桜の開花時期を予想するには気温の積算温度が基準 満開の条件メカニズムは?

春の行事


桜の開花を待ちわびるのは日本人の習性でしょうか?
サクラの花を見ると心が癒されます。
そんな桜の開花時期を予想するのは難しいことですが、
これには寒い冬の気温の積算温度に深くかかわっています。
その基準となる条件を満たせば、
桜の開花時期や満開はいつなのかを、
知ることができるメカニズムになっているということです。
そんな桜の花が咲くメカニズムをご紹介します。

  

桜の開花時期を予想するには

春になると桜の開花は待ち遠しく感じられます。

そんな桜の開花時期を予想するのは難しいことで、
その年の気象条件によって左右されます。

桜の開花が宣言されるのは、
桜開花の標準木によって観測され発表されます。

桜の標本木は日本全国にある58か所の気象台と測候所が1本ずつ決めています。

桜の品種は主にソメイヨシノですが、
北海道の一部ではエゾヤマザクラ、
沖縄県と鹿児島県・奄美地方ではヒカンザクラで観測されます。

各気象台や測候所の敷地などにある開花の基準となる木(標準木)を定め、
その標準木に桜の花が5~6輪咲いた状態が開花、
8割以上開いた場合が満開とされます。

桜の開花予想は2009年まで気象庁が発表していましたが、
開花予想に関しては、民間が精度の高い予想をするようになり、
2009年の春を最後に気象庁は発表をやめました。

それでも、一部の民間気象予報機関では、
今も気象庁の標本木データを中心に予想しています。

標準木は、気象台や測候所の敷地内または近いところで、
周辺の環境が変わりにくい場所にある桜の木が選ばれています。

しかし、標準木の老化や周囲の環境の変化によって、
標準木が変わることがあります。

標準木に桜の花が5~6輪開花した状態から、
桜の花が80%以上が咲く満開の状態までの日数は、
沖縄・奄美地方で約16日、
九州から東海・関東地方では約7日、
北陸・東北地方では約5日、
北海道地方では約4日と、北上するほど短くなる傾向にあるそうです。

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桜の開花時期を予想するには気温の積算温度が基準

桜の花は、ただ暖かくなれば咲くというものではなかったのです。

桜の花の芽は、前の年の夏の間に形成され始め、
そのまま休眠状態となります。

夏が終わり、秋が過ぎ、冬の一定期間低温の状態を経て、
春に気温が上昇するとともに、桜も成長して開花するのです。

つまり桜の花の芽が、
気温の上昇と密接な関係で依存し開花するという性質を利用し、
桜の花の開花予想が行われるということです。

桜の開花をテレビのニュースや天気予報が伝えるとき、
『桜前線が北上する』という言葉を聞きます。

順調にいくと、九州地方から北東方向に桜前線は北上していくのですが、
九州南部よりも先に九州北部や本州の方が先に開花することがあります。

こういった逆転現象が起こる原因は「休眠打破」という現象で、
暖冬傾向の時に、
桜が開花するのに必要とされる条件の、
冬の間の一定の低温期間が不十分だったため、
桜が十分休眠できず、開花が遅れると考えられています。

『休眠打破』

“眠眠打破”は眠気を覚ますドリンクですが、
『休眠打破』は桜の木が、休眠状態から目覚め、
「さあー、これから花を咲かせるぞー!」という日なのです。

桜の花芽が休眠打破した日を計算することで、
それ以降の気温を予想し、桜の開花日を予測することができます。
        
ソメイヨシノの場合、
休眠打破になるには、
それ以前に8℃以下の気温が900時間~1000時間必要です。
       
そして、桜の開花までにどれくらい掛かるかの予測は、
休眠打破したあとの積算温度や積算時間で計算できます。

桜の開花時期や満開を予想する条件メカニズムとは?

気象庁では、昭和30年から毎年3月~4月にかけて、
沖縄や奄美地方除く全国の気象台等が観測している桜の標準木を対象として、
桜の開花予想の発表を行ってきましたが、
最近では、全国を対象とした気象庁と同等の情報提供が、
民間の気象事業者から行われています。

このため、気象庁でこれまで行ってきた応用気象情報としての、
桜の開花予想の発表をやめました。

しかし、生物に及ぼす気候の影響を知ることを目的とした、
桜の開花の観測は引き続き行っていくということです。

計算上では、2018年の京都の桜の開花日は、
平年より3日早い、3月25日ということになりました。

これは2018年1月現在の予想ですので、
計算上の予想日であるため、今後の天候に大きく左右されます。

急激な寒波や豪雨が続いた場合など、当然予測通りにはなりません。

ただ、桜の開花時期や満開は、
その条件に一定のメカニズムが関係しているということです。

桜の花の開花時期についてわかったことは、

・桜の花の芽は、咲く前ではなく、前の年の夏から作られているということ、

・桜は秋になって、日照時間が短くなり、低温になると休眠をする。

・桜の花の芽は、一定の期間、低温にさらされ続けると、
休眠から目を覚まし、休眠打破といって、花を咲かせる準備に入る。

・休眠打破 休眠から覚めた後、気温が高くなるにつれて成長を進め、
開花日を迎える。

という流れになっています。

つまり、しっかりと寒い時期を過ごすことで、休眠打破の日は早くなり、
その後、暖かい日が多くなるにつれて花が咲く日が早くなるということです。

桜の花の開花日は、
立春からの平均気温を全部足して、
360℃を過ぎると咲き出すと聞いたことがありますが、
暦の上で春を迎える立春が、概 休眠打破の日ということなのでしょう。

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あとがき

日本人は本当に桜の花が好きなんですね!
私も富士山と桜の花を見ると優しい気持ちになれます。
「桜の花はいつ咲くのかなー」って思うのは、
早く暖かくならないかなーっていう願いも込められています。


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