天然温泉と源泉掛け流し温泉の違いは?基準や成分表示の義務は?

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温泉とは、
地中から湯(熱水泉)が湧き出している現象や場所、
湯そのものを示す用語です。

旅行で温泉に行こう!
温泉にゆっくり浸かりたい!
など日頃のストレスを癒してくれる代表です。

温泉を選ぶとき、
天然温泉と源泉かけ流しという言葉を
聞いた事があると思います。

天然温泉と源泉かけ流し温泉の違いについて調べてみました。

天然温泉と源泉掛け流し温泉の違いは?

まず、天然温泉と源泉かけ流し温泉を説明していきます。

・天然温泉とは?

天然温泉とは、普段 温泉と呼んでいるお湯のことです。
つまり温泉が天然温泉であるということなんです。

入浴剤などを入れて、
人工的に成分を加えたお湯と区別するために、
天然温泉という名前で呼ばれることがあるのです。

誰もが知っている温泉地のお湯や、
皆さんがよく行かれるお近くの温泉のお湯も、
おそらく天然温泉で間違いないと思います。

・源泉かけ流し温泉とは?

源泉掛け流しとは、
言葉の通り、源泉という温泉水が掛け流し、
つまり循環濾過されていない状態をさします。

源泉には一般的に三つの種類があるとされており、

地盤の割れ目から噴出している自然噴出、

ボーリングと呼ばれる掘削方法で、
地中深くまで管を差し込み、
掘り当てたのちに水圧で噴出する掘削自噴、

さらに深いところから温泉水を吸い上げる
掘削動力揚湯の三つが存在します。

源泉とは、
この温泉法で定義された温泉水の、
ありのままの状態をさすわけです。

天然温泉と源泉かけ流し温泉の違いは、
温泉が天然温泉という事で、
源泉かけ流し温泉は温泉水が、
循環ろ過されていない温泉水の事です。

天然温泉と源泉掛け流し温泉の基準は?

・天然温泉の基準

天然温泉は環境省が管理しており、
温泉法に基づいて基準を満たしたものを、
天然温泉として認められています。

昭和23年に制定された「温泉法」により、
地中からゆう出する温水、
鉱水及び水蒸気その他のガスで、
摂氏25度以上、
又は指定されている19の物質が規定値を超えて有するもの、
と定義されています。

近年、温泉への着色剤の使用や、
過剰な加水・加温などの問題が発覚しています。

これにより、
2005年より温泉法施行規則が一部改正され、
温泉成分・源泉・泉質・引湯・給排湯方式・加湯
新湯注入率などを明確に表示することが義務化されており、
良い天然温泉・悪い天然温泉が、
はっきりとわかる状態となっています。

天然資源である天然温泉は、
地殻変動・天災に対して影響を受ける為、
安定した温泉の供給が難しい点があります。

・源泉かけ流し温泉の基準

源泉かけ流し温泉の『かけ流し』とは、
浴槽に新しいお湯が常に入っていて、
お湯を浴槽からあふれさせており、
あふれたお湯を再利用しないことが、共通のルールです。

かけ流し
 
新湯を常時注入、浴槽はオーバーフロー、
温泉でなくても良いのですが、
そのことを表示しなくてはいけません。

加温・加水もできるが、
状況と理由を示さなければいけません。

温泉かけ流し

新湯の温泉を常時注入して、浴槽はオーバーフロー、
加水・加温可ですが、状況と理由を示す必要があります。

源泉100%かけ流し

新湯の温泉を常時注入し、浴槽はオーバーフロー、
加水・加温不可です。

「源泉かけ流し」の定義は、
それぞれで違っていて、

日本温泉協会では、
「加温は可能、加水は不可」と
公正取引委員会の意見を紹介しています。

じゃらんでは、
「加温も加水も不可」としています。

日本源泉かけ流し温泉協会の基準だと、
「最低限の加水や加温は認める」としているし、

別府市では、
「温泉施設所在地にある源泉から温泉をそのまま供給している」
と独自に基準を設けています。

先ほども、お話しましたが、
2005年に温泉法が改正、
以下の項目を掲示しなくてはならなくなりました。

①温泉に水を加えて公共の浴用に供する場合は、
その旨及びその理由

②温泉を加温して公共の浴用に供する場合は、
その旨及びその理由

③温泉を循環させて公共の浴用に供する場合は、
その旨(ろ過を実施している場合は、その旨を含む。)
及びその理由

④温泉に入浴剤
(着色着香し又は入浴の効果を高める目的で加える物質をいう。
ただし、入浴する者が容易に判別することができるものを除く。)
を加え、
又は温泉を消毒して公共の浴用に供する場合は、
当該入浴剤の名称又は消毒の方法及びその理由
(温泉法施行規則 第十条より)

つまり、
加水や加温、循環ろ過や、入浴剤を使っているかどうか、
消毒剤を使っているかどうかを、
利用する人たちに公開することが義務付けられました。

天然温泉と源泉掛け流し温泉の成分表示の義務は?

内閣が、
平成19年3月2日に第166回通常国会に提出した、
政令で定める期間
『10年』ごとの定期的な成分分析を義務付ける等の
「温泉法の一部を改正する法律案」が可決され、
平成19年4月25日に公布されました。

温泉を公共の浴用または飲用に供する者は、
政令で定める期間『10年』ごとに温泉成分分析を受け、
その結果について通知を受けた日から起算して
30日以内に掲示の内容を変更しなければなりません。

また、その掲示内容を変更しようとするときは、
あらかじめ、
その内容を都道府県知事に届け出ることが必要になりました。

この内容に違反すると30万円以下の罰金を科せられます。

この内容に関しては、年内に施行されますが、
定期的な成分分析の義務化は
平成22年1月1日から発生する経過処置が置かれています。

それまでは、再分析に関しては、
おおむね10年ごとに見直しすることが妥当という
行政的な指導にとどまっていましたが、
この改正により10年ごとの温泉成分分析が義務化されました。

あとがき

多くの人が気持ち良く入浴するためには、
湯を管理する湯守たちによる様々な心配りが必要です。

湧き出してくるお湯の温度や量、
利用客の数などによっても湯使いは異なってきます。

天然温泉も源泉かけ流し温泉も、
お湯を楽しむ事が大事なのだと思います。