お正月の松の内っていつまで?どんな意味があってしてはいけないことは何?

冬の行事

お正月は毎年やって来ます!

そのお正月を松の内と言いますが、
正月の松の内とは、いつまでのことを言うのでしょうか。

松の内という言葉も、
最近はあまり使われなくなっているようで、
その意味をわからない人も多いのではないでしょうか。

毎年やってくるお正月、
『あけおめー!』なんて言ってますけど、
お正月をお祝いする松の内にはどんな意味があるのでしょうか。

また、お正月の松の内に、
必ずするべきことや、
してはいけないことには何があるのでしょうか。

おめでたいお正月を、より一層 目出度く過ごすために、
知っておくのも良いのではないでしょうか。

  

お正月の松の内っていつまでのこと?

お正月の松の内とはいつのことかということですが、
お正月は一年の始まりで、元旦から始まります。

しかし、松の内という期間は『松迎え』から始まるもので、
お正月から始まるものではありません。

『松迎え』は、お正月に飾る松を、
山へ採りに行く日のことで、
『正月事始め』の日がそれに当たります。

『正月事始め』は、お正月の準備を始める日で、
十二月十三日のことです。

平安時代から江戸時代前期まで使用されていた『宣明暦』によれば、
旧暦の十二月十三日は、
正月の準備をするのに“吉”の日としていることから、
この日を『正月事始め』の日に定めたと伝えられています。

つまり、お正月というのは、歳神様をお迎えするための行事で、
『松迎え』や『正月事始め』は、
お正月に歳神様をお迎えする準備を始める日なのです。

そして、
『松迎え』や『正月事始め』の日から『松の内』が始まります。

では、松の内の期間はいつまでなのでしょう。

現在、松の内の期間は世間一般的に、1月7日までを示しますが、
15日のところもあれば10日のところもあるということで、
地域によって異なります。

このように松の内の期間が地域によって違う理由には、
諸説あります。

元来、松の内の期間が明けるのは、
小正月の1月15日とされていました。

小正月には歳神様にお供えしていた鏡餅を下げ、
1月20日に鏡開きを行っていました。

しかし、将軍・徳川家光が4月20日に亡くなったことから、
20日という日を忌み嫌うようになり、
徳川幕府では、20日よりも前の11日に鏡開きを行うようになりました。

そのため、徳川幕府のお膝元・関東地方を中心とした地域では、
『松の内は七日まで』と変更したのです。

また、もう一つの説として、
明歴3年の正月18日から28日に起こった明暦の大火〝振袖火事〟がありました。

冬場に玄関口に飾られた門松は、時間が経つほど乾燥して燃えやすくなり、
火災が起きた場合、延焼して被害を大きくする原因となるとされました。

そこで寛文2年1月6日、江戸幕府により、
門松は7日をもって飾り納めをするようにというお触れが、
江戸城下に出されました。

以来、1月7日に門松を片づける習慣が生まれ、
現在でも関東地方では、
松の内は1月7日までとされているのです。

これらのように関東では、
7日までを松の内とする流れが生まれたのに対し、
幕府の影響をそれほど受けなかった関西地方では、
それまでの15日を松の内とする地域が、今でも多いということです。

したがって松の内とは、
正月事始めに正月飾りの一種である松飾りを飾ってから、
松飾りや注連縄、鏡餅などを飾り納めをするまでの期間の事を言うのです。

お正月の松の内ってどんな意味や由来があるの?

松の内は、
歳神様をお迎えし、おもてなしをする期間です。

正月の“正”は、年の初め、または年が改まるという意味を持っています。

そしてお正月は、新しい年に一年の幸福を運んでくる、
『歳神様』をお迎えするための行事です。

歳神様は、それぞれの家庭のご先祖様でもあり、
山や田の神様でもあるため、
子孫繁栄や豊作をもたらしてくれる新年の神様なのです。

歳神様は、元日になると日本のそれぞれの家庭にやってきて、
これから一年の幸せや実り、生きる力を授けてくれると考えられていました。

松の内とは歳神様が家に寄り、
一年の幸福をもたらすべく力を与えて下さる期間なのです。

松飾りとは門松を指しますが、
門松は歳神様が道に迷う事なく家に来るための目印とも、
家に歳神様の滞在を示す印とも言われています。

『松の内』のはじまりは12月13日となっていて、
昔の人は、12月13日に山に入って松を取ってきて、
門松や正月の松飾りを作りました。

この日から門松を飾っても良いとされています。

寒い冬でも青々と葉をつける松の豊かな生命力は、
昔から不老長寿のシンボルとされてきました。

また、松の葉を食べ続けると仙人になることができるとか、
松には魔除けの力があり、神様が降りてくる木として、
縁起のいい言い伝えが数多くあります。

そういった言い伝えもあり、、
平安時代には『松は歳神様を家に迎え入れるための依り代』として、
新年には門松が飾られるようになっていき、現代でもそれが続いています。

この門松を飾っておく期間のことを『松の内』と言い、
家々の門松は、その家族の祖先をお迎えする道しるべとなっているのです。

お正月の松の内にするべきこととしてはいけないことは何?

お正月は新しい年の始まりですが、
松の内の期間には、その新しい年を迎える準備の期間も含まれます。

松の内が始まる正月事始めは十二月十三日で、
その日からお正月の準備(歳神様をお迎えする準備)を始めます。

松の内の期間の元日まで、つまり、年末にするべきこととしては、
大掃除をして家中を綺麗にし、
お餅をついて、歳神様をお迎えする準備をします。

歳神様は新年の日出とともにやってこられるので、
それまでに歳神様をお迎えする準備が出来ていないといけません。

松の内が始まる正月事始めの十二月十三日では、まだ早い気がしますが、
年末は何かと忙しく、気が付くとすぐそこにお正月が迫っています。

お正月のお餅つきも、
あまり早すぎるとお餅が硬くなってしまうので、
25日から28日までに行うところが多いようです。

二十九日に餅をつくのは『苦餅』
三十一日に餅をつくのは『一夜餅』として避けられています。

★お正月の松の内にするべきこととしてはいけないこと

・門松の飾り付け

門松の飾り付けは、12月13日からやってもいいのですが、
12月29日と12月31日には飾り付けをやってはいけません。

12月29日は、二重苦と語呂がかさなり、縁起が悪いから
12月31日は、一夜飾りといって神様を疎かにする意味があるから

・しめ縄、しめ飾り

しめ縄、しめ飾りも門松と同じで、12月13日から飾ってもいいのですが、
12月29日と12月31日は飾り付けをしてはいけません。

しめ縄やしめ飾りは、神聖な場所にあるものとして、
「清浄な場所」を意味しますので、
大掃除をして家の中をきれいにしてから取り付けます。

◎門松の飾り付けやしめ縄、しめ飾りなどは、
松の内は飾っておいて、松の内が明けたらどんど焼きで焼きますが、
神社などで『お焚き上げ』されることもあります。

松の内が明けても、いつまでも松飾りが飾ってあるようなところは、
いつまでお正月気分でいるのかと笑われます。

・初詣 新年のあいさつ

以前でしたら、初詣は元日だけでしたが、
最近では松の内があけるまでに行けばいいとされています。

取引先などに新年の挨拶をする場合は、
できるだけ元日は避け、
それ以降の松の内まで、というのが一般的な慣習となっています。

・年賀状

年賀状は、松の内であればいいとされていますが、
1月8日~2月3日は「寒中見舞い」の時期になりますので、
なるべく1月7日までに届くようにしましょう

・寒中見舞い

寒中見舞いを行う期間は一般的に、
1月5日ごろの寒の入りから立春にかけてになります。

年賀状とは全くの別物ですので、
松の内に寒中見舞いがくるのはかえって無礼に当たると思う人もいるようです。

寒中見舞いであれば、松の内ではなく、
1月15日以降の立春までに出すのが良いと思われます。

★昔からの言い伝え

『年越しそばは年を越してからは食べてはいけない』
年越しそばは、年内に食べてしまわないといけないのです。
食べる意味に「災厄を断ち切る」とありますので、
年を越して食べると災厄も新しい年に持ち込んでしまうのです。

『歳神様をお迎えした新年に台所を騒がせてはならない』や、
『火の神である荒神を怒らせないために、正月に火を使わない』など、
平安後期からの風習のためだそうです。

『正月三が日は掃除をしない』
この風習は、
掃除をすると舞い込んできた福が家の外に出ていくからだとする説や、
主婦が三が日ぐらいは家事をしなくても良いようにという説があるようです。

『おさい銭以外のお金を使ってはいけない』
お正月は気も大きくなって散財するなどの浪費を防ぐもの。

『お正月はケンカをしてはいけない』や、
『お正月は無駄な殺生をしない』など、
お正月でなくても慎むべきものもあるようです。

あとがき

松の内が明けたら、お正月気分もおしまいです。

気を引き締めて、新しい年の目標に向かって邁進しましょう!

毎年そう思って、もう何十回・・・・

人生のカウントダウンが始まる前に、
今年こそ!ことしこそ!コトシコソ!
もうひと頑張りしてみます。