東大寺二月堂のお水取り2021年の日程はいつ?どんな行事で松明の意味は?

冬の行事

お水取り(おみずとり)は、
東大寺二月堂で行われる、修二会という法会の中の行事の一つです。

心身を清めた僧(練行衆)が、
十一面観音の前で宝号を唱え、
荒行によって懺悔し、あわせて天下安穏などを祈願する行事です。

例年、3月1日から14日まで本行が行われ、
終わるころには冬が明けていることから、
春を告げる行事とも言われています。

練行僧が松明を持って走る、達陀(だったん)の行法は圧巻で、
テレビのニュースなどで紹介されます。

2021年 奈良東大寺のお水取りは、
新型コロナウィルス感染対策のため、拝観制限されます。

奈良東大寺 二月堂で行われる
1270回目のお水取りについてお話したいと思います。

  

東大寺 お水取り2021年の日程はいつからいつまで?

■東大寺お水取り2021年 日程時間

東大寺お水取り2021は、
2021年(令和3年)3月1日(月曜日)~14日(日曜日)まで行われます。

なお、お松明は19:00から行われます。

ただ12日(金曜日)は19:30、14日は18:30から行われます。

(コロナによる実施の有無・変更要確認)

■東大寺お水取り2021年 アクセス方法

場所:奈良県奈良市雑司町406-1
最寄り駅・バス停:東大寺大仏殿・春日大社前(徒歩約5分)

アクセス路線は次の通りです。

・JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バス

・近鉄奈良線(徒歩約20分)

※イベントの情報(日程・場所・内容など)は、
必ず主催者に確認して下さい。

こちらの情報はあくまで参考情報です。

イベントの内容などが変更になっている場合もあります。

奈良東大寺 お水取りはどんな行事?

「お水取り」とは、
奈良東大寺二月堂で行われる「修二会(しゅにえ)」の通称でもあります。

東大寺で行われる修二会の中でも「お水取り」が有名で、
そこから東大寺の修二会は通称「お水取り」と呼ばれるようになりました。

■修二会とは

各地の仏教寺院で行われている法会のひとつで、
旧暦の2月に行われていたことからそう呼ばれるようになりました。

「練行衆」と呼ばれる精進潔斎した僧侶たちが、
人々が犯した罪を懺悔し罪過を悔い改めると共に、
天下泰平・五穀豊穣・万民豊楽などを祈ります。

世の中の罪を悔い改める苦行を、
一般の人々にかわって行なってくれるという、
大変ありがたい行事です。

■お水取りの歴史

修二会の正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)」と言います。

十一面悔過とは、われわれが日常に犯しているさまざまな過ちを、
二月堂の本尊である十一面観世音菩薩の宝前で、
懺悔(さんげ)することを意味しています。

東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)は、
天平勝宝4年(752)、
東大寺開山良弁僧正(ろうべんそうじょう)の高弟、
実忠和尚(じっちゅうかしょう)が創始されました。

東大寺のながい歴史で、二度、
寺の大きな建物の大半が原型をとどめない程、
跡形もなく燃えてしまった時でも、
修二会だけは「不退の行法」として、
1250有余年もの間一度も絶えることなく、
途絶える気配を感じさせないまま、今日に至るまで引き継がれてきたのです。

■お水取りの行事

東大寺の修二会は、毎年3月1日〜14日の2週間かけて行われます。

前年の12月16日、良弁僧正の命日に11人の練行衆が発表されます。

年が明けて2月20日からは、
「別火」といわれる前行が始まります。

前行は、修二会の本行を行うための準備期間のことです。

ここでさまざまな準備を行い、
3月1日に修二会がスタートします。

東大寺の修二会の通称にもなっている「お水取り」は、
13日の午前1時過ぎから始まり、
練行衆が童子の持つ松明とともに
「閼伽井屋(あかいや)」といわれるお堂に向かいます。

閼伽井屋の中には「若狭井」という井戸があり、
ここから「お香水」を持参した桶に組み上げるのですが、
閼伽井屋内で行われていることは、
残念ながら当役以外の人が見ることはできません。

閼伽井屋と二月堂の間を3往復して運ばれたお香水は、
「根本香水」と「次第香水」に分けられて本堂陣内に納められます。

根本香水は、
お水取りで汲んだ水を毎年足し加えているもので、
次第香水はその年汲まれた水のみを入れます。

次第香水の水は、二月堂の井戸水と共に小瓶に入れられ、
二月堂受納所にて頒布されます。

■修二会の日程

12月16日 翌年修二会参籠の練行衆交名発表
2月12日 新入習礼(該当者がいる時のみ)
2月15日 新入・新大導師別火入り(該当者がいる時のみ)
2月18日 二月堂にて修二会で使用する灯明油の「油はかり」
2月20日 戒壇院別火坊にて試別火(ころべっか)はじまる
2月26日 戒壇院別火坊にて惣別火(そうべっか)はじまる(閏年は27日)
3月1日~3月14日 二月堂にて修二会本行
3月15日 満行

となっています。

奈良東大寺 お水取りのお松明の意味は?

「お松明」とは、
本来、「修二会」で厳行(ごんぎょう)する練行衆を、
二月堂に先導する道灯りとして灯されるものです。

しかし、
二月堂の舞台の上で松明を振り回したり、
松明が駆け抜ける様子に迫力があることから、
たくさんの観光客が「お松明」を目的に訪れるようになりました。

この松明の火の粉を浴びることで、
無病息災、
つまり病気にならないと言われています。

松明は期間中の3月1日から14日まで毎日掲げられますが、
3月12日には籠松明(かごたいまつ)と呼ばれる
直径30㎝ほどの大きな松明が掲げられ、見どころとなっています。

ただし12日にはとくに多くの観光客が訪れ混雑するため、
早めに到着しないと見られない場合があるので注意が必要です。

東大寺の公式サイトでは、
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、
2021年の東大寺修二会(お水取り)やお松明は、
なるべく拝観を控えるようアナウンスがなされています。

あとがき

「お水取り」とは、
3月12日の深夜から3月13日未明にかけて行われる儀式で、
通常の法要とは異なり、
閼伽井屋(あかいや 別名・若狭井)と呼ばれる
二月堂近くの井戸からその名の通り「水」を汲み上げる儀式です。

その水は本尊にお供えする水として使用されたりすることになっています。

本来の「お水取り」はごく一部の儀式という事です。

修二会、お水取りのが行われる3月は、
まだまだ寒い季節です。

夜間は特に冷えますので、
コートなどで厚着をして出かけましょう。

安全や周囲に配慮しながら、
東大寺の歴史的な行事「修二会」を参拝してください。