奈良国立博物館にて特別展「国宝の殿堂 藤田美術館展」
ー曜変天目茶碗と仏教美術のきらめきーが開催されます。
世界に三碗しか存在しないと言われる国宝「曜変天目茶碗」をはじめ、
「玄奘三蔵絵」「両部大経感得図」「仏功徳蒔絵経箱」など、
仏教美術を中心に、
館外初公開を含む多彩なコレクションが紹介されます。
藤田美術館の藤田清館長が語る公開講座も予定されてます。
大阪の市内中心部、都島区網島町にある藤田美術館は、
1954年(昭和29年)に創られた美術館で、
東洋古美術を中心とした大阪府の登録博物館です。
藤田美術館には、曜変天目茶碗などの国宝9件を含む、
約二千件の仏教美術や絵巻・茶道具など、
多数の名品がコレクションされています。
藤田美術館は現在建て替え中で、
リニューアルオープンは2022年4月です。
今回、その藤田美術館所蔵の曜変天目茶碗など、
素晴らしい国宝が、奈良国立博物館で公開されるのです。
この機会に藤田美術館の曜変天目茶碗の魅力にふれ
宇宙を感じてみませんか。
奈良国立博物館の藤田美術館展『国宝の殿堂』開催は?
奈良国立博物館 藤田美術館展『国宝の殿堂』
★会場は、奈良国立博物館 東新館・西新館
★開催期間は、2019年4月13日(土)~ 6月9日(日)です。
★開催時間
午前9時30分~午後5時 (入館は閉館の30分前まで)
毎週金曜日は午後7時まで
★休館日
毎週月曜日、5月7日(火)
ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館します。
★観覧料金
一般 高校・大学生 小・中学生
当日 1,500円 1,000円 500円
前売・団体 1,300円 800円 300円
団体は20名以上です。
前売券の販売は、3月13日(水)から4月12日(金)までで、
障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。
★【特別チケット】 ※料金はすべて税込み
早割ペアセット券 前売 2,000円
本展の観覧券(一般)2枚がセットになった、
販売期間限定の前売券です。
展示替えに合わせてお一人で2枚、
またはご家族・ご友人と1枚ずつでもご利用できます。
一般当日券2枚分より1,000円お得です。
特別チケットの販売期間:2月13日(水)~3月12日(火)
曜変天目茶碗フィギュア根付セット券 前売 2,000円
本展の観覧券(一般)1枚に本展オリジナルグッズの根付がついた、
数量限定のお得なチケットです。
藤田美術館が所蔵する国宝「曜変天目茶碗」を、
口径約4センチのミニチュアフィギュアで表現しました。
限定500セット
フィギュア根付セット券販売期間 3月13日(水)~4月12日(金)
いずれも販売場所は、ローソンチケット、チケットぴあ、イープラス
★<3館で相互割引を実施>
下記展覧会の観覧券又は半券を
当館観覧券売場にてご提示で当日入館料より200円引き。
また当館展覧会「国宝の殿堂 藤田美術館」の観覧券又は半券を、
各館観覧券売場にてご提示で下記展覧会も当日入館料より200円引き。
・MIHO MUSEUM (滋賀)
・「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋」
・静嘉堂文庫美術館 (東京) 「日本刀の華 備前刀」
1枚につき1名のみ、他の割引との併用不可
★藤田美術館展公開講座
◆ 4月20日(土)「藤田傳三郎と藤田美術館 伝統と未来」
藤田 清氏(藤田美術館館長)
◆ 5月11日(土)「国宝 曜変天目茶碗の謎にせまる」
小林 仁氏(大阪市立東洋陶磁美術館学芸課長代理)
◆ 5月25日(土)「藤田美術館の仏教美術コレクション」
岩井 共二(当館学芸部情報サービス室長)
★藤田美術館展関連イベント
◆親子ワークショップ「オリジナル絵巻を作ろう」
・日時:5月5日(日・祝) ①午前10時~12時 ②午後1時30分~3時30分
・会場:当館地下回廊
・定員:各回18組
参加は無料ですが、本展の観覧券が必要です。
先着順で、定員になり次第、締め切ります。
◆親子ワークショップ「曜変天目茶碗モチーフのアクセサリー作り」
・日時:5月26日(日) ①午前11時~12時 ②午後2時~3時
・会場:当館地下回廊
・定員:各回18組
参加は無料ですが、本展の観覧券が必要で、
先着順で、定員になり次第、締め切ります。
★奈良国立博物館
〒630-8213
奈良市登大路町50番地
TEL:ハローダイヤル 050-5542-8600
FAX:0742-26-7218
近鉄奈良駅下車 登大路を東へ徒歩約15分
JR奈良駅または近鉄奈良駅から市内循環バス外回り
「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ
奈良国立博物館の藤田美術館展で展示される曜変天目茶碗の魅力
漆黒の器の内側には、瑠璃色の曜変と呼ばれる大小の斑文が散らばり、
斑文の周囲は暈状の青や青紫で、
角度によって玉虫色に光彩が輝き移動する様子は、
まるで宇宙に浮かぶ星のように美しく輝いています。
曜変天目茶碗は、
現在の中国福建省南平市建陽区にあった建窯で作られたとされ、
これらの模様は偶然の産物で、再現は難しく、
現在、世界に3碗しか現存していませんが、
いずれも日本にあり、3つとも国宝に指定されています。
南宋のある時期、建窯で数えるほどわずかな曜変天目茶碗が焼かれ、
それから二度と焼かれることは無く、
なぜ日本にだけ現存し、焼かれた中国には残っていないのか、
大きな謎とされています。
★東京・静嘉堂文庫美術館蔵、稲葉天目
元は徳川将軍家の所蔵で、
徳川家光が病に伏せる春日局に下賜し、
その子孫である淀藩主稲葉家に伝わりました。
静嘉堂文庫の曜変天目茶碗は、
斑文模様が比較的はっきりと出ていてそれはそれで美しいものです。
近年オープンした東京丸の内の三菱一号館内
「三菱センター デジタルギャラリー」では、
デジタルコンテンツとして常時閲覧することができる。
★京都・大徳寺龍光院蔵、
筑前黒田家の菩提寺、
大徳寺の塔頭龍光院に初世住侍江月宗玩以来伝わったもので、
国宝とされる三椀の曜変天目茶碗のうち、最も地味なものですが、
幽玄の趣を持つとされて評価が高い。
龍光院蔵の曜変天目茶碗は通常非公開で、
鑑賞できる機会は稀です。
★大阪・藤田美術館蔵
藤田美術館の曜変天目茶碗は、
徳川家康から水戸徳川家へ伝来した物で、
水戸徳川家の売立の際に、藤田家に伝わったものだそうです。
藤田美術館所蔵の曜変天目茶碗は、
キラキラと星屑のように輝く地肌に、
銀河のような斑文が浮き出ていて、宇宙そのものです。
1918年に藤田財閥の藤田平太郎が入手し、
1953年11月14日、国宝に指定されました。
瑠璃色の曜変と呼ばれる斑文は、
まるで宇宙に浮かぶ星のように美しい輝きを放ち、
品のある華やかさの中にも落ち着きがあります。
土見せで小振りの削り高台から開いた形や、
鼈口という口縁のくびれは天目形の特徴で、
この茶碗には腰付近に厚い釉溜まり、
口縁に覆輪が見られます。
徳川家康から譲り受けた水戸徳川家の売立の際、
藤田家に伝わりました。
曜変天目茶碗を所蔵する藤田美術館とは
2022年4月リニューアルオープン決定!
明治時代後期から100年に渡り美術品を守ってきた蔵は、これからの100年へ引き継ぐため生まれ変わります。
新しい美術館にご期待ください。https://t.co/kRjP7eBqHf pic.twitter.com/rRL3dYrWcv— 藤田美術館 (@FujitaMuseum) February 19, 2019
藤田美術館は常設展示は行っていません。
春と秋、3月〜6月と9月〜12月の3か月ずつ、
企画展の形でのみで開館するのが特徴です。
1954年(昭和29年)に創られた藤田美術館は、
土蔵のような建物の美術館で、建物自体にも歴史を感じ、
倉敷の大原美術館の東洋館のようで、情緒がある建物です。
藤田美術館は、国宝・重文を数多く所蔵されているため、
文化財の保存・管理、
そして耐震面でも全面的な建て替えは必須でした。
2022年4月にリニューアルオープンします!
1954年の開館以来、
明治時代後期の蔵を利用した展示室を建て替えますが、
100年に渡り美術品を守ってきた蔵を、
これからの100年へと引き継ぎたいという思いを込め、
デザインは蔵を意識したものにし、
シンプルな構造、動線の展示室になります。
建て替えにあたり、
これまでの部材を再利用することにも注力されています。
国宝・重文は、文部科学省の文化財の取り扱い要項により、
年間の展示期間や他の美術館への貸し出しについて、
厳しい制限があります。
新しい美術館のコンセプトは、
「アートとリンクする美術館〜ふれて、感じて、つながれ!〜」。
エントランスにワークショップや実演等、
様々なイベントを開催できるオープンスペースを設けるほか、
日本の茶の湯文化を気軽に体験できる茶屋や広間、
庭園には伝統様式の茶室を設置。
世界中の子供からお年寄りまで、
多くの方々が気軽に立ち寄り、
伝統的な日本、
東洋の美術品をはじめ多様な文化やアートに触れられる場になります。
藤田美術館のコレクションは、
明治時代に活躍した実業家、藤田傳三郎と、
息子の平太郎、徳次郎によって築かれました。
大名旧家や寺社に伝えられてきた文化財の多くが、
明治維新を機に、海外へ流出したり、
国内で粗雑に扱われたりすることに傳三郎が危機感を覚えました。
傳三郎は、実業家であると同時に、
若い頃から両親に物数奇を戒められながらも、
とうとうその性質を変えることができなかったほどの、
美術品愛好家でもありました。
藤田傳三郎とは、
天保12年(1841) ……… 藤田傳三郎 生誕
明治2年(1869) ……… 大阪へ出る
明治11年(1878) ……… 藤田傳三郎商社 設立
明治14年(1881) ……… 社名変更 藤田組となる
明治17年(1884) ……… 秋田県小坂鉱山の払い下げを受ける
明治19年(1886) ……… 大阪商法会議所 第2代会頭に就任
明治32年(1899) ……… 岡山県児島湾の干拓工事着工
明治44年(1911) ……… 男爵の爵位を授かる
明治45年(1912) ……… 藤田傳三郎 逝去
昭和26年(1951) ……… 財団法人藤田美術館 設立
昭和29年(1954) ……… 藤田美術館 開館
昭和31年(1956) ……… 登録博物館となる
平成25年(2013) ……… 公益財団法人へ移行
平成29年(2017) ……… 美術館建替えのために一時閉館中
公益財団法人 藤田美術館
〒534-0026 大阪市都島区網島町10番32号(現在閉館中です)
[仮 事 務 所]〒530-0043 大阪市北区天満4-15-12 アヴァロンビル301
あとがき
現在、藤田美術館は建て替え中ですが、
藤田美術館のあるこの場所は、
春には造幣局の桜の通り抜けで、
夏には天神祭りの花火大会で賑わうところです。
また、
近松門左衛門作の人形浄瑠璃『心中天網島』の舞台となったところです。