釣石神社のパワースポットは震災に耐えた落ちそうで落ちない石の御神体

神社仏閣

旅の途中、偶然にも素晴らしい場所に巡り合うことがあります。

釣石神社はまさにそんなところで、
落ちそうで落ちないという大きな石を見ると、
これこそパワースポットだと感じます。

落ちそうで落ちないから受験の神様と言われることが、
『こじつけだ!』と言われたとしても、
この巨石を見て、
あの大震災にもビクともしなかった事実を知れば、
釣石神社のパワーを感じずにはいられません。

  

釣石神社のパワースポットは東日本大震災の復興の希望の星

釣石神社は、東日本大震災の“復興の希望の星”といわれる神社です。

宮城県石巻市、北上川の河口近くにある釣石神社は、
大震災に二度も耐え抜いた被災地の小さな神社です。

釣石神社の御祭神は、知恵の神様、学問の神様として知られている、
天児屋根命(あめのこやねのみこと)です。

天児屋根命は、春日権現、春日大明神とも呼ばれ、
古事記によると、岩戸隠れの際、岩戸の前で祝詞を唱え、
天照大御神が岩戸を少し開いたときに、
布刀玉命とともに鏡を差し出した神様ということです。

そして御神体は、社殿に向かう長い階段の中腹にある石です。

そのご神体の巨石は、断崖にしめ縄で釣り上げられたもので、
崖から突き出た格好になっているのですが、
何と高さが三メートル以上もあって、
周囲が十四メートルにも及ぶ巨石で、
神社の名前もそこから名付けられました。

“釣石様”と呼ばれるこのご神体は、大きさもさることながら、
思わず「おっとっと」と手を差し出してしまいそうな、
不安定極まりない体勢なのですが、
それを四百年以上も保っているのです。

昭和五十三年(1978年)に起こったマグニチュード7.4の
宮城県沖地震でも落ちなかったことから、
『落ちそうで落ちない石』と、俄然、合格祈願の名所として、
またパワースポットとして全国的に注目されるようになりました。

そして平成二十三年(2011年)、釣石神社は東日本大震災に見舞われ、
残念ながら、鳥居も社務所も津波に流されてしまいましたが、
御神体だけは、またもやビクともせず、この大震災も耐え抜いたのです。

津波は、御神体スレスレのところまで来ていたそうですが、
さすがパワースポットの威力で無事でした。

このことは、未曽有の災害に見舞われた地元の人々にとって、
一条の光明となりました。

釣石神社の周辺は沼地と化し、
境内の杉の木も立ち枯れてしまいました。

しかし、何とか立て直そうと氏子たちが集まり、
岐阜県の南宮大社の支援も得て、
倒れていた木を伐採して裁断し、がれきを取り除いて境内を整備しました。

仮の社務所を設けるところまでこぎつけ、
震災翌年のお正月にも参拝者を迎えたのです。

2012年から2013年にかけての年末年始には、
いまだ仮設住宅で勉強している受験生をはじめ、
県外からの参拝者など約一万人がお詣りに訪れたのです。

釣石神社のパワースポット 北上川河口のヨシで作った輪


釣石神社は、もともと産土沢という山の上にありましたが、
元和四年(1618年)に、現在地に遷宮されたと伝えられています。

山頂の社殿に通じる長い階段の登り口には、
茅ではなくヨシで作った輪が奉納されていて、
お詣りをする時は、この輪をくぐって進むのですが、
縁起をかついで『ヨシ、合格!』というわけです。

毎年12月中旬には「ヨシ門松」と、「葦の輪」が設置され、
正月には合格祈願の受験生や、
会社の景気支えの祈願などに県内外から多くの参拝者が訪れます。

釣石神社の社殿がある山頂から見える、
北上川河口のヨシ原の絶景はまさにパワースポットで、
サワサワと風に鳴る音が見事だったそうですが、
残念ながら、そこはまだ枯れ野のままです。

ですから、今は北上川の上流の河川敷のヨシを刈り取って、
ヨシの輪を作っているそうです。

ちなみに、
眼下に広がるこのヨシ原は『日本の音風景100選』にも選ばれていますが、
一日も早く甦ることを祈るばかりです。

釣石神社のパワースポット

釣石神社のパワースポット、御神体の“釣石様”は『男石』とも呼ばれ、
その下にある8x4メートルの、
これまた大きな岩の『女石』と対をなして陰陽神としても崇められています。

明和九年(1772年)に完成した仙台藩の地誌「封内風土記」にも、
「上に大石ありてこれを蓋し、その形窟の如し」との記述が残っています。

釣石神社のパワースポット、御神体の“釣石様”には、
学業以外に縁結びや子孫繁栄、
商売繫盛や大漁祈願などの御利益もあります。

釣石神社のお神輿は震災で流されましたが、
勇壮なお祭りは四~五年に一度催され、たくさんの人が訪れます。

受験生に限らず、震災復興のシンボルとして釣石神社のパワーを頂きに、
是非一度足を運んでみたいものです。

巨石は東日本大震災に耐えた

崖から突き出た「落ちそうで落ちない石」の姿から、
合格祈願などの名所として知られています。

釣石神社のある所は、
〒986-0201 宮城県石巻市北上町十三浜字追波
0225-25-6345

釣石神社へのアクセスは、
三陸自動車道河北ICより約35分
JR東日本石巻線鹿又駅から
宮城交通バス「上品の郷」停20分
住民バス30分

あとがき

今にも落ちてきそうな大きな石は、
東日本大震災の時も落ちてこなかったなんてすごいですね。

神社への参道の急勾配の階段の途中には、
東日本大震災で津波がどこまで到達したかの標識があり、
津波の恐ろしさを知ることができます。

改めて地震や津波の怖さを感じますね。