京都の嵯峨・大覚寺は深い歴史とともに、
国宝や重要文化財を多く所蔵していて、
開基 嵯峨天皇の離宮を寺に改めた皇室ゆかりの寺院です。
大覚寺は、宮廷風の建築や皇室ゆかりの建物がたくさん移築されていて、
国内外からの観光客もたくさん訪れる風光明媚なところです。
そんな大覚寺で、
60年に一度行われる「戊戌開封法会」について、
行われる日程のご案内とともにまとめました。
また、嵯峨天皇を流祖と仰ぐ華道嵯峨御流の奉献華道祭の日程や、
その他の行事についてご案内します。
京都の大覚寺で嵯峨天皇の御写経公開 60年に一度開く扉とは何?
今からおよそ1200年前の弘仁9年春、
大旱魃(かんばつ)から全国に疫病が蔓延したことに対し、
嵯峨天皇は「朕の不徳にして多衆に何の罪かあらん」と、
離宮嵯峨院で質素倹約に努められました。
そのおりに、嵯峨天皇が弘法大使空海の勧めにより、
都で流行った大飢饉による疫病に苦しむ人々の、
平安を祈って御写経をされ、勅封(封印)として奉安し、
国民の安泰を心から願われました。
般若心経に帰依して読誦転経し、
殊に嵯峨天皇が紺紙に金泥で一字三礼の誠を尽くして般若心経を書写されると、
霊験あらたか、疫病はたちまちに治まり、大いなる功徳を得られました。
以来、
この嵯峨天皇宸翰(しんかん)の般若心経は霊経と崇められております。
その御写経が大覚寺の秘経とされ、
奉安された年が弘仁九年(818)の戊戌(つちのえ・いぬ、ぼじゅつ)の年でした。
以来60年に一度、大覚寺では、その御写経(勅封心経)をご開封し、
天下泰平をお祈りすることが伝統儀式であり、
「戊戌開封法会」の由来です。
ですから嵯峨天皇の御写経は、60年に一度しか開封されないのです。
特別公開
『嵯峨天皇宸翰勅封般若心経』戊戌開封法会(ぼじゅつかいふうほうえ)
2018年はまさにその年にあたります。
京都の大覚寺で嵯峨天皇の御写経公開その日程は?
特別公開『嵯峨天皇宸翰勅封般若心経』戊戌開封法会の期間中は、
嵯峨天皇様をはじめ、後光厳天皇様、後花園天皇様、後奈良天皇様、
正親町天皇様、光格天皇様がたの勅封般若心経がご開封され、
特別にご高覧いただけます。
大覚寺の秘経 嵯峨天皇の御写経公開の日程は、
2018年10月1日から11月30日まで、
時間は、9:00~17:00(16:30受付終了)
特別参拝料は、1000円です
期間中、大変な混雑が予想されますので、
ご朱印につきましては一律
「貼り付け(書き置き)タイプ」となります。
また、戊戌開封法会を記念して、
特別なご朱印帳やご朱印頒布が予定されています。
お参りの折には是非手に入れたいですね。
毎年実施されている10月〜11月大覚寺例年の、
「四国八十八ヶ所お砂踏み」及び「茅の輪くぐり」は、
今年は戊戌開封法会のため、実施されません。
なお、嵯峨菊展は行われます。
京都の大覚寺で嵯峨天皇の奉献華道祭
2018年は、嵯峨天皇より伝わる『いけばな嵯峨御流』の、
創流1200年の節目にもあたります。
2018年10月12日から14日まで、
嵯峨天皇奉献華道祭が行われます。
大覚寺 嵯峨天皇の奉献華道祭の日程
10月 1日 心経殿御開扉『開白法会』
午前10時〜:献華附般若心経法
10月 1日 〜 8日 「二十一座般若心経法」
対象:大覚寺派末寺団体参拝者
10月2日〜7日:午前6時半(参拝不可)・午前10時・午後2時
10月8日:午前6時半(参拝不可)・午前10時
10月12日〜14 「いけばな嵯峨御流創流1200年記念華道祭」
10月12日〜13日:午前10時~16時
10月14日:午前10時~15時
華席:場所《各お堂・大覚寺信徒会館(華道芸術学院)》
お茶席:場所《本席(望雲亭)・舟席(龍頭鷁首舟)・立礼席(大覚寺信徒会館)》
10月14日 大柴灯護摩祈願法会
午後2時〜午後3時30分頃終了予定
場所:心経宝塔前
10月17日 裏千家献茶式法会
午前10時〜
10月21日 心経会員御写経奉納供養法会
対象:大覚寺心経会員
午前10時〜
勅封心経御写経供養法会
対象:勅封心経御写経セット購入者
午後1時30分〜
10月25日 表千家献茶式法会
11月 7日 『中日法会』
庭儀大曼荼羅供
11月 1日 〜 30日 大覚寺門外不出の秘伝花「嵯峨菊」展覧
11月30日 心経殿御閉扉『結願法会』
午前10時〜:嵯峨御流献華式法会
旧嵯峨御所 大本山 大覚寺
住所:〒616-8411 京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
電話番号:075-871-0071
平安時代、中国の洞庭湖を模して造られた大沢池の周りには、
モミジ・サクラが交互に配されており、
池に映るモミジも楽しむことができます。
また、本堂・五大堂の池に面した広いぬれ縁からの紅葉の眺望は、
とても美しいです。
旧嵯峨御所 大本山 大覚寺への最寄り駅は
JR「嵯峨嵐山駅」から徒歩約20分、
阪急「嵐山駅」から徒歩で約35分、
京福「嵐電嵯峨駅」から徒歩で約25分です。
あとがき
「戊戌開封法会」は、60年に一度?
ということは、ほぼ、一生に一度しかチャンスはなく、
この機会を逃したら、次は2078年なのですね。
11月も中旬を過ぎれば、
嵯峨・大覚寺あたりは『紅葉色』に染まります。
ぜひその頃に訪れたいと思います。