線状降水帯が発生する原因は?発生しやすい場所を予測することは?

気象現象

この数年、主に梅雨の時期に、
「線状降水帯」という言葉をよく聞くようになりました。

線状降水帯が起きると、
災害に繋がるので怖いですね。

気象と言う自然現象を止めることは無理だとしても、
発生を予測することが出来れば、
災害をより少なく抑えられることもできると思います。

何故、
線状降水帯が発生するのでしょうか?

調べてみました。

線状降水帯が発生する原因は?

・集中豪雨をもたらす線状降水帯とは?

線状に見える雨雲には、
動きの速いものと停滞するものがあります。

そのうち、
同じ場所に停滞するものは、
大きな災害に結びつく集中豪雨を発生させ、
線状降水帯と呼ばれることがあります。

線状降水帯は、
激しい雨を降らせる積乱雲が連続して発生し、
線状に並び、
その規模は幅20〜50km、長さ50〜200kmに及びます。

線状降水帯は、
ときには同じ場所で激しい雨を、
3時間以上も降らせ続けることがあり、
まさにその場所に居る人にとっては、
経験したことのない大雨となります。

停滞性の線状降水帯の発生要因のひとつに、
バックビルディング現象があります。

次のような流れで線状降水帯を作り出します。

1.最初に風の収束や地形効果などによって、
積乱雲が発生。

激しい雨を降らせながら、
上空の風に流されてゆっくりと移動する。

2.風上側のこの積乱雲が発生した場所で、
新たに積乱雲が発生し、
またゆっくりと風下へ移動する。

3.同じ場所で積乱雲が発生し、
発達した積乱雲が流され、
また、
同じ場所で積乱雲が発生するというこの流れを繰り返す。

このようにして、
組織化された線状降水帯が作り出されます。

・積乱雲を発達させる水蒸気の供給や、上昇気流を引き起こす要因の解消

・積乱雲を移動させる上空の風の流れの変化

どちらかがない限り、
線状降水帯による激しい雨が続いてしまうことになります。

メディアなどを通じて、
頻繁に使われるようになった「線状降水帯」。

その発生要因は少し複雑で、
メカニズムそのものを理解するには、
少し時間がかかるかもしれません。

ただ、この言葉は、
“大きな災害を引き起こすおそれがあるもの”
として理解しておけば、
メディアなどを通じてこの言葉を耳にした時に、
備えに結びつけることができるのではないでしょうか。

線状降水帯が発生しやすい場所は?

台風以外で、
大雨による災害が起きた原因を探ってみると、
線状降水帯が多く関わっていたのです。

最近の情報を思い起こしてみると、
西日本で多く発生しているようです。

台風と同じように、
海の水と偏西風が関係しているのかとおもいますが、

ただ、台風と大きく異なる点は、
沖縄にはあまり発生していないという点です。

過去の発生事例をあげると、
九州と四国近辺で多いことがわかります。

遥か遠い南の海で発生しているのではないようです。

線状降水帯の発生原因を調べてみると、
条件のひとつに、
「暖かく湿った空気が山や前線にぶつかって上昇する」
というものがあります。

台風の発生には、
温かい海の水が大きく関係していますが、

線状降水帯は、
その温かい空気が一気に上昇することが、
原因のひとつとなるため、

この時期すでに梅雨前線が通り過ぎている沖縄では、
発生しづらいのではないでしょうか。

高い山脈と梅雨前線が平行になる部分で、
発生しやすいとの情報もありました。

つまり、
梅雨前線と高い山脈が交差した状態になる中部地方では、
発生しづらいということなのでしょうか。

海に近いということも条件のひとつのようです。

線状降水帯は、
「大量の温かく湿った空気」と、
「梅雨前線」がぶつかることによって発生することが多く、

この「大量の温かく湿った空気」は海に関係しています。

海に面する九州地方や四国地方で発生することが多く、
風の向きによって、
中国地方に流れ込んでくるということなのでしょうか。

原因がはっきりしていないので、
発生しやすい場所も特定し辛いようですね。

九州、四国地方で発生し易いという説と、
四国での発生確率は少ないという説もあります。

近年の、線状降水帯が引き起こした災害をみてみると、
西日本が多く、
九州、中国地方で発生している様です。

そして、
線状降水帯は全国どこでも起こりうるという説もあります。

梅雨から秋にかけて発生すると言われている線状降水帯の、
情報を予知する事は難しいと言われていますが、
災害への準備はしておきましょう。

線状降水帯の発生を予測することは?

令和2年7月、
九州各地に甚大な大雨被害をもたらした「線状降水帯」。

短時間で大量の雨をもたらす雲の塊の発生し易い場所も、
まだよく分かっていないのが実情です。

九州南部の豪雨の場合も、
梅雨前線に南から湿った空気が入るという、
典型的なパターンでした。

気象庁もそこまでは分かっているので、
前もって大雨警報を出していた多くの場合、
線状降水帯は徐々に移動していくので、
激しい雨が降っても、1時間くらいで上がりますが、
3、4時間、長い場合は半日続きます。

これによって大きな災害が起こります。

線状降水帯が止まったままでいるのか、
また動き出すのかというところは、
非常に微妙なバランスで決まるので、
予測するのは難しいのが現状です。

3年前の九州北部豪雨の時、
ある専門家が、
「そこにいたら私も被災していただろう」と、
おっしゃっていたくらい、

直前まで非常に天気が良く、
夕立くらいの感じで雨宿りをしていたら、
いつまで経っても止まずに激しさを増し、
気付いたら水浸しになってしまっていた。

今回の九州南部の災害も、
そのような降り方だったのかもしれません。

2013年10月の伊豆大島大雨被害、
14年8月の広島豪雨水害、
15年9月の関東・東北水害(鬼怒川堤防決壊)、
17年7月の九州北部水害など、

報道では、
「線状降水帯」という言葉を、
耳にする機会が増えていますが、
かつては発生していなかった現象なのでしょうか。

気象庁の監視能力が向上した、
ということも大きいと思いますが、
激しい雨の頻度が増えていることも事実です。

その原因に線状降水帯もあるようです。

その非常に典型的な例が見られるようになったということで、
この5~6年、
気象庁も専門的な言葉を使って説明するようになってきています。

2013年の広島のケースも、
細長い、まさに線状の強い雨の領域が止まり、
3時間も降り続くことによって、
一気に大きな災害になりました。

当時、気象庁は、
線状降水帯という言葉を使って説明したのは、
記憶に新しいですね。

あとがき

線状降水帯を身近で感じた経験があります。

その日の夜、
一晩中、雷と大雨の音で眠る事ができませんでした。

そして、想像を、遥かに超える雨の降り方で、
恐怖を感じ大事になりません様にと、
祈らずにいられませんでした。

あれだけの、大雨と雷を経験した事はありません。

そして一晩明けて、
ニュースで惨事を知りました。

線状降水帯の原因の一つに、
地球温暖化ではないかという説もありますが、
研究が進み
予知できるようになる事を願っています。