化野念仏寺の歴史と水子供養の由縁 千灯供養はいつ拝観料とアクセスは?

夏の行事

化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)は 
怖い話や心霊スポットとして
また 水子供養でも有名なところです

水子地蔵や賽の河原
それらが化野念仏寺とどのような由縁があるのか
それは化野念仏寺の歴史から窺がわれるのではないでしょうか

夏の終わりに
化野念仏寺で行われる千灯供養と
あたご古道街道灯しについてご案内します

  

化野念仏寺の歴史と見所

化野念仏寺の「あだしの」というのは
日本の古語で「儚い」「むなしい」という意味を持っていたとか・・・

西行法師や吉田兼好は化野を“人生の無常さ”として喩えていますが
この地は古来より 人々が亡き人との永遠の別れを惜しんだ場所なのです

生が死と化し 命果てる
儚い人の命 むなしさだけが残る 
この世に再び生まれ化る事や 極楽浄土に往来する願いなどを意図している 
そういう意味なのでしょうか

約1200年前、風葬の地だった化野に葬られた無縁仏を弘法大師空海が五智山如来寺を建てて供養したのが始まり。毎年8月23・24日の夜には、千灯供養が行われる。

化野念仏寺は 京都市右京区の嵯峨野にある浄土宗の寺で 山号は華西山 

化野は東山にある鳥辺野や 洛北の蓮台野と並ぶ平安時代以来の墓地であり
風葬の地として知られています

伝承によると弘仁2年(811年) 弘法大師・空海が五智山如来寺を建立し
野ざらしになっていた遺骸を埋葬したのに始まるとされ
後に法然上人が念仏道場を開き 華西山東漸院念仏寺と称し浄土宗に属する寺となりました

本尊は阿弥陀如来像(寺伝に湛慶作というが実際の作者は不明)
本堂は江戸時代の正徳2年(1712年)に寂道により再建されたもの

境内に奉る多くの石仏・石塔は 往古あだしの一帯に葬られた人々のお墓なのです 
約8000体という夥しい数の石仏・石塔は 何百年という歳月を経て無縁仏と化し 
あだしのの山野に散乱埋没していました

明治中期に地元の人々の協力を得て 散在していた多くの無縁仏を掘り出して集め
釈尊宝塔説法を聴く人々になぞらえ配列安祀してあるのだそうです 
それらは賽の河原に模して「西院の河原」と名付けられています

また 化野念仏寺では 地蔵菩薩の縁日に水子供養が行われています

化野念仏寺の年間行事

・浄焚式(じょうぼんしき) 6月17日13:00より
古くなった御札・塔婆・お守りなど焼べて供養します

・千灯供養(せんとうくよう) 千灯供養 8月23日・24日

・お火焚(おひたき) 11月23日
境内内の御社に海や山の幸をお供えし 感謝を捧げるお祭です

早春にお迎えした神を初冬に送る(送り火を焚く)お祭りで
春から秋にかけて神からさずかった「新しいみのりや収穫」に感謝をささげるのが
火焚祭・お火焚であると云われています

多くのお寺では境内に社を建て 神様(日本の神)をまつっています
それは 日本の神様であるイザナギ・イザナミの命と云う二人の神様が造られた日本の地へ
後から仏教が伝来し 
神様の土地にお寺を建てて 仏様・菩薩様(インドの神仏)を祀った事から
その土地の神様の守護を願い境内に鎮守社を建て 神様をお祀りしたものです
お寺で行う「お火焚」は年に一度 お寺が建っている土地の神様に
海や山の「幸」をお供えして 鎮守(守護)に感謝するお祭りです

・水子供養(みずこくよう) 水子供養塔 水子地蔵尊
毎月24日 14:00より(約30分)本堂にて(8月分の回向は千灯供養で行います)
※供養の申込みは随時受付(拝観時間内)

あだしの念仏寺のみどころ

・季遊の間(きゆうのま)とは
朱印受付の隣にある間で 春には桜 秋には紅葉と 
四季折々の季節を遊んで(楽しんで)もらう間(空間)のことで
しゃが 花梨 柿 門松 石榴 あけび 紫陽花 時計草など
境内にある草木や季節を感じるものをかざっています

化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)

化野念仏寺と水子供養 水子地蔵と賽の河原の由縁

水子とは 何らかの事情で産まれる事の出来なかった赤ちゃんのことです
その赤ちゃんの命を供養することを水子供養といいます

化野念仏寺の水子供養(みずこくよう)は
毎月24日 14:00より(約30分)
本堂にて行われます(8月分の回向は千灯供養で行います)

※供養の申込みは随時、受付しております(拝観時間内)

この化野念仏寺には いろいろなお地蔵さまが祀られています
人々を苦しみから救う「お迎え地蔵」や
病気や悪いことから守ってくれる「延命地蔵尊」
そして
水子になった子どもたちを 親に代わって守り救いを与えるのが「水子地蔵」です

~化野念仏寺の西院の河原~

石仏や石塔が埋め尽くすように立ち並んでいるその中央に
釈迦坐像と十三重の石塔が置かれています
それはまるで無縁仏となった人たちがお釈迦様の声に耳を傾けているかのようです

賽の河原とは
死んだ子供が行く所といわれる冥途の三途の川の河原のことです 
賽の河原で 死んだ子供は父母の供養のために小石を積み上げて塔を作ろうとしますが
何度積み上げても絶えず鬼にくずされる
そこへ地蔵菩薩が現れて子供を救うという仏教説話があります

空也上人の作と言われている「賽の河原地蔵和讃(さいのかわらじぞうわさん)」の一節に
“一重つんでは父の為、二重つんでは母のため…”とあるように
親より先に亡くなった子どもたちが石を積み上げた河原の有様を想わせ
「賽の河原」と同じように見えることから
この場所は「西院(さい)の河原」と呼ばれるようになったのです

化野念仏寺の千灯供養はいつ拝観料とアクセスは?

化野念仏寺の千灯供養は明治時代に始まったもので
明治中期に地元の人々の協力を得て 散在していた多くの無縁仏を掘り出し
一体一体ていねいに集められた 
八千体余の石仏に供えられたろうそくの火が風に揺れると
永劫の安息を得た石仏の安らぎに接する思いで心が落ち着きます

揺らめくろうそくの火と その火に照らされる石仏の顔に
ゆかりの人を想い 偲びます
夜のとばりが下りると西院の河原は
火の明かりと石仏が織りなす 幻想的な世界へと変わります

あたご古道街道灯し
付近の町並みにも お地蔵様に見立てたジャンボ提灯や子供達手作りの灯りが燈り
奥嵯峨にどこか懐かしい情緒を演出します

~化野念仏寺の千灯供養とあたご古道街道灯し~

■化野念仏寺の千灯供養

開催場所:   化野念仏寺 

期 間: 8/23・/24 (※毎年同じ日程です)

時 間: 千灯供養:17時半~20時半(受け付け終了)

料 金: 1000円(中学生以上・行事協賛費)
(小学生以下 無料 / ろうそく、パンフレット込み)

お問合せ: 千灯供養:075-861-2221(化野念仏寺)

詳細ページ: 化野念仏寺公式ホームページ 周辺情報
http://www.nenbutsuji.jp/
化野念仏寺の千灯供養は 2006年から予約不要となりました

■あたご古道街道灯し(あたごふるみちかいどうとぼし)

開催場所:   愛宕神社一の鳥居~清凉寺間の旧愛宕街道

期 間:     8/23・/24・/25 (※毎年同じ日程です)

時 間: 8/23 18時~21時頃
        8/24・/25:19~21時頃

見学自由:   無料

お問合せ: 街道灯し:075-861-0051(松山様方嵯峨野保勝会)

■アクセス

●JR、京福電鉄をご利用の場合

・JR嵯峨野線 京都駅から 嵯峨嵐山駅下車

・京福電鉄 四条大宮から 嵐電嵐山本線 嵐山駅下車

・京福電鉄 北野白梅町駅から 嵐電北野線—帷子ノ辻乗換—嵐山駅下車

●京都バスをご利用の場合

・京都駅から 京都バス 72号系統『嵐山・清滝』行き
→四条烏丸−四条大宮−鳥居本下車(約40分)

・三条京阪から 京都バス 62号系統『嵐山・清滝』行き
→三条河原町−二条駅−千本丸太町−鳥居本下車(約40分)

・交通案内: 京都バス 62・64・72・74・94「鳥居本」
バス停『鳥居本』より 徒歩約5分

~化野念仏寺~

●〒616-8436 京都市右京区嵯峨鳥居本化野町17 あだしの 念仏寺
電話:075-861-2221 Fax:075-881-9800
mail to : adashino@nenbutsuji.jp

●入山拝観時間
・開門9:00〜16:30(受付終了)

・閉門は受付終了から最大30分後となります。
( 1・2・12月は15:30に受付終了)
臨時宗教式典の日は時間の変更 又は休観となる場合があります

京都府南部に暴風警報が発令された時 積雪・凍結の日は安全のため休観となります

●入山拝観料
・大人     500円
・中学、高校生 400円
・小学生以下   無料
(保護者同伴に限る)
・団体料金 30名様以上で大人400円 中学、高校生300円
(現金一括のお支払いをお願いします)

※小学生以下の修学・行事等の団体はお断り致します

あだしの念仏寺の地図

まとめ

愛宕古道街道灯しは 
1996年嵯峨野保勝会・京都嵯峨芸術大学
そして 寂庵を開かれた尼僧 瀬戸内寂聴様が始めたイベントです

提灯作りには嵐山小学校の生徒さんも参加されているそうです

化野念仏寺の千灯供養と
愛宕古道街道灯し
夏の終わりを告げる一夜
嵯峨野あたりで
幻想的な時間を過ごすのも一興ですね