成人式の由来とは、どのような起源があるのでしょうか。
また、成人式に参加する成人の定義とは何なのでしょうか?
成人の定義をもってしても、成人式での騒動など、
新成人のモラルについて問題視されています。
現在の成人と成人式の現状についてまとめました。
成人式の由来と成人とは何か
成人を祝う儀礼は古くからあり、
男子には元服・褌祝、女子には裳着・結髪などがありました。
文化人類学や民俗学では、
こうしたものを通過儀礼(イニシエーション)の一つと言われています。
「成人式」は昔でいう加冠の儀にあたり、
皇族や貴族の男子が髪を改めて冠を被る儀式でした。
武家社会の場合は、元服式が成人式にあたり、
のちに、この習わしが庶民の間にも広まっていきました。
二十歳が成人と定められたのは、課税と徴兵の基準年齢だったからで、
男女を問わず、現在は20歳になると公に『成人』として扱われます。
そして、晴れて成人となった若者が大人としての重い重責を新たに自覚し、
また、
彼ら彼女らを祝い励ますのが『成人式』なのです。
成人を20歳以上とするのは、明治二十九年(1876年)の民法制定時に、
徴兵制度や課税の基準年齢が、
「満二十歳」だったことに合わせたものと言われています。
『成人の日』が一月十五日と制定されたのは、
昭和二十三年(1948年)のことでした。
戦後まもない混乱期の昭和二十一年、
埼玉県の蕨市で、日本の将来を担う若者を激励するために開催された、
『青年祭』がきっかけとなっています。
その中の行事であった『成年式』が、
全国各地で成人式として広まり、
そのうねりを受けて国が、
「国民の祝日に関する法律」に、成人の日を盛り込んだのです。
一月十五日が成人の日となったのは、
昔は正月に大人として認められる『元服』の儀式を行ったからで、
小正月や関東地方以外の松の内の終わりが一月十五日だったことなど、
諸説あるというのが現実ですが、本当のところは不明なのです。
ちなみに、成人の日はハッピーマンデー法により、
平成十二年(2000年)以降は、一月の第二月曜になりました。
日本では明治二十九年の民法制定まで、
成人は二十歳以上とする考え方はありませんでした。
男子は平安時代以降は、十歳~十五・六歳の頃、
室町時代以降は、十五歳で成人とみなされて元服しました。
女子は十二歳~十三歳頃が成人と捉えられ、
下ろしていた髪を結い上げる『髪上げ』という儀式を行っていました。
また、一定の年齢に達したら成人という考え方ではなく、
一日に何キロの柴を刈れるなどの行為ができるようになれば、
成人として認めるという考え方が浸透していました。
成人式の新成人の定義とは
成人式の参加対象となる成人は、前年の「成人の日」の翌日から、
その年の「成人の日」までに誕生日を迎える人を祝う日となっています。
しかし、最近(特にハッピーマンデー制度導入以降)は、
前年の4月2日からその年の4月1日に成人する人を式典参加の対象にする、
いわゆる学齢方式が定着するようになってきています。
ただし、 誕生日をまだ迎えていない新成人は、
未成年者であり、成人としての扱いは該当しません。
年齢方式では、誕生日の遅い早生まれの人が成人式に参加した場合、、
他の参加者が殆ど見ず知らずの人になってしまったり、
ハッピーマンデー制度により、その年の成人の日は19歳で、
翌年の成人の日は21歳というケースがあるためとも言われています。
他に北海道札幌市と広島県広島市では、
この1年間に20歳の誕生日を迎える人を成人式参加の対象者とする、
暦年方式が用いられていました。
しかし、
大学受験で一浪しただけで式典参加が困難になる場合が多いうえ、
前年に他市町村で成人式の対象とならなかった人が翌年、
進学や転勤で転入した場合、
2年続けて参加できなくなるなど若者の不評が多かったことから、
両市とも2000年以降は学齢方式に変更されています。
1960年代までは、
新成人は半数以上が既に社会に出ている勤労青少年だったのですが、
1970年代以降、大学・専門学校進学者(率)の増加や、
中卒・高卒就職者の減少から、
新成人全体に占める在学者の割合も年々増加しており、現在に至っています。
成人式のモラルの低下と成人式の現状
成人式の式典は、
現住所のある自治体から案内状が来て参加する成人が多いのですが、
成人式の式典中、私語が収まらないとか、会場内で携帯電話を使うなど、
また一部では、数人の新成人グループが会場で暴れ回って、
式を妨害するケースなども見受けられ、メディアに取り上げられ、
話題となっています。
公務執行妨害を理由とした事件を中心に、
逮捕者が出るほどの騒ぎに発展した市町村もあるほどで、
主催者でもある自治体にとって頭の痛い問題となっています。
また、成人の日が1月第2月曜日に移った2000年以降は、
学齢方式を成人の対象とする自治体がほとんどになったことから、
成人式が事実上中学や高校の同窓会的な意味合いで捉えられるようになりました。
さらに、式に出席する若者が、外面的には着物で豪華に着飾っていても、
会場では久し振りに会った友人との談笑などに熱中する余り、
主催する自治体首長などの式辞・講演に関心を示さず、
式典が騒がしくなり、中断を余儀なくされる場合もあるのです。
その結果、
本来一人前の大人としての決意をすべき場である成人式が、
かえって若者のモラル低下を露見させる場となっていることも事実で、
このような現象のことを成人式での七五三現象と言われています。
21世紀に入っても、各地でこれまでに、
成人式で暴力事件や、乱闘騒動など、毎年様々な問題が起きています。
2016年(平成28年)1月11日に、
お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さんが、
Twitterで成人式のモラルの低下について言及し、
成人式のあり方についてアンケートを行いました。
田村淳さんがTwitterで発信したアンケートに対して、
翌日18時までに約6万900票が集まりました。
そのアンケートの結果は、70%が成人式自体は必要との認識を示した一方、
「今まで通り必要」は33%にとどまり、
「形を変えて必要」が35%、「必要ない」が23%、「わからない」が9%と、
廃止も含む何らかの現状変更が必要だとする回答者は半数を超えていました。
また、成人式では単価の高い着物、
特に女性の振袖といわれる着物を着用する新成人が多いため、
呉服業界にとって最大の稼ぎ時と見られています。
近年、日本人の着物離れが進んでいて、
呉服業界自体も衰退の一途をたどっているなか、
若者に日本の着物のよさをアピールする良い機会となっています。
ただし、若者に日本の着物のよさをアピールするということを建前に、
『娘に晴れ着を着せてやりたい!』という親心に付け込んで、
豪華な振袖の販売合戦が繰り広げられていることも事実です。
近年では女性のみならず、
男性の紋付袴などの着物姿も多くみられるようになり、
和服は高価であるため、レンタルで済ませる人も多いのです。
また、新成人の着付け・化粧・ヘアメイクなどをする美容業界にとっても、
成人式の日は稼ぎ時なのです。
成人式前には、本格的に化粧を始める新成人に対して、
メイク講習会を行ったりして、
自社の化粧品の売り込みを行う化粧品業界の動きがあり、
また、
成人式当日に着付けが終わった新成人が記念写真を撮る写真館でも、
宣伝に力を入れたりと、
関連ビジネスの新成人に対する顧客獲得競争は熱を帯びている。
モラルが低下した新成人たちも、
高価な晴れ着や、ブランド物を持ち歩く新成人も、
自立するという意識のない、親がかりのあまちゃんだったり、
また、それを許す親バカの責任ではないでしょうか。
『晴れて成人となった若者が大人としての重い重責を新たに自覚し…』
成人と成人式の意味とやらはどうなってしまったのでしょうか。
あとがき
自分の成人式のことは、もうずいぶん昔のことなので、
忘れてしまいました(都合よく)が。。。。
自分の娘には、たとえ親バカと言われようとも、
精一杯してやりたいと思ってしまいます。
きっと娘も何十年後には忘れてしまっているでしょうけど。。。