秋の花粉症の原因はブタクサが多いのか?辛い症状や喉の痛みを緩和する対策は?

美容と健康

花粉症と言えば『春になると花粉が飛んできて…』
と、思われがちですが、
植物の中には秋に花粉を撒きらせるものも多くあります。

秋の花粉症は、春の花粉症と比べると、
どのように違うのでしょうか?

秋の花粉症の原因や、
のどの痛みや鼻水と言った辛い症状の違いと、
それらを緩和するための対策について、
まとめてみました。

  

秋の花粉症の原因はブタクサが多いのか?

夏から秋にかけては身近な植物が原因の花粉症に要注意です。

花粉症の症状は、花粉が鼻や口、目などの粘膜に吸着し、
その場所で反応を起こし、
くしゃみや鼻水、鼻づまり、かゆみ、頭が重いなどの症状を引き起こします。

毎年のように秋になると、
のどや気管に不調が出て、症状が長く続くといった場合、
それは花粉症が原因かもしれません。

それらの花粉症は「草本花粉」かもしれません。

草本花粉とは、イネ科やキク科、ブタクサ属などの、
背が低い、いわゆる雑草の花粉です。

秋の花粉症で注意すべき症状は、
のどや気管の症状です。

春に飛散するスギなどの樹木からの花粉は粒子径が大きく、
鼻粘膜で留るので、鼻水やくしゃみなどが症状の中心となります。

一方、ブタクサに代表される秋の花粉症では、
花粉の粒子径が小さいため、
のどの奥にまで花粉が入り、イガイガなど強い違和感を生じさせたり、
気管まで入り込んで喘息のような症状を引き起こす場合が多くみられます。

9月~10月にかけての秋の花粉症は、
イネ科や、雑草類(ブタクサ、ヨモギ)などの花粉が飛散する時期です。

この花粉が原因で引き起こされる、喉の違和感やアレルギー性の鼻炎などは、
スギやヒノキの花粉が多く飛散する春についで、
秋に多く発症するといわれています。

ブタクサは、
「マッカーサーの置き土産」と呼ばれるように、
日本には第2次世界大戦後に米国から渡来した帰化植物だといわれています。

約2〜3mmの黄色い小花が複数集まった房が細長く連なり、
その下に雌花が数個咲き、葉には細かな切れ込みがあります。

また、秋の花粉というとブタクサばかりを思い浮かべてしまいますが、
秋はブタクサ花粉のほかに、ヨモギ花粉も飛んでいるのです。

ヨモギとブタクサはよく似ています。

葉っぱを少しみただけでは、
区別のつかない方も多いのではと思いますが、
良い匂いのする方がヨモギです。

ヨモギやブタクサは近年増加傾向にありますが、
ヨモギは繁殖力が強く、ブタクサよりも花粉の飛散量が多いです。

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秋の花粉症の原因 ブタクサが多い時期と辛い症状

秋の花粉症は、原因花粉がひとつでないことも影響しているためか、
社会的な認知がスギ花粉症ほど広まっていません。

秋の花粉症の原因は主に、
ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ、そしてイネ科の花粉です。

地域によって差はありますが、
9月から10月にかけて花粉飛散がピークを迎えます。

また、秋の原因花粉の大きさがスギ花粉と比べて小さいことから、
花粉が鼻の粘膜でブロックされずに口や喉まで入り込んで炎症を起こし、
咳やのどのイガイガを発症することがあります。

それが風邪の症状と似ているため、
花粉症と気づかず、
風邪をひいているのだと、間違えてしまうこともあります。

【花粉症状が出るしくみ】

人の体には、花粉などの異物(抗原)が入ってくると、
その抗原を排除するために、抗原を攻撃する抗体を作ります。

特にアレルギーに密接に関係する抗体が『IgE抗体』です。

一度できたIgE抗体が人の粘膜の表面にある肥満細胞に付着し、
再び同じ抗原が入ってくると、
肥満細胞上に付着したIgE抗体と抗原が反応(抗原抗体反応)し、
肥満細胞からヒスタミンという物質を放出します。

このヒスタミンが、
くしゃみやかゆみなどの症状を、引き起こす原因といわれています。

【花粉の飛散時期と症状】

「ブタクサ」は、キク科の一年草植物で、
道端や畑、河川敷など、生活圏に広く分布しています。

ブタクサ花粉の飛散時期は8月〜10月で、
最も多くなるピークは10月です。

ブタクサの花粉症は、スギやヒノキに次ぎ3番目に多い花粉症で、
秋の花粉症の原因では最多です。

鼻炎症状に加え、喘息のような咳症状に注意が必要となります。

また、ブタクサ花粉はメロン、スイカ、キュウリなど、
ウリ科の食物のアレルゲンと構造が類似していて、
口腔アレルギー症候群を引き起こす可能性がありますので、
併せて注意を払う事が重要です。

「ヨモギ」も、キク科の植物で、
繁殖力が強く、道端や公園、堤防など生活圏に広く分布しています。

ヨモギ花粉の飛散時期は8月下旬〜10月上旬で、
飛散時期のピークは9月です。

ヨモギ花粉症も、鼻炎症状や喘息症状に加え、
ニンジンやセロリなどを食する際に、
口腔アレルギー症候群の、症状発現に注意が必要となります。

「カナムグラ」
カナムグラ花粉の飛散時期は8月〜10月でピークは9月です。

カナムグラはアサ科の植物で、
非常に繁殖力が強く、駆除するのが大変な事で知られています。

野原や道端などに広く生息している一方、
電柱やガードレール等に絡みついて、
高い場所にも葉を付ける事があります。

カナムグラ花粉症も、鼻炎や喘息症状に加え、
口腔アレルギー症候群の症状発現に注意が必要となります。

イネ科の花粉は、春からずっと続いて10月いっぱい続きますが、

ブタクサ科やヨモギ科、アサ科のカナムグラなどは、
8月から10月いっぱいが飛散時期となります。

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秋の花粉症の原因はブタクサ 辛い症状 喉の痛みを緩和する対策は?

【花粉症の検査方法】

アレルギー性疾患には、
血液中にIgEが増加することから、
検査方法として総IgE濃度を調べる方法と、
特定の抗原(アレルゲン)で増加するIgE抗体量を調べる方法があります。

それぞれを調べることにより、
アレルギー異常とアレルギーの原因物質を突き止めることができます。

その他にも、
アレルゲンと思われるエキスを直接皮膚に注射したり、
直接皮膚に垂らしたり、貼り付けたりして、
腫れや発赤を調べる皮膚反応テストなどがあります。

【花粉症の対処方法】

①マスクをすることで、吸い込む花粉の量を減らし症状を軽減させます。

②うがいをして、のどに流れ込んだ花粉を除去します。

③洗顔をすることで、顔についた花粉を落とします。

④帰宅時や洗濯物を取り込む際には、
服を払うことで、衣服の表面についた花粉を払いましょう。

⑤秋の花粉症の原因植物は背丈が低い雑草なので飛散距離が短いので、
花粉の飛散場所に近づかないようにする事も花粉症対策の一つです。

⑥花粉症とともに、口腔アレルギー症候群を起こす、
野菜や果物のアレルゲンは熱に弱いので、
加熱すれば食する事が出来る場合があります。

⑦毎年同じ時期に同じような症状が出る人は、
血液検査でアレルゲンが分かる場合があります。

スギやヒノキなどの花粉は、高い木から風にのって数10kmも飛散しますが、
ブタクサ科やヨモギ科、アサ科のカナムグラなど、
これらの草本植物は丈が低く、花粉は数10mの範囲にしか広がりません。

そのため、その植物が生えている場所に近づかなければ、
かなり花粉を避けることができます。

花粉が飛散していない時期に、
それらの植物が生えている場所を確認しておき、
花粉の飛散時期がきたらそこには近づかないようにすることです。

花粉症に完治はないのか?

一度花粉症になったら、毎年、辛い季節がやって来ます。

花粉症になったら、辛いその季節には、
花粉の原因となるものに、
近づかないという症状の対処法しかありませんでした。

しかし、最近は花粉症の研究も進み、
花粉症を唯一根本から治す可能性があると言われるアレルゲン免疫療法が、
話題になっています。

アレルゲン免疫療法とは、
アレルギーの原因物質(アレルゲン)を、少しずつ体内に吸収させることで、
アレルギー反応を弱めていく治療法です。

アレルゲンを体内に入れる方法は、
主に注射による皮下免疫療法と、
舌の下の粘膜から投与する舌下免疫療法があります。

これまでは、
アレルゲン免疫療法は皮下免疫療法が中心でしたが、
舌下免疫療法では注射の痛みや通院の必要がないことや、
全身におよぶ副作用の発現率が低いという安全面から、
今注目が集まっています。

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あとがき

花粉症でない人には、この辛さはわかりませんよね!

しかも、花粉症はある日突然デビューすることになるんですね。

以前の私は花粉症に無縁でしたが、
ある年の春、なんだか鼻がムズムズするけど、
風邪の症状かな?って思っていました。

風邪薬を飲んでもなかなか良くならず、
それが花粉症だと気づいたときには、
目も鼻もグチョグチョ、花粉症デビューしてしまったのです。