詩仙堂の紅葉 見頃はいつ?観光コース曼殊院・瑠璃光院へ電車のアクセスは?

神社仏閣

詩仙堂のもみじは美しいことで有名ですが、
この詩仙堂がある一乗寺から、
岩倉周辺の洛北には紅葉の名所が点在していて、
比叡山の山裾に赤いじゅうたんを敷いたような景色です。

清水寺や嵐山のもみじも素敵ですが、
ちょっと離れただけで、静かな秋を楽しめる、
紅葉スポットがたくさん集まる、
一乗寺や岩倉あたり、

真っ赤に染まる、
詩仙堂周辺の寺院をご紹介します。

  

詩仙堂の紅葉 見頃はいつ?

詩仙堂は、煎茶の開祖であり、
漢詩や禅など様々な学問をおさめた文化人・石川丈山が造営しました。

『鹿おどし』発祥の地としても知られ、
丈山自らが設計した庭園が有名です。

縁側に腰を掛けて、目では詩仙の間から眺める唐様庭園を、
耳では鹿おどしの響きに、
喧騒を忘れて秋の風情に浸る特別な時間は至福の瞬間です。

詩仙堂は、徳川家康の元側近であった石川丈山が、
隠居所として建てた草庵です。

丈山は平素から読書に親しみ、特に詩を好み、
隷書や漢詩の大家で、隠棲後は朱子学をおさめ、禅を学び、
詩仙堂を造営し、詩や書、作庭を楽しんだ文化人でした。

寺名の詩仙堂は、丈山が中国の漢晋唐宋の詩家三十六人の肖像を、
狩野探幽に描かせ、自らも各詩人の詩を書いて、
詩仙の間の四方の壁に掲げたのが由来です。

庵だけでなく、石川丈山自らが設計した庭園は、
風雅な雰囲気が漂い、秋の美しさを極めます。

詩仙の間の縁側から眺める唐様庭園は、
緑の刈り込みや、白い砂利に紅葉の赤がことのほか映え、
緑と赤のコントラストが美しい庭園です。

お堂の東南にある滝の洗蒙瀑(せんもうばく)も必見で、
岩を打つ滝の音と、僧都の響きが、秋のもの寂しさを引き立てます。

詩仙堂の紅葉は、11月中旬から色づき始め、
11月中旬から11月下旬にかけてが見頃です。

約50本の紅葉が色づきます。

ゆっくりと鹿おどしの響きを堪能するなら、
開園直後、朝の拝観がおすすめです。

詩仙堂
京都市左京区一乗寺門口町27

☎ 075-781-2954

拝観時間は、午前9時から午後4時45分までで、
拝観料は500円です。

詩仙堂 紅葉の見頃 観光コース 金福寺 圓光寺

いにしえの文化人たちも愛でた、
紅葉と別荘文化の粋を満喫できる、京都の洛北、一乗寺周辺。

紅葉自慢の寺院が点在する洛北エリアは、
文人 石川丈山が建てた草庵・詩仙堂や、
松尾芭蕉や与謝蕪村らが訪れた俳諧の聖地・金福寺など、

いにしえの文化人ゆかりの寺院も多いところで、
ひとところに集中しているので、徒歩で巡るのにちょうどいい距離です。

金福寺…俳人ゆかりの庵のあるお寺

金福寺の茶室・芭蕉庵は、俳人 松尾芭蕉が度々訪れたことから名付けられ、
後に与謝蕪村によって再興されました。

庭園は築山と白砂の簡素な枯山水、
本堂では蕪村や村山たか女の遺品が拝観できます。

庵に散る紅葉は風情たっぷりで、
芭蕉庵や蕪村の墓のある境内の高台から、
もみじ越しに京都市街が一望できます。

金福寺の紅葉は、11月中旬から色づき始め、
11月下旬に見頃を迎えます。

約30本のもみじが赤く染まります。

静かに時間を過ごせる穴場スポットで、
武蔵ゆかりの一乗寺下り松とセットで巡るのもおすすめです。

金福寺
京都市左京区一乗寺才形町20

☎ 075-791-1666

拝観時間は、午前9時から午後4時30分までで、
拝観料は400円です。

圓光寺…洛北最古の池に映る紅葉

圓光寺は、
慶長6年(1601年)徳川家康は国内教学の発展を図るため、
下野足利学校第九代学頭・三要元佶(閑室)禅師を招き、
伏見に圓光寺を建立し学校を開きました。

その後、寛文7年(1667年)現在の一乗寺小谷町に移転されました。

圓光寺は江戸時代初期の頃の木活字本『伏見版』の刊行で知られます。

圓光寺にある枯山水の『奔流亭』は、
苔と紅葉が美しい『十牛之庭』や、洛北最古の泉水・栖龍池など、
見所が多いところです。

『奔流亭』とは
白砂を雲海に見立て、
天空を自在に奔る龍を石組であらわした平成の枯山水のことで、
龍の頭部と背中付近にそびえ立つ石柱は、
かつて井戸の部材として使われていたものです。

『十牛之庭』とは、
牛を追う牧童の様子が描かれた「十牛図」を題材にして、
近世初期に造られた池泉回遊式庭園です。

境内の高台に上がると、
眼下には真っ赤に染まる庭園を見渡すことが出来ます。

圓光寺の紅葉は、10月下旬から色づき始め、
11月初旬から11月下旬までが見頃で、
約200本の紅葉が真っ赤に染まります。

特別早朝拝観は、紅葉最盛期の1週間で、
朝、7時30分より、一日70名の完全予約制で、
拝観料は1000円です。
期間:11月18日(日)~25日(日)の8日間
(今年の特別早朝拝観は全て予約は完売しました)

瑞巌山 圓光寺
京都市左京区一乗寺小谷町13

☎ 075-781-8025

普通拝観の時間は、午前9時から午後5時まで、拝観料は500円です。

詩仙堂 紅葉の見頃 観光コース 曼殊院 赤山禅院

詩仙堂のある一乗寺周辺から修学院に掛けて、
もみじが有名な寺院がたくさんあり、
徒歩圏内で観て回れます。

修学院離宮を背にした赤山禅院も、
雄大な庭園で見るもみじから、散紅葉や床紅葉まで、
多彩な紅葉の楽しみ方を満喫できます。

曼殊院…気品漂う紅葉につつまれる小さな桂離宮

曼殊院門跡は延暦年間に、天台宗の宗祖・伝教大師 最澄が、
比叡山に鎮護国家の道場として創建した坊が起源と言われています。

曼殊院は、桂離宮を造った八条宮智仁親王の子・良尚法親王によって、
手掛けられた茶室や、庭園が美しく、
書院前の小堀遠州好みの枯山水庭園は、貴族趣味が加味され、
秋の深まりとともに、
真っ赤に染まる紅葉が優美な雰囲気を醸し出します。

気品あふれるお茶室で行われる、お抹茶の御接待は、
お菓子が付いていて、抹茶が苦手な人にはコーヒーが選べます。

和やかな雰囲気の中で庭園を眺めながら、
ひと時を過ごすことが出来ます。

お抹茶の御接待は、午前10時から午後3時 会見の間で行われ、
10月24日から11月30日まで、料金はお菓子付きで¥800円です。

曼殊院の紅葉は、11月上旬から色づき始め、
11月中旬から12月上旬が見頃、約20本の紅葉が色づきます。

混雑は少ないと思いますが、訪れるのなら朝がおすすめ、
勅使門の見事な枝ぶりの紅葉が、白壁に映えて鮮やかです。

曼殊院の紅葉ライトアップは、11月1日~11月30日までです。

日没から午後8時まで、夜間のライトアップが行われます。
(受付は午後7時30分で終了) 拝観料は600円です。

ライトアップで浮かび上がる宵闇の枯山水の庭は、
幽玄の美そのものです。

曼殊院
京都市左京区一乗寺竹ノ内町42

☎ 075-781-5010

拝観時間は、午前9時から午後4時30分で、拝観料は600円です。

赤山禅院…赤一色のもみじの寺

赤一色に染まるもみじの寺 赤山禅院は、
平安時代に慈覚大師 円仁の遺命によって創建された、
比叡山延暦寺の塔頭で、神仏習合を今に伝える古刹です。

赤山禅院は、
天台宗の数ある修行のなかでも随一の荒行として知られる、
千日回峰行と関わりの深い寺です。

千日回峰行は、平安時代、
延暦寺の相應和尚(831年~918年、一説に~908年)により開創された、
文字どおり、比叡山の峰々をぬうように巡って礼拝する修行です。

赤山禅院は京都御所の表鬼門にあたるため、
方除けや鬼門除けの神として、信仰を集める寺院でもあります。

赤山禅院では、千日回峰行を満行した大阿闍梨が住職をつとめ、
大阿闍梨により「八千枚大護摩供」「ぜんそく封じ・へちま加持」
をはじめとする数々の加持・祈祷が行われ、
11月23日(祝)には珠数供養が、午前10時から午後2時にかけて行われます。

「へちま加持」は、
古くから毎年、仲秋名月の日に厳修されてきた天台の秘法で、
仲秋の名月の日に行うのは、
その日から月が次第に欠けていくのと同じように、
病を減じさせるためとされています。

本堂の前には、秋から冬にかけて薄桃色の寒桜が咲きます。

可愛らしい寒桜と、真っ赤な紅葉との、
珍しい組み合わせが必見です。

通称『もみじの寺』と呼ばれる赤山禅院は、
修学院離宮の北の端にあり、
修学院離宮を背にした境内一帯は、鮮やかな錦秋に染まり、
11月上旬に色づき始める紅葉は、11月中旬から12月上旬が見頃です。

赤山禅院
京都市左京区修学院関根坊町18

☎ 075-701-5181

拝観時間は、午前9時から午後4時30分まで、
境内は拝観自由となっています。

洛北 紅葉の見頃 観光コース 蓮華寺 瑠璃光院

蓮華寺…静寂の中の錦秋もみじ

蓮華寺は、天台宗の寺院
山門から始まる紅葉の妙珠玉の池泉鑑賞式庭園が有名です。

元々、七条塩小路にあった西来院という時宗寺院を、
応仁の乱で荒廃した後、
江戸初期に加賀前田藩家老・今枝近義が、
比叡山延暦寺を本山とし、
延暦寺実蔵坊の末寺のひとつとして天台宗に属する寺院を、
現在の地に再建しました。

蓮華寺は黄檗宗の様式の建築と、
江戸初期の池泉鑑賞式の典型ともいえる庭園をもつ寺院です。

本堂の参道左に立つ『蓮華寺型燈籠』は、
六角形の急勾配が特徴で、
秋には庭園の池周りの紅葉が、
鮮やかに色づき、深紅の光景が現れます。

高野川の清流を引き込んだ池庭は、
書院と仏殿に面する形で作られた『池泉式庭園』で、
造営には石川丈山や狩野探幽が関わったと言われています。

蓮華寺の紅葉は、11月上旬に色づき始め、
11月中旬から12月上旬が見頃で、約50本の紅葉が色づきます。

蓮華寺
京都市左京区上高野八幡町1

☎ 075-781-3494

拝観時間は、午前9時から午後5時までで、拝観料は400円です。

瑠璃光院…数寄屋造りの名建築と秋限定の風雅な景色

瑠璃光院は、
岐阜市に本坊を置く「浄土真宗無量寿山光明寺」の支院です。

明治から大正期の実業家で、
政治家としても活躍した田中源太郎(1853年~1922年)が所有していました。

本願寺歴代門跡も訪れたという由緒ある寺院で、
大正から昭和初期に、数寄屋造りに改造し、
自然を借景とした酩酊を造営しました。

数寄屋造りの建物は中村外二が手掛け、
自然を借景とした庭園は佐野藤右衛門一統によるものとされています。

三条実美の命名による茶庵『喜鶴亭』や、
書院から眺める風雅な瑠璃の庭が、
秋限定で観られる隠れた名刹です。

数十種類の苔の絨毯をぬって、一条のせせらぎが清らかに流れる庭は、
浄土の世界を表現していて、
瑠璃色に輝く苔と、燃える紅葉の色との対比が美しい絶景です。

瑠璃光院 秋の特別拝観は、
10月1日から12月10日までで、
午前10時から午後5時まで、特別拝観料2000円で拝観できます。

瑠璃光院は、1万2000坪の敷地に約150本の紅葉が赤く染まります。

11月上旬から色づき始め、11月中旬が見頃です。

瑠璃光院
京都市左京区上高野東山55

☎ 075-781-4001

拝観時間は、午前10時から午後4時まで、
拝観料は2000円です。

詩仙堂の紅葉 見頃 観光コースへの電車アクセスは?

詩仙堂は、京都市街の北東に位置します。

今回ご紹介しました、詩仙堂・金福寺・圓光寺や、
曼殊院・赤山禅院・蓮華寺・瑠璃光院へは、叡山電車が便利です。

叡山電車は、出町柳駅から叡山電車本線・八瀬行きに乗ります。

一乗寺周辺から修学院、
そして、叡山電車 叡山本線 高野川沿いから八瀬のふもとまで、
行くことが出来ます。

まず、出町柳駅から叡山電車本線・八瀬行きに乗って、
一乗寺駅で下車し、東へ徒歩15分くらいのところに、
詩仙堂・金福寺・圓光寺があり、
さらに北へ進むと曼殊院があります。

赤山禅院へは、叡山電車 修学院駅下車、
蓮華寺は三宅八幡駅、
瑠璃光院は八瀬比叡山口下車です。

★★★八瀬もみじの小径ライトアップ★★★
~旧「八瀬遊園」跡地。

社寺や庭園では見られない自然豊かな紅葉が楽しめます。

開催場所 八瀬もみじの小径(叡山ケーブル「ケーブル八瀬駅」隣接)
開催日  2018年11月3日, 10日, 11日と11月17日~12月2日の毎日
点灯時間 16:30~20:45
入場料  無料。昼間の時間帯も無料で紅葉をお楽しみいただけます。

あとがき

紅葉は、最低気温が8度以下の日が続くと見頃が近くなり、
最低気温が5度~6度になると、一気に色づきます。

紅葉前線は桜前線とは逆で、北の方から降りてきて、
高地にあるほど早く色づきます。

また、朝夕と日中との温度差が激しいほど、
赤さが鮮やかに感じます。