によって漁獲されています。

主な産地としては福岡県室見川、
ここでは川幅いっぱいにヤナと呼ばれる仕掛けを作り漁獲されています。

その他、愛媛県岩松川などがあります。

福岡博多の生きたまま流し込むように食べる「踊り食い」は有名で、
他の産地でも料理屋で提供されていたりします。

★シロウオの漁期と旬の時期

シロウオは産卵期を迎える早春に海から川に遡上し、
それを漁獲するのですが、
漁期は地方によっても多少ずれていたりします。

福岡県室見川など多くの地方では、
2中旬頃から~4月上旬辺りまでですが、
愛媛県の宇和島では、
1月中旬頃から2月中旬ごろまでとなっています。

大分県あたりでは、
2月初旬から3月下旬頃までで、
東北宮城県の南三陸では、
4月上旬から5月にかけてとなっています。

シロウオの旬の時期は、
当然それぞれの産地の、漁期の間の最盛期ということになります。

首都圏や都市部では各地から入荷されるので、
一般的には2月中旬頃から4月上旬頃までが旬の時期と言えそうです。

<゜)))彡<゜)))彡<゜)))彡<゜)))彡<゜)))彡<゜)))彡<゜)))彡 シロウオ・シラウオともに漁は、 四角形の網を十字に組んだ竹で吊るした、 「四つ手網」がよく使われますが、 霞ヶ浦などの大きな産地ではシラウオ用の刺し網や定置網などもあります。

シラウオとシロウオの美味しい食べ方

シラウオの美味しい食べ方

シラウオは生で寿司に握ったり、
まとめて天ぷらにしたり、釜揚げで食べたりします。

料理方法としては、
煮干し、佃煮、酢の物、吸い物、卵とじ、天ぷら、
炊き込みご飯などがあげられます。

また、刺身、寿司などとして生で食べることもあり、
江戸前寿司のネタとしては、
コハダやアナゴとならんで最古参にあげられます。

シラウオを選ぶポイントとしては、
シラウオ(白魚)は生きているときは半透明で、
死後時間が経つにつれて白くなっていきます。

買うときはできるだけ透明感がある物の方が新鮮です。

★シラウオの主な料理

・生食
新鮮なシラウオなら、生のままワサビ醤油で食べたり、
酢味噌和えなどにできます。寿司種にもなり、
シラウオの軍艦巻きはよく見かけます。

・佃煮
古くから産地では佃煮にもされてきました。

シラウオは身が柔らかく、クセが少ないので、
薄味に仕上げた方がいいでしょう。

・天ぷらなどの揚げ物
シラウオのかき揚げは外はサクッとし、
中がふわっとした仕上がりになりとても美味しいです。

また、
一匹ずつバラけるように粉をまぶしてから揚げにしても美味しいです。

・椀もの
上品な味と細く白い形を活かした吸い物にも使えます。

もちろんみそ汁でも美味しいです。

・卵料理に
親子丼の様な感じでシラウオを出汁で軽く煮たところに溶き卵をまわしかけ、
ネギを散らして卵とじにすると美味しいです。

もちろんそれを丼にするもよし、
そのまま食べるもよし。

また、
卵焼きに巻き込んでも良いです。

卵の上にシラウオを散らす際、
巻く芯に平行になるように散らすと巻きやすいです。

★シラウオの栄養

シラウオ(白魚)は、骨も含め、丸ごと食べるものなので、
カルシウム、マグネシウム、リンなど、
骨の生成に不可欠なミネラルを沢山摂取できます。

カルシウムを豊富にとれるシラウオは、
骨を丈夫にし、精神的な安定も得られます。

また、シラウオにはレチノールが沢山含まれています。

ビタミンAとなるレチノールが多く、
活性酸素を抑え動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病対策となる他、
皮膚や粘膜の細胞を正常に保ち、免疫力も高まります。

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シロウオの美味しい食べ方

シロウオは、
パッと見、白というよりは黄色がかった透明のように見えますが、
シロウオの踊り食いを、
春の風物詩として名物料理とする地域もあります。

生のシロウオを軍艦巻の寿司種にしたり、
生きたままポン酢などで食べるシロウオの踊り食いは有名ですが、
口の中でピクピク動く感触は好みが分かれるところです。

シロウオの踊り食いは、
水を張った鉢や皿に生きたまま出されたシロウオを網杓子ですくい、
酢醤油の入った小鉢に移し、
それを吸い物を吸うように、シロウオごと胃の中に流し込みます。

踊り食いや生食については、河川の細菌や寄生虫(横川吸虫)など、
衛生上の問題が一部で指摘されています。

他にシロウオの美味しい食べ方としては、
天ぷら、卵とじ、吸い物の椀種、
ニンジンなどと共に炊く炊き込みご飯などの料理が、
伝統的に食べられています。

シロウオの料理としては卵とじやかき揚げなどが知られていますが、
シラウオとシロウオで料理法は被っているところが大きいようです。

朝鮮では、慶尚南道や釜山でフェやムルフェと呼ばれる酢、
トウガラシなどで味を付けて生食する料理や、
和え物、チヂミの類、スープなどとして食べられます。

★シロウオの主な料理

・揚げ物
シロウオのかき揚げ 天ぷら
味わうという意味では、かき揚げやから揚げ、
素揚げなどの方が美味しいかもしれません。

揚げると川魚特有の臭みなどは全くなく、
サクっ!ホロッ!とした食感が楽しめます。

・椀もの
シロウオの澄まし汁
上品な味と細く白い形を活かした吸い物にも使えます。

もちろんみそ汁でも美味しいです。

・卵料理に
親子丼の様な感じでシロウオを出汁で軽く煮たところに、
溶き卵をまわしかけ、ネギを散らして卵とじにすると美味しく、
もちろんそれを丼にするのも美味しいです。

また、卵焼きに巻き込んでも良いです。

卵の上にシラウオを散らす際、
巻く芯に平行になるように散らすと巻きやすいです。

★シロウオを選ぶポイント

シロウオは基本的には生きたままの状態で仕入れます。

死後急速に味が落ちるため、
かつては産地ならではの珍味でしたが、
近年は水と酸素を詰めたパックで生きたまま都市部へも流通しています。

★シロウオの保存方法
シロウオは生きたものを買ってきたら、
元気なうちに食べてしまいましょう。

酸素が充填されたパックでも何日も持つわけではありませんので、
その日のうちに食べられないのであれば、
開封し、別の容器に水を張り、酸素ポンプを使って活かしておきますが、
もう少し保存するなら冷凍するしかありません。

ステンレスのバットにラップを敷き、
その上にシロウオをなるべく広げて、
くっつかないようにした状態で急速冷凍し、
凍ったら密封袋などに入れて冷凍保存しておきます。

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あとがき

シロウオとシラウオは、“ロ”と“ラ”の違いなんですが、
全く違う生き物だなんて、
ホントにややこしいですね!

見た目は違うのですが、
私には味の違いまではよくわかりませんし、
踊り食いはニガテです。

春の味覚として『春が来たなあ~!』って感じますが・・・