センター試験と大学共通テストの違いは何?廃止のメリットや理由とそれによる影響は?

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大学入試センター試験が、
2020年1月(2019年度)の実施を最後に廃止され、
2020年度(21年1月)から、
新テスト「大学入学共通テスト」に移行します。

文部科学省は、国語と数学に記述式問題を導入する。

大学も個別試験を改革する。

社会に出てから必要とされる力が変わってきたことが、
改革の背景にあるといいます。

英語民間試験の成績を入試に利用する、
新たな仕組みも検討されましたが、
延期となるなど、不透明な点も残ります。

  

センター試験と大学共通テストの違いは何?

・なぜセンター試験が廃止されるの?

1990年に始まったセンター試験は、マークシート式でありながら、
「暗記だけでは解けない、考えさせる設問がある」と、
高校の先生の間での評価が高かった。

ですが、国は、

「先行きが予想しづらいこれからの社会では、知識の量だけでなく、
自ら問題を発見し、答えや新しい価値を生み出す力が重要になる」

という考えから、
思考力や判断力、表現力を、
より重視した新しいテストに衣替えする方針を決めた。

大学入試センターは、
2017年度と18年度に、本番に備えた試行調査(プレテスト)を実施して、
高校生に受けてもらい、
その結果も踏まえて19年6月に問題作成方針を公表した。

・何が変わるの?

2段階で変更される。

まず、20年度からは、マークシート式(選択式)に加え、
国語と数学の一部に記述式の試験を導入します。

英語はマーク式のテストも当面残しつつ、
20年度から民間の検定試験を国が認定し、
成績を入試に使う新たな仕組みを始めます。

国語は、マークシート式とは別の大問を設け、
80~120文字程度を書かせる問題を含め小問3問を出題します。

記述式は論理的な文章(評論文)か実用的な文章のどちらか、
またはこれかを組み合わせた文章から出題される。
(マーク式は古文・漢文も含めて出題)

文科省は、
「大学や社会生活で必要な問題発見・解決能力を評価することが重要」としており、
モデル問題では自治体の文書や契約書が、
17年11月に実施された試行調査では、
生徒会の部活動規約の文章や生徒たちの会話などが題材にされた。

試験時間は20分延ばす。

一方、
数学は、「数学Ⅰ」の範囲で記述式が出題される。

小問3問が出題され、試験時間は10分延びる。

現行のセンター試験の数学では、
問題を解くための構想から結論までの過程が、
問題文中にある程度示されているが、
記述式を入れることで問題解決の構想力を問いたい狙いがあるという。

「数学の良さ」を伝える狙いもあり、
試行調査では、文化祭でのTシャツ販売、観光客の消費額、高速道路の渋滞など、
日常生活とかかわる問題が多く出た。

プレテストでは、問題解決の方法を記述させる出題もあったが、
本番の試験では、
当面は、式を記述させる出題のみとなる方向だ。

25年4月に大学に入る人向けの、24年度の共通テストからは、
コンピューター上で出題・解答する試験にして、
記述の字数も増やしたい構想がある。

理科や地歴・公民でも記述式が出題される可能性もある。

ただ、いずれも実現の見通しははっきりしません。

・本当にできるの?

課題は多いです。

記述式問題の採点作業は大学入試センターが民間企業に委託する。

50万人以上が志願する共通テストで、
公平に採点できるのか不安視する声は大学・高校の双方にある。

記述式は採点に時間がかかるため、
1月に実施するマークシート式の試験と試験日を分けて、
数カ月早めることも検討されたが、
高校側から前倒しに反対する声が強く、
試験日は現行と同じく、1月中旬となった。

採点基準は大学入試センターが決めるが、
採点作業は民間企業に委託するという。

早まると準備が大変ですね。

高校の先生は、
「学校の行事や授業への影響が大きい」と心配する人が多い。

時期については、年に何度か共通テストを実施し、
受験生が受ける時期を選べるようにすることも検討されていたが、
技術的な課題が多く、実施は先送りになった。

高校や大学の先生などが入った新テストの検討会議では、
実現したい理想と現実的な課題のせめぎあいの連続でした。

・共通テストでの英語はどうなるの?

20年度以降も共通テストでの英語の出題は存続する。

文科省は共通テストでの英語は廃止し、
民間の認定試験に一本化したい考えをにじませていたが、
新テスト開始から4年間(20~23年度)は、
共通テストも存続させ、
各大学が共通テストと民間認定試験のどちらを利用するかを、
判断することにしていたためだ。

24年度以降は、
民間試験の扱いも含め、改めて検討することになりそうです。

・記述式問題に変化がました。

記述式の延期を発表

批判が止まらない共通テストですが、
英語民間試験に続き、
国語・数学の記述式についても延期することを、
萩生田光一・文科相は2019年12月17日の閣議後記者会見で言明しました。

これで共通テストは、
目玉だったはずの英語民間試験、国語・数学の記述式、
それぞれを欠くこととなりました。

そもそも、
記述式は2016年の時点でも国立大の9割で導入されています。

ところが、
「国語、小論文、総合問題」を実施していない大学が、
6割あるデータを持ち出して、
「国立大は記述式をやっていない大学が6割」とする、
レトリックが記述式導入を後押ししていました。

もうこのあたりから、ダメな臭いが漂っていたと言えます。

まさか、このレトリック、
共通テスト批判が強まった昨今では誰も使わないだろうと思いきや、
鈴木寛・慶應義塾大教授(大学入試改革の旗振り役の一人)が、
使っていたのには驚きました。

記述式は、今のところなさそうです。

センター試験廃止のメリットは何?

まず1番目のメリットは、記述力を評価できるということです。

文部科学省は、
センター試験では『主体性・多様性・協働性』が評価できないと言っていますが、
『思考力、判断力、表現力』もセンター試験では測れないと思います。

センター試験で測れるのは知識だけです。

でも記述の問題を出題することで、
受験生の思考力や表現力、主体性を測ることができるので、
よりいい大学にはより良い生徒を入学させることができます。

大学では知識量も大事ですが、
論文を論理的に書く力や1から創造する力が必要とされます。

よって記述問題を採用することでより正当な評価ができると思います。

そうすることで、
勉強しかできず全然使えない人材が減っていくと思います。

2つ目のメリットは、差がつきやすくなることです。

今のセンター試験は○か✖️の採点なので、
特に上のレベルではあまり差がつきません。

センター試験はめちゃくちゃ頭いい人でも93%前後が限界ですし、
大したことない人でも89%くらい取れます。

そうするとたったの4%しか差が付きません。

しかし、記述問題にして記述力を問えば、
部分点を用いて差をつけることができますし、

できる人の解答には満点を与え、
できない人の解答をバツにすればかなり差が付きます。

二次試験は記述問題なので、正当に評価され差が付きます。

共通試験でもそうすればもっと正当に評価できると思います。

またセンター試験対策を1ヶ月すると、
マークに慣れて記述力が落ちて二次試験の問題が解けなくなってしまうので、
共通試験も記述にすれば二次試験のレベルをもっと上げられます。

以上が2つ目のメリットです。

センター試験の廃止の理由、
そして廃止のメリットについて紹介しました。

そして、
先ほどもお伝えしましたが、記述式は、見送りとなりました。

あとがき

今の時点で、
センター試験、大学入学共通テストについて、
ハッキリした事は言えないのですが、
一番大変なのは受験生ですので、桜咲くになる様に応援しています。