百人一首かるたの歴史はいつから?起源や由来 上の句下の句の覚え方と遊び方は?

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映画『ちはやふる』の公開後、
百人一首の人気度はずいぶん上がりました。

そんな百人一首の歴史はいつからあるのでしょうか。

百人一首の起源や由来を知ると、
百人一首に対する興味もアップして、
短歌を覚えることも楽しくなりそうです。

百人一首にある短歌の、上の句や下の句の、
覚え方や遊び方についてまとめてみました。

お正月は、ぜひ皆さんで、
百人一首に興じてみてはいかがでしょうか。

  

百人一首かるたの歴史はいつから?

お正月にみんなで楽しむ伝統的な遊びのひとつが、
百人一首などの『かるた取り』です。

藤原定家が鎌倉時代に編んだ平安時代の和歌集・百人一首を用いた、
『百人一首かるた(歌かるた)』や、

子どもが遊びながら学べるよう、
「犬も歩けば棒に当たる」
「論より証拠」と言ったことわざを使って、
江戸時代に考案された『いろはかるた』が有名です。

元来、百人一首かるたは、
歌一首が「上の句札」と「下の句札」に分かれていました。

江戸時代の幕末あたりに、
上の句札に歌一首すべてが書かれた「読み札」が生まれた結果、
下の句札は「取り札」になりました。

百首すべての歌を知らない人でも楽しめるよう一変し、
宮中遊びとしてだけではなく、
庶民の娯楽として多くの人々に親しまれるようになって行きました。

明治時代に入ると、かるた取りは、
家族や親せきと楽しむだけではなく、
若い男女が集まって興じるお正月の遊びともなって行きました。

尾崎紅葉の小説『金色夜叉』の主人公・貫一とお宮の出会いも、
正月のかるた取りの会でした。

家庭でも学校でも、百人一首の暗記が奨励され、
全国的にかるた取りの試合が行われ、
毎年、日本一のキングとクイーンの座をかけて争われます。

正月のかるた取りは、若い男女の出会いの場として、
百人一首の普及を後押しする大きな要因にもなりました。

百人一首かるたの歴史 起源や由来は?

平安時代に詠まれた百人の歌人の和歌を、
一人一首ずつ厳選し、
藤原定家が京都の小倉山の山荘で鎌倉時代に編んだ秀歌撰を、
『小倉山・百人一首』と呼ぶようになりました。

明治時代になるまで、百人一首は女性の教養と位置付けられ、
歌かるたは、百人一首を覚えるために考案された遊びだとされています。

そのため、作者である歌人の肖像と名前、
雅な和歌が記された豪華な肉筆かるたは、
大名や公家など高貴な家柄の娘の嫁入り道具でもありました。

ちなみに『かるた』という名称は、
ポルトガル語のカード(CARD)がカルタ(CART)へと変化したものです。

十六世紀にポルトガルから種子島に伝来したカードゲーム
『トランプ』が由来となっています。

ただし、雅な和歌とカルタが融合し、
『百人一首かるた(歌かるた)』が誕生した時期は明らかではありません。

百人一首かるたの歴史 上の句下の句の覚え方と遊び方は?

『ちはやふる』は、競技かるたに没頭する少女の青春を描く漫画で、
実写映画化もされ人気を博し、
現実社会の競技かるた浸透にも影響を及ぼしました。

漫画『ちはやふる』は、小学校の低学年の子供も読んでいる人気コミックで、
百人一首 競技かるたのおもしろさを、
『ちはやふる』で知った人は多いはずです。

百人一首に興味を持っても、百人一首を覚えることはかなり難しいことで、
古語使いの聞きなれない言葉と、
意味の分からない文章は、大人でも覚えるのに苦労します。

百人一首の競技かるたは、
五・七・五・七・七の三十一文字で書かれている短歌です。

きれいな絵が描かれた読み札と、十四文字のかなもじが書かれた取り札が、
百枚づつあり、
仮名文字だけが書かれた取り札を、競技者の前に並べます。

競技かるたには、並べ方のルールがあります。

読み札には、短歌すべて書かれていますが、
取り札には下の句の七・七の部分しか書かれていません。

たとえば、いろはカルタでしたら、
「はなよりだんご」と言われたら、「は」から始まるカルタを探します。

しかし、百人一首の場合は違い、
「あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ」
と言われたら、
「わがころもでは つゆにぬれつつ」という札を探します。

いろはカルタならば、
読み手が読んだ一文字目を聞いて札を探すことができますが、
百人一首の場合は、下の句が読まれるまで取り札が分からないので、
短歌をすべて覚えていないと、札を取ることが出来ません。

すべての短歌を覚えるというのは大変なことで、
好きな順に覚えていく、
きれいなお姫様の札から覚えていくなど、
皆さんそれぞれに工夫されているようです。

上の句の始めと、下の句の頭をくっつけた、
語呂合わせで覚える人もいます。

(上の句) (下の句) (語呂)
かささぎの…しろきをみれば → 傘白い(かさしろい)

うかりける…はげしかれとは → うっかりはげ

こぬひとを…やくやもしおの → やっくん来ない

なげきつつ…いかにひさしき → 投げキッスいかが? または 嘆きイカ

なげけとて…かこちがおなる → 嘆け過去

おもいわび…うきにたえぬは → 重いうきわ

あらしふく…たつたのかわの → 嵐たつ

あしびきの…ながながしよを → あしながおじさん

いまはただ…ひとづてならで → 今は人づて

いまこむと…ありあけのつきを → 今声あり

このたびは…もみじのにしき → このもみじ

なにしおはば…ひとにしられで → 何しても人に知られる

みせばやな…ぬれにぞぬれし → 店ぬれる

みよしのの…ふるさとさむく → みよしちゃんのふるさと

スマホで百人一首を覚える『百人一首 覚え方 アプリ』があります。

百人一首を暗記するためのアプリで、
出題範囲や決まり字などの条件を指定して百人一首の暗記ができます。

アプリならではの操作性でさくさく暗記してみてはいかがでしょうか。

あとがき

競技カルタは、畳の上の格闘技と言われるように、
百人一首はもう、昔ながらの遊びというより、
戦いです!

観てるだけで熱くなりますが、
お正月に家族で楽しむ百人一首は、
もう少しのんびりと楽しみたいです。

『坊主めくり』も楽しいですよ!