内助の功とはどういう意味?語源となる歴史と類語や使い方の例文は?

言葉


『内助の功』は、
陰ながら援助する身内の功績、
特に、
夫の活躍を支える妻のはたらきについて、
称賛する意味を持っています。

「陰で献身的に支え夫を出世させる妻」
を意味する言葉でもあり、
現在では、稀有な存在のようにも思われますね。

今回は、
内助の功の意味、歴史、類義語、
例文について調べてみました。

内助の功とはどういう意味?

「内助の功」は「ないじょのこう」と読みます。

内助の功の内助とは、
内助とは、内側から助けるという意味です。

つまり内助の功とは、
成功を収めた者を助けた内側の人間の功績ということです。

主に、
“妻が支えたことで旦那が活躍し、その活躍は妻の助けのおかげ”という意味で使われます。

現在では共働きが主流となり、
「ワンオペ」なんて言葉が出てくるようになりましたが、
それでも男性が女性に求めるのは内助の功で、
自分を支えてくれる存在のようです。

内助の功の語源となる歴史は?

内助の功と言えば、山内一豊の妻・・・
こんな言葉は、もう死語なのでしょうか?

「内助の功」の語源は、
「山内一豊(やまうちかつとよ)」という
土佐藩初代藩主の逸話にあります。

山内一豊の妻であった「千代」は、
一豊の浪人(所領と職を失い浮浪している)時代に、
今の金額でいう100万の嫁入り持参金を使って
ダンナに良馬を買い与えました。

その良馬が、
馬を家臣がチェックをするという
「馬揃え」にて、見事に織田信長の目に止まり、
山内一豊は一気に出世をしていったというお話です。

山内一豊が出世できたのは、
間違いなく陰でお金を出し良馬を買い与えた
千代のおかげですよね。

この話が語源となって、
夫の出世を裏でサポートする良き妻という意味で
「内助の功」という言葉が
使用されるようになったと言われています。

内助の功の類語や使い方の例文は?

内助の功の類義語から説明していきます。

■縁の下の力持ち

意味
決して人目につかない所で、
他人を支えるために苦労や努力ができる人

例文

・表舞台で活躍している人の裏には必ず縁の下の力持ちがいます。

・自分の好きなスポーツ選手を支える
縁の下の力持ちになりたいと思うようになりました。

■陰の立役者(かげのたてやくしゃ)

意味: 
物事を達成したり、成功するために陰で支えている人

例文

・彼こそが、日本のチームを優勝に導いた陰の立役者だろう。

・評判が悪いようですが、
彼女がこの会社の陰の立役者であることは間違いない。

■簀の子の下の舞(すのこのしたのまい)

意味: 
人知れず陰で他人のために努力をする人

例文

・地味な作業だが、
こうして簀の子の下の舞になることも会社にとって重要なことだ。

・どんな時もためらうことなく
簀の子の下の舞の役割を果たせる人間になりたいです。

■鶏鳴の助(けいめいのたすけ)

意味: 
妻が夫を陰で支えること。

例文

・結婚をしたからには鶏鳴の助けに努める覚悟があります。

・鶏鳴の助けがなければ、
ここまで出世することはできなかっただろう。

これらが、内助の功の類義語です。

それに対して、
対義語ですが、これと言える対義語はありません。

「内助の功」が、
「夫の活躍をサポートする」という意味なので、
「邪魔になる」「妨げになる」という
「足手まとい」なんかが対義語に当たると言えます。

また、「内助の功」は、
「陰で」というニュアンスがあるので、
「やたらと表に出てくる」という意味の
「でしゃばり」も対義語にあたるでしょう。

・例文

・一緒に転勤をしても、
小さい子供がいたのでは足手まといになるからと
妻は子供と地元に残る決断をした。

・あくまでも業績を残しているのは夫なわけですから、
そこで妻がでしゃばってはいけませんよ。

ここからは内助の功の使い方を例文を使って説明していきます。

使い方例文1

「お父さんが出世できたのは内助の功があってこそだね」です。

妻が旦那を支え、
縁の下の力持ちとして活躍したから
旦那が出世できたということを、
この夫婦の子供が言っています。

内助は基本的に妻を指すので、
子供が使っても問題ありません。

・使い方例文2

「僕は内助の功とは無縁の独身生活ですから羨ましい」です。
独身の人には、
「内助の功」つまり妻が陰で支えてくれる人はいません。

同僚の愛妻弁当を見たときに、
思わず言いたくなるような例文ですね。

独身女性が、
「自分には内助の功は無縁」と言うのは基本的にNGです。

内助の功は、
あくまでも妻が夫に対してすることなので、
女性が内助の功を男性に求めたり、
男性が男性に内助の功を求めるという使い方はしません。

そういうときは、
「陰ながら支える」や「縁の下の力持ち」を使いましょう。

・使い方例文3

「内助の功を尽くすよりも、外で一緒に戦いたい」です。

これは女性つまり妻から旦那に向けて発する言葉ですね。

家庭におさまりたくない、
現代の女性にふさわしいと言えるかもしれません。

家庭で夫を支えるのではなく、
旦那と同じように
外で働きたいという意味で使うことができます。

内助の功は、
女性が家庭を守るのが当たり前の時代に生まれた言葉です。

そのため内助の功は専業主婦という意味で多く使われます。

もちろん働く主婦でも内助の功を発揮することはできます。

しかし昔からの名残があるので、
内助の功のイメージが専業主婦になっていることは
覚えておいたほうが良いでしょう。

・使い方例文4

「彼の活躍は内助の功が大きい」です。

旦那が成績を残せるのは、
妻の支えのおかげということを表現するときにも
内助の功が使えます。

内助の功が大きいは、
妻の支えが占める割合の大きさを表しています。
体調管理と栄養管理が必須な、
スポーツ選手の妻によく使われますね。

・使い方例文5

「あの奥さんは内助の功なんて全くない人だから」です。

内助の功には様々な気遣いが必要です。

それなのに気遣いもすべて夫に任せ、
自分が前に出たがって
旦那を振り回す妻に向けて言うときに使われます。

「内助の功がない」とは、妻の支えがなく旦那が活躍できないという意味です。

■内助の功と言われる奥様の特徴

・相手を心から大事に思う

内助の功を体現している奥様は、
そもそも夫を心から大事に思っています。

・見返りを求めていない

内助の功を体現している奥様は、
夫を支えていくにあたって見返りを求めていません。

なぜなら、
夫に対する気持ちが「無償の愛」だからです。

「支えている」というより
「愛しているから愛情を注いでいる」という感覚です。

・感謝の気持ちをいつでも忘れない

それから、
外で働いてくれている夫に対して、
感謝の気持ちがきちんとあります。

結婚をしたのだから
「働くのは当たり前でしょ」と思っていたり、
「安月給のくせに」なんて思っている奥さんは、
内助の功にはなれない様です。

・謙虚さがある

内助の功を体現できる奥様は、とっても謙虚です。
「私は夫を支えてあげている(ドヤ)」という態度はとりません。

・外で夫を立てることができる

内助の功を体現している奥様は、
外で夫を立てることができます。

心の底から愛している人だからこそ
外で夫を悪く言おうなんて思わないし、
大切な夫の評判が悪くなるようなことを外で言うことは
避けようと思うのでしょう。

あとがき

内助の功…
とても耳が痛くなる言葉の意味でした。

内助の功ができている方は素晴らしいと思いますが、
相手の事を思い過ぎて
ストレスは溜めない様にしましょう。

相手の事を思うばかりに、
自分のことがおざなりになってしまうのはしんどいですよね。

自分を大事にしながら、お互い支えあうこと、
それが一番大事なのではないでしょうか。