夏の夕暮れどき
夏祭りや花火大会で見かける
浴衣の着方が気になります
涼しげな男性の浴衣姿
粋な男の着こなしは それだけで涼感です
ですが
男のゆかた姿といっても
街で見かけるヤンチャな男の子たちが
浴衣の裾を肌蹴させて騒いでいる様子はいただけません
粋で涼しげに着こなした 大人な男のゆかた姿は
男の色気を感じますね
ゆかた姿を
歌舞伎役者のように 格好良く着こなすには
ちょっとしたポイントがあるのです
それを知ることで
今年の夏は 一段と男前がアップすること間違いなし
粋な男の着こなしを手に入れる簡単なコツを提案します
男の浴衣の着方 粋な着こなしと着崩れ対策
浴衣の着方で どんな風に着つければ
粋で涼しげな男のゆかた姿になるのでしょうか
普段 浴衣や着物に接することが少ない人にとって
そもそも どんな風に浴衣を着る姿が格好いいのかがわかりません
女性の場合も同じですが
まずは素敵な浴衣や着物姿を たくさん見ることです
そこで
「あんな風には着たくない!」とか
「こんな感じに着こなしたい!」など
浴衣姿の善し悪しを
見極める感性を養うことができます
浴衣を特集した季節の雑誌や 浴衣姿が写っているポスター
ユニクロやデパートの浴衣の広告でも
浴衣姿をいっぱい見ることはできます
それらの写真は
もちろん浴衣姿が素敵に見えることを目的に撮られています
ですから
そこにはたくさんの着こなしのポイントが隠されています
そして目に焼き付けた格好良い浴衣姿と
これから着ようとしている自分のゆかた姿を重ね合わせ
近づけるようにしていくのです
『真似ることが学ぶこと』というわけです
目に焼き付けた格好良い浴衣姿の共通点に気付きましたか?
素敵な男のゆかた姿は
どれも背筋が伸びて姿勢がいいと思いませんか?
近頃の若い人は 姿勢の良くない人が多いように思います
現代の生活様式がそうさせるのかも知れませんが
これは健康にも良くありません
背筋を伸ばし格好良い浴衣姿に近づけましょう
初めはなかなか上手に着ることは難しいですが
何度も繰り返し着ることで
次第に浴衣の着方は上達していきます
それこそが浴衣姿を素敵に着こなしていく一番の方法です
失敗を恐れず 何度も繰り返し着ているうちに
浴衣を着た時の立ち居振る舞い(所作)が
スムーズになってくることを感じるはずです
浴衣を着て歩いている時や立ち座りしている時に
どうしても浴衣の前が肌蹴て着崩れるという人は
浴衣の裾を合わせて紐を締める紐位置に
内紐を付けるという手があります
これなら裾が肌蹴ることはありません
内紐を付けるのは面倒だという人は
安全ピンでとめるという方法もあります
秘密の裏技ですが
絶対に裾が肌蹴る心配はなく
安心して浴衣姿を楽しむことができます
男の浴衣の粋な着こなしは 体型に合ったサイズ選び
男の浴衣姿 粋に着こなすためには
自分の体形に合ったサイズの浴衣を選ぶことです
男性の着物や浴衣は“対丈”といって
女性の着物の様に おはしょりがありません
男物は着た時にちょうどいい丈(長さ)に作ってあるものです
浴衣を買うとき 自分に合った着丈のものを選んでください
羽織ってみた時 着物なら踵(かかと)が隠れる程度
浴衣は 涼しげに見せるため
踝(くるぶし)のあたりがちょうどいい長さです
日本人の体型も近頃では欧米並みに発育が進み
身長の高い人が多くなってきました
身長が高いということは 手足が長いということで
浴衣を着るときの“裄”の長さに注意が必要です
裄は首の真後ろの中心から 手の付け根までの長さです
浴衣の場合
これも涼しげに見せるため やや短めが適しています
ポッコリお腹の男性は
帯の位置が安定し ゆかた姿も良く似合いますが
お腹周りがペッタンコな男性は
帯位置を落ち着かせるため 胴周りに補正をすると
着崩れを防ぐことができます
スポーツタオルを縦半分に折って
腰回りに巻き なるべく寸胴になるようにします
胴周りは汗をかきやすいので
タオルを一枚まいておくと
体型補正と同時に汗取りになります
男の浴衣の着こなしでダサく見えない帯結びは結び方と帯の位置が肝心
時代劇で見る男性の着物姿 これを『着流し』といい
袴をはかず 着物だけでいる姿のことです
鬼平犯科帳の中村吉右衛門 カッコイイですね!
あの感じを創造して 浴衣姿を着こなしてください
男性が着物や浴衣を着るとき
帯の位置は腰骨の下
帯の前をぐっと下げて 後ろ側はおへその裏の少し下が
格好いい帯の位置だと思います
男物の帯は 角帯と兵児帯があります
ちっちゃな男の子が短めに浴衣を着て
兵児帯を蝶結びしている姿は とてもかわいいですが
大人の男の兵児帯も なかなか粋なものです
兵児帯といえば
往年の映画スター高倉健さんの着流し姿は有名です
大人の男性が浴衣を着た時にも兵児帯は素敵です
兵児帯は中幅の柔らかい縮緬地を扱いて締める帯のことで
総絞りの兵児帯はとても高級品ですが 普段着用の帯です
結び方は蝶結びでいいのですが
背中心より 左右どちらかに譲って締めると格好がいいです
角帯は吉右衛門さんのように締めてください
角帯にはそのほか
紬や緞子 夏物の絽や麻 最高級品では爪綴れなどがあります
一般的に浴衣に用いられる角帯は博多織が多く
“博多献上”という伝統的な織り方が主流です
結び方の主流は『貝の口』
手先を帯幅の倍程(20~25センチ)取って 胴の周りに3回廻します
手先に取った分と同じくらいを残し
あとは内側にすべて折り込みます
①手先を下にして 上から垂れ先で巻き込むようにして結びます
②下にした手先を上に折あげ
③もう一度 上から垂れ先で巻き込みます
『浪人結び』
①までは同じで
巻き込んで上になった垂れ先を胴に巻いた帯の中に通す
『片ばさみ』と呼ばれることもある
『長谷川結び』(片ばさみの変形)
①手先を下にして 上から垂れ先で巻き込むようにして結びます
②下にした手先を上に折あげ ここまでは貝の口と同じ
折あげた手先の外側を通って 垂れ先を浪人結びのように
胴に巻いた帯の中に通す
垂れ付きの貝の口
『習うより慣れろ』数稽古でがんばってください
まとめ
やっぱり日本人ですね
浴衣姿の男性は素晴らしい!
浴衣姿の男性に 夏の夜道をエスコートされたら
女の子はみんな“ずっきゅ~ん”イチコロです!
是非ともこの夏は
何度も何度も 浴衣の着こなしに挑戦して
浴衣姿を
自分のものにしてください