健康寿命日本一の県はどこか、ご存知ですか?
高齢化社会が問題になっていますが、
年をとっても、
健康でイキイキと元気に毎日を過ごしたいものです。
近年、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間を意味する、
“健康寿命”という言葉が注目されていますが、
健康寿命とはどういうものなのでしょうか。
誰にでも訪れる“老い”ですが、
老いても人に迷惑をかけることなく自分のことは自分でできる、
穏やかな老後を望んでいます。
日々の暮らしで、健康寿命をもっとのばすために、
気をつけたいことや知っておきたい事とは何でしょうか?
健康寿命を延ばすための食事や運動について考えます。
健康寿命日本一の県とその要因は?
まず、健康寿命とは、どういうものなのか?
ということですが、
WHOが2000年に健康寿命というものの概念を提唱しました。
健康寿命とは、
平均寿命から日常的・継続的な医療・介護に依存して生きる期間を、
除いた期間のことなのです。
平均寿命は寿命の長さを表していますが、
健康寿命は、日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、
自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間を表します。
寿命に対する健康寿命の割合が高いほど、寿命の質が高いと評価され、
結果として医療費や介護費の削減に結び付くというものです。
世界保健機関も、
世界各国の政府や保健医療政策を管轄する行政機関(保健省)も、
健康寿命を高め、寿命に対する健康寿命の割合を高めることを、
重要な政策目標にしているのです。
厚生労働省は2017年3月に、
日本人の平均寿命が、男性80.75歳、女性86.99歳と、
過去最高を更新したことを公表しました。
都道府県別平均寿命ランキングを見ると、
第1位の滋賀県と最下位の青森県では男性は3.11歳、
女性は第1位の長野県と最下位の青森県では1.74歳の開きがあり、
地域によって差が見られます。
そして厚生労働省が発表した、
最新の都道府県別の健康寿命ランキングでは、
男性の一位が山梨県で73.97歳、
女性の一位は愛知県で、76.32歳となっています。
こういった地域差については、
食生活や運動習慣、県民性など様々な視点が指摘されています。
健康とは、各自治体によっても定義が違うのですが、
要介護認定を受けていないことを健康とする例が多いようです。
また、
健康寿命とはゼロ歳からの健康である期間を示すことから、
若年で死亡した場合は、その影響が大きくなります。
2017年に公表された日本人の健康寿命は、
男72才、女76才程度とされていることから、
平均寿命との差は、男性で8~9年、
女性では11年ほどということになります。
健康寿命日本一の県 高順位の理由は?
健康寿命ランキングで、73.21歳 男性第一位の山梨は、
がん検診や特定健康診査の受診率が全国でも上位で、
県民の健康意識の高さによるものではないかと言われています。
65歳以上の有業者の割合が多いことや、
日照時間が長く、過ごしやすい気候風土もその要因のようです。
山梨には仲間同士で定期的に集まって食事会を開く、
“無尽”という風習があって、
コミュニケーションの機会が多いことも、
関係しているのではないかと言われています。
また、女性の健康寿命ランキング一位の愛知県では、
1987年から『健康づくりリーダー』と呼ばれる、
地域ボランティアの養成に力を入れています。
リーダーたちは各地区で自主的に活動し、
体操教室や健康づくりのイベントなどを開催しています。
身近にいる健康づくりリーダーに呼びかけられることで、
やる気が起こりやすいのではないかと分析されています。
ほかにも、農業や工業が盛んで、
現役として働いている高齢者が多いことも、
要因の一つだと考えられます。
健康寿命日本一の県と健康寿命を延ばすための食事とは?
健康寿命を延ばすためには、生活習慣を改善して、
生活習慣病を防ぐことが重要です。
生活習慣病である高血圧や動脈硬化の予防のために、
まず取り組みたいのが『減塩』です。
年齢を重ねると、食事は大きな楽しみの一つになりますが、
その食事の中で『減塩』を心掛けることが、
健康寿命を延ばすためのポイントです。
日本人の1日あたりの平均塩分摂取量
男性…11.1g 女性…9.4gですが、
厚生労働省の1日あたりの塩分摂取量の目標値は、
男性…8g 女性…7gとされています。
さらに、
高血圧学会の1日あたりの塩分摂取量の推奨値は、6g未満、
腎臓病患者の1日あたりの塩分摂取量の目安は、3~6gが理想です。
塩分の摂りすぎはガンや脳梗塞・腎臓病のリスクを高めます。
また、味の濃いものは刺激がありすぎるので、
つい食べ過ぎてしまい 肥満の原因にもなります。
減塩のコツは、
酸味や辛味、甘味をうまく取り入れることです。
酢やレモン、ショウガ、トウガラシ、ハチミツなどで風味をつけると、
塩分控えめでも美味しく食べることができます。
食事の内容で一番気をつけたいのが汁もので、
たとえば、カップ麺は一ぱいで5g以上の塩分を含んでいます。
血圧が気になる人は、頻度を減らしたり、
一回に食べる量を半分にするなどして減塩を心掛けます。
また、健康寿命を延ばすためには、野菜を摂ることも大切で、
推奨される野菜の目標摂取量は350gです。
野菜や果物に含まれるカリウムには、
体内からナトリウムを排出する働きがあるので、
減塩のためにも野菜をたっぷり摂るようにしましょう。
偏った食生活は、
低栄養や骨粗しょう症になるリスクを高めます。
食べ過ぎは禁物ですが、
炭水化物やタンパク質も、毎食バランスよく摂ることが基本です。
良質なタンパク質とカルシウムが豊富に含まれる大豆食品は、
骨粗しょう症予防のためにも積極的に摂りたい食品です。
健康寿命日本一の県と健康寿命を延ばすための運動術とは?
運動不足は、筋力や骨密度の低下、肥満などを引き起こし、
ロコモや生活習慣病の原因になります。
ロコモとは、ロコモティブシンドロームといって、
運動器症候群のことを言い、
進行すると、介護が必要になるリスクが高くなります。
運動習慣を定着させるコツは、
「1日に8000歩あるく」「2か月で2キロ体重を落とす」というような、
具体的で無理のない目標を設定することです。
段階的に目標を上げてくのも、挫折を防ぐコツです。
忙しくて運動をする時間が取れない人は、
日常生活の中での活動量を増やす工夫をします。
ちょっとした時間があれば、
「片足立ちでバランスをとる」
「少し踵を上げてつま先立ちする」
「通勤時にひと駅前で降りて歩く」
「エレベーターを使わず階段を使う」など、
ながら運動で足腰を鍛え、
体力や筋力をつけるようにすることです。
あとがき
確かに年齢とともに、
機敏に動くことのできない自分の体にイラつくことがあります。
でも、動けないから動かないではなく、
ちょっとづつ動かすことで、
動くカラダにしていかなければ、
人に迷惑をかけたり、
人のお世話にならないと生活できなくなってしまうのは
避けたいですね。