桜の開花予想は当たる?気象庁が中止した桜前線と休眠打破のメカニズム

春の行事

日本人は桜が大好きです!

寒い日が続く冬が終わりを告げようとする頃、
南の方から桜の便りを告げるニュースを耳にします。

何だかそれだけで気持ちが明るくなって、
ウキウキしてきて、
桜の開花予想が気になります。

しかし、
天気予報などで伝えられる桜の開花予想は当たるのでしょうか?

春の行楽の予定があったり、
卒業式や入学式などの行事も、
晴天に恵まれ、
できれば桜が満開の日だったりすると嬉しいですよね。

気になる桜の開花予想や、桜前線の北上、
桜の開花する条件と言われる休眠打破のメカニズムについて、
まとめてみました。

  

桜の開花予想は当たるのか?民間の気象情報サービスとは

気になる桜の開花予想は当たるのでしょうか?

いままでは、明日のお天気とか桜の開花予想や開花情報は、
気象庁が発表していました。

雨が降るのか晴れるのか、
桜の花はいつ頃から咲き始め、満開になるのはいつなのか?

誰もが気になることですが、
それがビジネスに大きく影響する場合、
天気予報や桜の開花予想と言った情報には、
大きな価値があります。

これまでは国の機関として気象庁が提供していた情報ですが、
今では多くの民間の気象情報サービスが、
予報業務許可事業者として、気象庁長官の許可を受け参入し、
気象や地震など、
地象、津波、高潮、波浪又は洪水の予報の業務を行っています。

島津ビジネスシステムズ
フランクリンジャパン
日本気象協会
ウェザーテック
ライフビジネスウェザー
札幌総合情報センター
日本気象
ウェザーマップ
お天気.com
南日本放送
ハレックス
応用気象エンジニアリング
TBS
気象サービス
ウェザーニューズ
伊藤忠テクノソリューションズ
いであ
気象工学研究所
気象情報通信
サーフレジェンド
サニースポット
国際気象海洋

民間の気象情報サービスの場合は、桜の開花予想を外してしまうと、
即、営業利益に響いてきますから大変です。

桜の開花予想や開花情報を発表する民間の気象情報サービスは?

2010年(平成22年)より、
民間事業者による開花予想が行われるようになったため、
気象庁は『気象の応用情報の業務は民間事業者に任せる』との理由で、
開花予想の発表をとりやめました。

現在開花予想発表は、
民間の気象情報サービスの5業者が、
桜の開花予想や開花情報の提供を行っています。

★ウェザーニューズ
https://jp.weathernews.com/

★日本気象協会
https://tenki.jp/

★ウェザーマップ
https://www.weathermap.co.jp/

★ライフビジネスウェザー
http://www.lbw.co.jp/

★日本気象株式会社
https://n-kishou.com/corp/

桜の開花予想 気象庁が中止した方法とさくらの開花状況

2009年まで気象庁は『さくらの開花予想』を発表していました。

気象庁が桜の開花を調査し始めたのは、
1926年(大正15年)の東京近郊からでした。

1928年(昭和3年)開花予想は予測の手法を改良しながら進められましたが、
農業気象研究のためのもので、
気象台として積極的に発表されることはありませんでした。

気象庁の『さくらの開花予想』は、
1951年(昭和26年)に関東地方を対象に始まり、
1965年(昭和30年)からは、
沖縄・奄美地方を除く全国を対象に行われるようになりました。

気象庁の桜の開花日や満開日は、全国68ヶ所で観測され、
毎年3月の第1水曜日に第1回の「さくらの開花予想」を発表し、
その後、毎水曜日に適宜修正しながら、
4月下旬の第8回まで予想日の発表を行っていました。

2009年(平成21年)までの気象庁によるさくらの開花状況は、
桜の花が5-6輪開いた場合「開花」と発表され、
定義に満たなくても数輪咲いた場合は「開花間近」と発表されました。

しかし、気象庁の『さくらの開花予想』は2009年で終了し、
2010年からは予想は取りやめて、
生物に及ぼす気候の影響を知ることを目的としたさくらの開花の観測は、
引き続き行っています。

桜の開花予想 桜前線とは

桜前線とは、天気図のように、
日本各地の桜の、
主にソメイヨシノ開花予想日を結んだ線のことですが、
その「桜前線」という言葉は、
1967年頃から用いられるようになったマスメディアによる造語です。

ですから『桜前線』というのは気象庁の公式用語ではなく、
どういうものかという定義もはっきりしていません。

気象庁が『さくらの開花予想』をしていた2009年まで、
『桜前線』は、さくらの開花予想の等期日線図と言われていました。

一般的に言われる『桜前線』は、
日本国内各地の桜、
特にソメイヨシノの開花日をつないだ線のことです。

桜の開花する日は場所によって異なりますが、
桜の開花する場所は線状に分布して見ることができ、
その“線”が『桜前線』です。

『桜前線』は、3月下旬に九州南部に上陸、順次北上し、
5月上旬に北海道に至ります。

『桜前線』は、季節の進行につれて南から北へ、
低地から高地へと移動していく特徴があります。

しかし、九州南部の開花が九州北部や本州より遅れるといった、
逆転現象が起きる場合もあり、
これは休眠打破のメカニズムが原因で起こる現象と考えられます。

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桜の開花予想するための開花条件は休眠打破のメカニズム

桜の開花予想するためには、
桜の花が開花するメカニズムを知る必要があります。

桜の花が開花するメカニズム開花予想、つまり桜の花が開花するメカニズムは、
花芽の生長が気温に依存する性質を利用して行います。

桜は、花が咲く前年の夏頃に、
翌年の春に咲く花のもととなる花芽を形成し、休眠に入ります。

しっかりと休眠した桜の花芽は、
冬の低温に一定期間さらされると休眠から覚めます。

これを『休眠打破』と言い、
桜の花芽は休眠打破のあと温度の上昇とともに生長し開花します。

桜の花は、80%以上が咲いた状態で満開と言われます。

桜(ソメイヨシノ)の開花から満開までの日数は、
九州から東海・関東地方では約7日、
北陸や東北地方では約5日、
北海道地方では約4日間ほどで、
北上するほど短くなります。

桜の開花期間は、満開から一週間程度で花が散りますが、
花が咲いた後に気温が下がる『花冷え』が起こると、
花は長く持ち、
咲いた後に雨が降ると早く散ります。

今は桜の花芽の生長が気温に依存する性質を利用して、
桜の開花予想が行われていますが、
これまでは、各地の標本木の蕾をとり、
つぼみの重さをそのつど重さを量る方法で、
各気象台独自で行われていました。

1996年(平成8年)からは、
過去の開花日や平均気温、
その年の気温の状況や予想などのデータを元に、
前年秋からの平均気温の積算値を考慮した方法で、
コンピュータを用いて全国のデータが計算されます。

あとがき

春になって、満開に咲いた桜を見ると、
何だか嬉しくなってくるのですが、
いままで『きれいだな~!』って見ていた桜も、
桜の花が開花するメカニズムを知って、
こんな小さな桜の花の中にも、
精緻な生物の仕組みがあることに驚きです。