数の子をおせちに入れる意味は?栄養やカロリーは?塩抜きと味付けのレシピは?

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おせち料理に数の子は必ずあるものですが、
おせち料理に数の子が入っている意味と、
数の子の栄養価やカロリーについてまとめました。
また、おせち料理の定番、数の子の作り方として、
数の子の塩抜きや味付けについて、
おせち料理を作るときの参考にどうぞ!

  

数の子をおせちに入れる意味は?

数の子はニシンの卵で、お正月のおせち料理に入っています。

おせち料理は、
昔は神様に供え物をして宴を開くという「宮中行事」で用いられていた高級料理です。

それがいつしか庶民の間にも浸透し、
お正月に食べる「おせち料理」として定着していきました。

おせち料理も最近は家庭でつくられることは少なくなってきましたが、
ひと時代前までは、年末の主婦の重要なお仕事のひとつで、
正月三が日は主に台所に立つ女性も料理をしなくてよいように、
広まった料理とも言われています。

その家ごとに伝わる品揃えや味付けを、
母から娘、または姑から嫁へと伝えられてきたものでした。

おせち料理は重箱に飾られ、元旦の朝の食卓に並べられ、
家族そろって新年を祝うときの御目出度い献立です。

おせち料理に入っている定番メニューですが、
それぞれ中身に込められた意味があります。

おせちの「祝い肴三種」と呼ばれる、
ほぼどこの地域のおせち料理にも入っている定番具材といえば、
『黒豆』『数の子』『田作り』でしょうか。

『黒豆』

「まめ」には元来、丈夫や健康といった意味が込められています。
その真っ黒で光沢のある美しい見た目からもおせち料理には欠かせない料理です。
黒色は道教で魔除けの色ともされており、邪気払いの意味も込められています。
そして「まめまめしく働く」などと言われているように、
黒く日焼けするほどマメに勉強に励み働けるようにといった願いも込められています。

『田作り』

この料理はもともと小魚を田畑の肥料として撒いたことから名付けられました。
魚でありながら田畑を豊かな土壌に導いてくれる縁起の良い一品です。
そのため「五穀豊穣」を願うときの料理として、
関東でも関西でも祝い肴三品のうちの一品として食されています。
小さくても尾頭付きである田作りは、かたくちいわしの小魚を使った料理が有名です。

『数の子』

数の子はニシンの卵です。
漢字で書くと二親(にしん)と書かれるように、
そこから多くの子が生まれるのでめでたい、
子宝と子孫繁栄を祈る意味合いが込められています。
普段、魚の卵をあまり食べない子供たちも、
この数の子のプチプチした感触は人気で、お正月らしい一品です。

ですから、『数の子』は子孫繁栄、
今でいうなら少子化問題対策を願ったお料理です。

お正月と言えば“数の子”と言われるほど人気がある食材ですが、
年々日本産の数の子は貴重品となりました。

昭和の初期ごろまでは北海道を中心としてニシン漁が盛んで、
日本産の数の子の入手も比較的容易でしたが、
価格が高く、黄金色をしていることから黄色いダイヤと呼ばれる事もあります。

ちなみに、ニシンが昆布に卵を産みつけたものを子持昆布と呼び、
珍味としてそのまま食べたり、寿司ダネとして利用されます。

おせち料理の数の子の栄養成分やカロリーは?

数の子の主な成分にビタミンEや鉄、亜鉛などがあるのですが、
ビタミンEには有害な過酸化脂質の発生を抑制して、
細胞の老化を防ぐ効果があります。

あと、血中のLDLコレステロールが酸化するのを防止する作用もあるので、
動脈硬化の予防にも役立つのではないかと言われています。

ビタミンEは体の血流を改善する作用も期待できるので、
他にも様々な効果を体にもたらしてくれます。

老化防止や動脈硬化の予防、血流の改善、頭痛や肩凝り、
冷え性などの緩和といった嬉しい効能効果がたくさんあるということで、
数の子は体にとても良い食べ物なんですね。

数の子にはコレステロールが含まれていますが、
そのコレステロールを消し去るだけのEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれていて、
コレステロール値が減少するという結果も出ています。

また数の子を食べることで心配される、痛風の原因となるプリン体は、
ごくわずかしか含まれていないということです。

数の子の栄養成分とカロリー(数の子100gあたりの含有量)

カロリー 139kcal
水分 68.7g
タンパク質 25.2g
糖質 0.4g
脂質 4.1g
鉄 2mg
ビタミンB2 0.22mg
ビタミンE 5.1mg
カルシウム 50mg

おせち料理の数の子の塩抜きと味付けのレシピは?

数の子はコレステロールが多いとか、
プリン体が痛風の原因にならないか心配という声も多かったようですが、
数の子の栄養成分を見る限りではちょっと安心ですね。

ただし、お正月のおせち料理に用いる数の子は、
塩漬けの状態で手に入りますので、塩分の摂取量には気を付けてください。

そのためには、しっかりと塩抜きをして、味付けするようにしましょう。

数の子の塩抜き

数の子はたっぷりの薄い塩水につけて塩抜きをします。

塩抜きの時間的な目安は『およそ半日から1日程度』ですが、
いちばん大切なのは、ほどよく塩気が抜けていることです。

塩抜きしている途中に、1〜2度水を替えてあげるとうまく塩抜きできます。

『端を少しちぎって食べてみて、ほのかに塩気を感じるくらい』になれば、
塩抜きできています。

食べて塩辛いわけでもなく、
味気ないほど塩が抜けてしまっていない感じが頃合いで、
そのまま食べても、美味しい浅漬けくらいの塩加減が目安です。

数の子の薄皮をむく

数の子の塩抜きができましたら、
数の子の薄皮を取り除く下ごしらえをします。

数の子の表面には白っぽい膜がはっています。

それを指の腹でやさしくこするようにして、
指でつまめるようになれば引っ張ってきれいに取り除きます。

味付けが美味しくできても、薄皮が残ると口当たりが悪いので、
丁寧に取り除いてください。

数の子の片方には“くし目”といって、等間隔に入った割れ目があり、
そこから身がくずれやすいので、取り除くときは注意しましょう。

数の子の味付け つけ汁の作り方

数の子の薄皮がきれいに取り除けましたら味付けです。

おせち料理の数の子は味付けが肝心ですが、
この味付けは、その家庭によって好みもあります。

数の子を漬け込むときの味の基本は、
だし+しょうゆ(できれば薄口しょうゆ)+酒+みりんの合わせ地です。

これらの調味料の合わせ具合がポイントなのですが、
おすすめはダシを効かせた甘み控えめな味付けです。

みりんは隠し味にほんの少し加える程度で、
酒を効かせた味付けが美味しいと思います。

ダシは昆布からとるといいのですが、
麺つゆを使うという方もおられますが、
近頃は『白だし』という優れものがあってオススメです。

ダシ200㏄に対して醤油・酒・みりん各大さじ1
これは基本ですので、好みの味を見つけてください。

この合わせ地を作るときにぜひやってみてほしいのが『追いがつお』で、
数の子がぐっと風味よく美味しくなってくれます。

鍋に酒を入れて煮切り(アルコールを飛ばす)ますが、
鍋の中に火が移らないように注意してください。

そこへダシと薄口しょうゆとみりんを入れ、
ひと煮立ちさせたらかつお節ひとつまみを加えます。

火を弱めて2〜3分ほどコトコトと煮出してから、
細かいこし器などでこしてください。
好みで輪切り唐辛子少々をここで加えても味が締まります。

数の子の漬け込み方

つけ汁が冷めるまで待ってから、数の子を漬け込みます。

平らな容器に数の子を並べて、冷めたつけ汁を注ぎます。

表面がつけ汁から出ないように、キッチンペーパーまたはラップなどで覆います。

1日ほど味をなじませて完成です。
盛りつける時は、汁気を切って食べやすい大きさに切り分け、
かつお節をまぶすのがおすすめです。

あとがき

やっぱりおせち料理に数の子は欠かせませんね。
プリン体が心配だったのですが、
安心して食べられそうです。
でも、食べ過ぎは数の子に限らず注意が必要ですね!