川柳と俳句の違いは?それぞれの作り方のルールやコツと楽しみ方は?

言葉

川柳は、時々詠んでいます。

限られ文字数の中に言葉を収めるのは難しい事ですが、
奇麗に当てはまると気持ちが良いものです。

俳句は、まだ詠んだ事はないのですが、
挑戦してみたいと思います。

今回は、川柳と俳句の違いについて紹介したいと思います。

川柳と俳句の違いは何?

川柳と俳句の大きな違いは「季語」です。

俳句では、
季語が重要視されているので、
なくてはならないものです。

反対に川柳は季語がなくても良しとされています。

この季語の有無が大きな違いです。

また、季語や季題にとらわれないものもありますが、
日本のワビサビを大事にする俳句では、
季語に大きな役割があります。

季語とは、
単語によって特定の季節を表現する言葉です。

例えば「桜」なら春、
「月」なら秋といったように、
それぞれ単語が表す季節は決まっています。

季語は自然の事実による「事実の季語」、

“冬の海”といったように季節をしていしているものを、
「指定の季語」、

伝統的な観点から季節が約束事として決められた、
「約束の季語」があります。

俳句は文語体(古い時代の言語)、

川柳は口語体(現代の言葉)が一般的です。

文語体には口語体にない美しさがあり、
俳句の良さを際立たせます。

しかし今では俳句にも口語体が用いられるようになりました。

俳句、川柳、短歌、和歌、狂歌は似たようなものですが、
以下のような違いがあります。

・俳句 季語を使い、五七五の一七音を基本の形とした詩

・川柳 季語を使わず、五七五の一七音を基本の形とした詩

・短歌 和歌の一つで五七五七七で詠まれる歌

・和歌 長連歌や俳諧などを含まない、
    五七や五七五といった形の短歌の詩

・狂歌 社会風刺や皮肉などを取り入れた、
    五七五七七の形を基本とした短歌

川柳と俳句 それぞれの作り方のルールは?

俳句は、日本の自然や四季を詠んだものが多く、

川柳は、
人に関してなどのテーマで詠まれることが多くなっています。

この違いをわかりやすく説明すると、
俳句コンテストで有名な「お~いお茶俳句大賞」や、
「HAIKU日本大賞」は、
どちらかというと情景や四季などを大切にしています。

一方、川柳コンテストで有名な「サラリーマン川柳」や、
「あなたが選ぶオタク川柳大賞」はおもしろおかしく、
いまの日本の様子や人の様子を表しているもの多いです。

俳句には、文字制限などのルールがあるように、
川柳にもルールが存在します。

俳句と比較しながら、
川柳の基本的なルールを説明したいと思います。

川柳も俳句も、実は和歌が変化したものです。

和歌がどんなものかは、
百人一首を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

5・7・5・7・7の計31文字で作ります。

5・7・5の部分を上の句、
7・7の部分を下の句と言います。

この上の句と下の句を、
別々の人が詠むのが“連歌”です。

川柳は、下の句の7・7をテーマにして、
上手に5・7・5の部分を詠むという遊び方が発展したものです。

俳句は、下の句がなくても完結する、
上の句だけで楽しめるもののことです。

連歌から独立した俳句は、
切れ字が必要とされました。

切れ字とは強く言い切る形で終わる
「かな」
「や」
「けり」
の3つです。

☆「かな」は、
一般的に句の最後で使われ、
主に名詞のあとにつけられることが多くなっています。

・「かな」を使用した俳句

「鶯の笠落としたる椿かな」
(うぐいすのかさおとしたるつばきかな)松尾芭蕉

「雪とけて村いっぱいの子どもかな」
(ゆきとけてむらいっぱいのこどもかな)小林一茶

「帆柱に月待ちながら時雨かな」
(ほばしらにつきまちながらしぐれかな)正岡子規

☆「や」は、
主に上の五音につけられることが多く、
感動を強めています。

・「や」を使用した俳句

「閑さや岩に染み入る蝉の声」
(しずかさやいわにしみいるせみのこえ)松尾芭蕉

「菊の香や奈良には古き仏達」
(きくのかやならにはふるきほとけたち)松尾芭蕉

「春や昔十五万石の城下かな」
(はるやむかしじゅうごまんごくのじょうかかな)正岡子規

☆「けり」は主に文末に使われ、
句の締めくくりとなる切れ字です。

「~だった。」「~だそうだ。」などの意味があります。

・「けり」を使用した俳句

「秋の色糠味噌壷もなかりけり」
(あきのいろぬかみそつぼもなかりけり)松尾芭蕉

「赤とんぼ筑波に雲もなかりけり」
(あかとんぼつくばにくももなかりけり)正岡子規

「しら梅に明くる夜ばかりとなりにけり」
(しらうめにあくるよばかりとなりにけり)与謝蕪村

無季俳句とは、
季語が使われていない俳句のことです。

この無季俳句は賛否両論あり、
俳句には季語を入れるべきかそうでないか、
江戸時代からしばしば議論されています。

「季語のない俳句なんて」と感じるかもしれませんが、
季語のない俳句にはまた違った良さがあり、
どちらも良いものです。

川柳と俳句の作り方のコツと楽しみ方は?

まず、川柳の作り方のコツを紹介します。

■川柳のコツ

川柳を作る時、
これらを意識するようにすると良い!
というコツをご紹介します。

うがみ・軽み・おかしみの3点を押さえられると、
きっと良い作品を生み出せます。

・うがみ

うがみとは『うがった物の見方をする』の“うがみ”です。

皮肉や風刺など、
ちょっと斜に構えた視点を持つといいでしょう。

物事には、たくさんの面がありますから、
あなた独自の捉え方を盛り込む、ということです。

・軽み

盛り込みすぎた理屈っぽさはないように、
軽やかさがある作品をイメージしましょう。

技巧を凝らしすぎず、
「ちょっとシンプルかな?」と思うほうが、
軽やかな印象を与えられるでしょう。

・おかしみ

“笑える”というより、
“ユーモアがある”というイメージの作品を目指しましょう。

ドッとした笑いではなく、
「なるほど、気が利いたことを言ってるなぁ」
と感じられるようなものがいいですね。

続いて、俳句のコツを紹介します。

■俳句のコツ

俳句には季語を使います。

まず「秋桜」という季語で作ってみましょう。

「秋桜」は四音なので、
五音にするのに何か足す必要があります。

「秋桜の」「秋桜を」「秋桜に」などなど、
様々なものがつくのですが、
ここは俳句らしく「秋桜や」としましょう。

「や」は切れ字と呼ばれ、強い詠嘆を表します。

簡単に言うと「秋桜や」と書いたら、
「今年も、奇麗な秋桜が咲いている」
というような意味になります。

俳句は、こうやって作っていきます。

川柳は、気軽に作れるのですが、
俳句は少し勉強をしないといけないかもしれません。

あとがき

川柳や俳句を作る時に、
必要なことは、
どんどん作品を生み出していくことでしょう。

パッとしたひらめきも大事ですが、
普段からネタになりそうなものを、
書き留めていくのもいいですね。