つむじ風が運動会で起きる条件と発生する時期は?漢字に犬が使われる理由は

気象現象

つむじ風が運動会で起きて、
テントが飛ばされたというニュースを聞くことがあります。

運動会などで突然起きるつむじ風は、
どのような気象条件が原因で発生するのでしょうか。

運動会で起こりやすいのは何故なのか、
運動会の時期に関係しているのでしょうか。

つむじ風の発生する条件や時期についてまとめました。

また、つむじ風を漢字ではどう書くのか、
諸説いろいろあるようです。

犬という漢字が使われたおもしろい字もあるのですが、
どういう理由で使われているのかをご紹介します。

  

つむじ風が運動会で起きる条件と発生する時期は?

つむじと言えば、
頭のてっぺんの毛が、
渦を巻くようにして生えている様子のことを指します。

『つむじ風』という風の名称も、
渦を巻いている様子からつけられています。

つむじ風は、
細かい乾燥した土や砂、
落ち葉やゴミなども一緒に巻きあげて吹き荒れるので、
塵旋風(じんせんぷう)とも呼ばれます。

この塵旋風、つむじ風は、
地表付近の大気が気温によって温められ、上昇気流が発生して、
そこに水平方向の強い風が加わることで回転し、
渦巻き状になって立ち上がる突風の一種です。

つむじ風は良く晴れた日に起こりやすく、
運動会などでは競技前のグランドに、砂ほこりを押さえるために、
運動会の準備として水まきをします。

水が撒かれた運動場に陽が照りつけ、地面の温度が上がることで、
上昇気流が発生し、そこに吹いた横風によって回転が起こり、
一気に舞上がる現象です。

つむじ風が発生する条件とは

つむじ風が発生する条件は、
「晴天」「乾燥」「風」の3要素だと言えます。

晴れていると太陽の光で地面の温度が上がり、
地上の空気が暖められることで、上昇気流が発生します。

そこに強い風が当たると、気流が乱れ、空気の渦となります。
これがつむじ風のメカニズムというわけです。

春から初夏の季節、つむじ風が発生しやすい条件が揃う時期で、
運動場など広いところは、
物が飛んでこないか特に注意をしなければいけません。

つむじ風と竜巻の違いは

つむじ風は、地面の温度が上がり上昇気流が発生して起こる突風です。

しかし『竜巻』は、
上空の雲から垂れ下がる漏斗(ろうと)状の雲をともなっていることが特徴で、
前線の通過や台風の接近に伴って発生することが多いといわれています。

『つむじ風』は『竜巻』のような雲は関係ありません。

『つむじ風』は、
晴れた日に強い日射で地面が暖められて発生することが多く、
直径は数mから数10mと『竜巻』よりずっと小規模です。

風速もそれほど強くはないですが、
それでも運動会のテントなどを巻き上げる力はあるので、
テントなどの飛ばされそうなものには重りを置くなどの注意は必要です。

『竜巻』が発生する前兆には積乱雲などが見られますが、
『つむじ風』は晴天の時にいきなり発生することが多いようです。

『竜巻』は、積乱雲に伴う大きな風の渦、
『つむじ風』は、雲を伴わない竜巻より小規模な風の渦ということで、
この違いは一目瞭然です。

★塵旋風の定義
・地表付近の大気状態が主な発生要因である。
具体的には、強い日射による熱上昇気流(サーマル)や、
地形性の風の収束が挙げられる。
・主に、雲が少なく風が強い、晴天時に発生する。
・地表から上空へと回転性の上昇気流が立ち上るが、
上端の高度は数10m~100m程度で雲底高度にも達しない。
・地面から巻き上げられた砂や塵が立ち上っていることが多い。
海上では発生せず、垂れ下がる雲を伴うことはない。
・気象現象として小規模で、付近の天候が変化するようなことはない。
・下降気流を伴うことはない。
・塵旋風の直下や付近に建物などが存在した場合、
甚大な被害を及ぼす可能性は低い。
・塵旋風の規模を計る指標や基準は特にない。

★竜巻の定義
・上空の大気状態が主な発生要因である。
具体的には、突風前線面での寒気と暖気の衝突による上昇気流や、
シアーの大きい風の収束などが挙げられる。
・主に、どんよりと暗く低い雲が立ちこめる、荒天時に発生する。
・地表から上空の積乱雲の中へと回転性の高速の上昇気流が立ち上り、
上端の高度は数100m~1km程度に達する。
・地面から巻き上げられた砂や塵、
海面から巻き上げられた水滴が立ち上っていることが多い。
また、積乱雲から柱状または漏斗状の雲が垂れ下がることが多い。
・気象現象として大規模で、付近の天候が急激に変化することがあり、
雹(ひょう)や霰(あられ)が突然降り出すこともある。
・襲来前後にダウンバースト等の激しい下降気流が発生することが多い。
・竜巻の直下や付近に建物などが存在した場合、
甚大な被害を及ぼす可能性は高く、自然災害となり得る。
・竜巻の規模を計る指標として、
シカゴ大学名誉教授の藤田哲也による
「藤田スケール」が国際的に知られている。

Wikipediaより引用

つむじ風という運動会の競技とは

運動会の会場などでよく起こるつむじ風ですが、
その運動会の競技のひとつに『つむじ風』という競技があります。

運動会などでやる『つむじ風』という競技は、
五人が一組になって横一列になり、
一本の棒を持って走り、途中でポールを回転するという競技です。

また『つむじ風』という競技は、台風の目(たいふうのめ)とも呼ばれ、
運動会などで行われます。

台風の目も4~5人一組で、全員が一本の長い棒を持ち、
定められたコースを走るという競技です。

走るコースの途中にはいくつかのコーンが置かれていて、
そのコーンを中心にして方向転換することがルールとなっています。

また、ひとつのコースを往復し、
リレーで繋げる競技の場合もあります。

コーンを回転するとき、
回転の中心を走っている人は足踏みするように走ります。

棒を中心へ向かわせる様に引っ張ることで向心力が発生し、
速く回転することができます。

また、外側を走っている人は、
中心を走っている人よりも多く走らなければいけないので、
足の速い人が外側を走ることが多いようです。。

『つむじ風』という競技は、
学校によってルールがいろいろあるようです。

高知地方でみられるルールに『マスト登り』というものがあり、
第一走者のグループと、アンカー走者のグループに、
1人ずつマスト登り(地面に立てられた棒を登る)の要員がいて、
第一走者のグループがマストの上に旗を立て、
アンカーのグループが、
最後にマスト上の旗をとってからゴールするという形式もあります。

つむじ風という漢字に犬が3つ使われる理由は

運動会の競技の名前になるほどインパクトの強い『つむじ風』ですが、
『つむじ風』を文字で表すとき、いろいろな漢字が用いられます。

『つむじかぜ』という字を漢字で書く時、どう書くのかを調べてみると、
旋風、飄、飃、颷、飈、飇、飆、など、
いろいろな漢字がありました。

旋風…“せんぷう”とも読みますが、
地表が熱せられて上昇気流が生じ、
周囲から渦巻(うずまき)状に吹いて来る激しい風ということで、
つむじ風と同じです。

飄…漢音でへウ(ひょう)と読まれ、呉音ではベウ(びょう)と読まれます。
動詞としては「翻る(ひるがえる)」という意味もあり、
飆と同音同義です。

飃…飄の別体(形体・様式が異なっていること)

飇・飈・颷…飆の別体で、飄と同音同義です。

颮…漢音でへウ(ひょう)と読まれ、飆の意味です。
ハウ(ほう)なら風の音。

颶…大きなつむじ風のことで、海上に起こる暴風雨を意味‎します。

一言で『つむじかぜ』と言っても、たくさんの漢字が当てられていて、
それぞれ、音や大きさの意味があるようです。

それらの漢字とはちょっと違うのですが、
『犬』という漢字を3つ書いて『猋』という漢字があります。

この『猋』という漢字は、猋(ヒョウ)と読みますが、
『つむじかぜ』とも読むようです。

『猋』という漢字は、犬が群れを成して走るさまを現していますが、
“犬が疾く走るさま”や“はやい”という意味があり、
それが転じて『つむじかぜ』という意味もあるそうです。

『飆』という漢字も同じ意味で、
イヌが風をまきおこしながら群がって走るさまを表した字です。

『つむじかぜ』が起きると、
犬も連れだって走りだすという様子を表しているのでしょうか。

ちなみにこの『猋』という漢字、
『つむじかぜ』で変換しても出てこないですけど・・・

あとがき

つむじ風は春先に発生しやすいといわれていますが、
5月以降、初夏になっても、
あちこちでつむじ風が発生しています。

空気の乾燥が大きな原因と言われていますが、
砂や塵を巻き上げるので、目に入ることもあります。

また、つむじ風によって、
いろんなものが飛んでくることもあるので、
本当に怖いですね。