新型コロナ感染拡大予防で、
新しい生活習慣が推奨されています。
三密を避け、
ソーシャルディスタンスを保ち、
うがい手洗い、
そしてどこに行っても検温する場面を見かけます。
これまで熱を測るという行為は、
病院へ行ったときくらいで、
家で熱を測ることは、あまりありませんでした。
さらに体温は、
脇で計るものだと思っていました。
最近、おでこで計る物や、
口腔、耳で計るものが登場しています。
また、直接体に触れずに検温できる、
非接触型の検温も見られるようになりました。
今回は、体温の正しい計り方についてお話したいと思います。
体温計の正しい測り方は?
平熱は、一人ひとり異なります。
血圧と違い、体温は急激に変化しにくいため、
体の健康や病気のサインとなる重要な情報です。
したがって、
自分の日常の体温(平熱)を把握しておくことは、
病気のサインを逃さないために非常に有効な予防対策です。
体温とは、
文字どおり、体の温度のことを意味しています。
体の中心に近づくほど高くて、安定しています。
人の体は、
場所によって温度が違います。
手足の末梢や顔の表面の温度は、
季節や環境の影響を受けやすいため安定していません。
一方、中枢(核心)と呼ばれている体の内部の温度は、
脳や心臓などの大切な臓器の働きを保つために安定しています。
この体の内部の温度を「中枢(核心)温」といい、
これを測れば、安定した体温が得られます。
しかし、体の内部なので、
日常的に測ることは困難です。
そこで、より体内の温度が反映され、
体に負担をかけずに簡単に検温できる部位として、
ワキ、口(舌下)、耳(耳内)、直腸などの場所が用いられています。
測定する部位ごとに検温に必要な時間や方法は異なり、
得られる温度も異なります。
平熱も部位によって異なるため、
それぞれの部位の平熱を知る必要があります。
つまり耳には耳の、
ワキにはワキの平熱があるので、
あらかじめ知っておくことが大切なのです。
■耳式体温計の測り方
・自分で測定する場合
1.電源/測定スイッチを押し、電源を入れます。
2.℃の表示が出たらプローブを耳に入れます。
ピッと鳴ったら、自動的に測定が始まります。
3.プローブを左右に動かします。
ぴったりセンシング機能によって、
測定中のもっとも高い温度を記憶します。
4.プローブを耳に入れたままで、
もう一度電源/測定スイッチを押します。
ピピピピッと鳴り、測定終了です。
・他人(子ども)を測定する場合
1. 耳の上部分をかるく後方にひっぱり、
耳の穴をまっすぐにします。
プローブを耳の穴に沿って入れます。
3.そのまま測定ボタンを押します。
鼓膜の方向が分かりづらいとき、
うまく測れないときは「ピッ」と鳴った後、
左右に振ってください。
耳式体温計で検温する場合、
耳の中が汚れていると、正確な測定ができません。
耳垢などはきれいに取り除いておきましょう。
■わき式体温計の測り方
検温中は動かずに、
じっとしているのが基本です。
1.脇ののくぼみの中央に斜め下から体温計の先端をあてます。
2.体温計が体軸に対して、
30度くらいになるように角度を調節して、
ワキをしっかり閉じます。
3.平衡温になるまで、
水銀体温計や「実測式」体温計は10分以上、
「予測式」なら電子音がなるまでじっとしています。
途中で体温計を取り出したら、最初からやり直しです。
「予測式」では、
すぐにくり返し検温する場合は、
少し時間をあけてください。
検温をする時の注意点
・飲食や入浴、運動などの後、
および外からの入室後30分間は、
検温に適しませんので避けてください。
・測る前には、必ずワキの汗はしっかりふき取りましょう。
(特に子どもは汗っかきなのでご注意ください)
■口での検温方法
1.舌の裏の奥にあるスジのすぐ横、
または、舌下の中央のスジの脇(左右どちらでも)
体温計の先端をあて、口をしっかりと閉じます。
2.平衡温になるまでしっかりと閉じます。
測温部が動かないように体温計を指で支えてください。
測定中は口を開けず、鼻で呼吸をしましょう。
■自分の平熱を知りましょう
・食後やお風呂、運動のあとには体温が上がります。
最低30分以上経ってから検温しましょう。
・平熱の日内変動を把握するため、
測定した体温とともに、
検温した時間を記録(メモ)しておきましょう。
・子どもの場合、泣いたあとは体温が上昇するため、
機嫌の良いとき、
または寝ている間に検温をしておきましょう。
体温計の測り方で口と脇で温度が違うのは?
人の体の温度は部位によって違うため、
耳とワキの温度も基本的には異なります。
また、耳とワキの温度の関係は、
同じ位の人、高い人、低い人とまちまちです。
ですから、
一概にワキと比較して高い、低いとは言えません。
耳には耳の、
ワキにはワキの”平熱”があるので、
あらかじめ知っておくことが大切です。
体温計の測り方で脇なら左右どっちで測る?
脇で体温を測る際に、
右の脇と左の脇のどちらがいいのか悩む人も多いようです。
結論としてはどちらでもよい、というのが正解です。
体温を測る場所は、
心臓に近いほど高くなるのは知っておきましょう。
右脇左脇どちらで測っても大きな違いはありませんが、
両脇でそれぞれ測定すると左右差が出るので、
日常的に体温を測るのであれば、
どちらかで統一した方がいいでしょう。
また、
「左右で脇の開きが違った」
「測る位置が違った」などが原因で、
体温に変化があることも覚えておきましょう。
ほかにも、布団やコタツの中で測定すると、
左右のどちらか一方があたためられ、
体温に違いが出ることもあります。
それを防ぐためにも正しい測り方を理解し守りましょう。
あとがき
体温計の測り方は、正しい方法を知ることで、
正確に体温が測定できます。
体温計には脇、耳、口など、さまざまなタイプがあり、
それぞれ測り方も異なるので、
それぞれの方法をしっかりと覚えておきましょう。
注意点を守ることで、
正確に測定することができますよ。