ねぶたってどのようにして作るのか
どんな人が作っているのか 気になりますよね
あんな凄いものを作るのですから・・・
青森ねぶたの山車は もともと町内会等の運行団体の中で
手先の器用な ねぶた好きの人たちの手によって制作されていました
仕事もそっちのけでねぶたを作るのは道楽以外の何ものでもなく
こういう人たちを「ねぷたこへ」(こへ=こへる・拵える~作るの意味)といいました
ねぶたの制作技術が次第に高められていくに従って
ねぶた制作者は固定化 専門化していき
いつしか「ねぶた師」と呼ばれるようになっていきました
ねぶた師が作る ねぶたの山車
その制作工程をご紹介します!
ねぶたの山車 作り方の制作工程は?
ねぶた師は下絵(設計図) 全体の構造 色彩等を決めるねぶたの専門家です
制作にあたる人数は ねぶた師を中心に 電気・紙貼りなどで延べ300人にもなります
その中でも極めて高い技術でねぶたを制作し続け
ねぶた祭の振興に貢献してきたねぶた師を「ねぶた名人」と言います
ねぶたの制作日数は約3ヶ月かかります
ねぶた小屋内での制作は5月半ばからとなりますが
細かい部分はその前から手がけます
ねぶた師は祭りが終わると次の日から来年の構想を考え始めます
その年の終わりには具体案ができ
制作の依頼側と話がつき次第 顔や手足の制作が始まります
小屋に入ると急ピッチで作業が進み 追い込み時には徹夜の連続で
祭りの数日前ギリギリでようやく完成します
ねぶた師は一年中ねぶたのことを考えていると言っていいかもしれません
そんなねぶた師の方々が ねぶたの山車を作る時の制作工程をご紹介します
・題材と下絵
まず テーマとなる題材を決めます
歴史的な物語などをモチーフにして構想を練り
その構想がまとまると鉛筆で下書きをして色を付けます
下絵はねぶたの設計図なので 十分に時間をかけて書いていきます
・小屋がけ
ねぶたを作るためと 完成後の収納の為に ねぶた小屋を作ります
小屋の大きさは 間口約12m 奥行12m 高さ約6~7m位です
・細部の下ごしらえ
下絵に沿って 各パーツごとに
顔・手・足・刀・槍などの細部をあらかじめ作っておきます
割り出しには 比例式で寸法を計算します
小屋がけが始まる寸前まで作業が進められます
・骨組み
いよいよ本格的なねぶたつくりの始まりです
最初に 角材で支柱を作り 針金や糸を使って紙が貼れるように形を作っていきます
昭和30年頃までは 針金を使わず竹を組んで骨組みを作っていました
・電気配線(照明)
昔はろうそくを使っていましたが 今は専門の配線工にお願いして
組みあがった支柱の中に 配線を施します
ねぶたの配線に20w~100wまでの電球や蛍光灯を 約800~1000個ほど取り付けます
電飾に使う電源は発電機を使います
・紙はり
出来上がった骨組みに奉書紙を貼っていきます
のりとしてボンドを使い はみ出さないように貼るのが難しいとされています
ねぶたの凹凸に沿って紙が貼られていくと 立体感が現れ
ここまでくると随分ねぶたらしくなってきます
・書割(墨書き)墨で形をとる
白いねぶたに墨で顔や手足、襟、帯、着物の柄などの輪郭を描き分けていきます
迫力を醸し出す強い筆さばきで描き分けていくのです
・ろう書き
表現に合わせて パラフィンを溶かして模様を付けます
表面に明るさを付けるとともに 色のにじみを防ぐための作業です
・色付け(彩色)
ねぶたの線書きの内側 残った白いところに色を付けていきます
染料と水性顔料を使い 筆書きまたはスプレーで染色します
これでねぶたの本体は完成します
・台上げ
装飾の施された高さ2mの車付きの台に 40~50人がかりでねぶたを上げる
壊さないように細心の注意を払い設置します
これで全体の高さは5m位 製作者たちの感激の一瞬です
5月上旬~ねぶた祭終了まで
「青森県観光物産館アスパム」うら「青い海公園」の一角に
ねぶたを制作・収納するためのねぶた小屋「ラッセランド」を作ります
入り口が開いている小屋については 自由に見ることはできます
ただ小屋の中に入るのは 制作している人に一声掛けてからにしましょう
また
ラッセランドでは7月上旬~8月6日まで
ねぶたガイドによる解説付きの見学ができます
青森市文化観光交流施設 ねぶたの家 ワ・ラッセ周辺地域の詳しい情報はコチラで!
ねぶたの山車の制作費 そのお値段は?
ねぶたの制作にかかる日数は約3ヶ月ほどです
とは言え ねぶた師の方たちは一年中
寝ても起きてもねぶたのことを考えているようですから
頭の中ではず~っと制作期間ということですね
そのねぶたの制作費用は 一台を作るのに約2000万円位かかるということです
総額約2000万円 そのうちね ぶた師の報酬は約400万円で
その大半を材料費 人件費(電気関係・紙貼り等)に費やします
ですから ねぶた師は本当にねぶたが好きでないとできませんね
また それだけ手間暇かけて お金もかけて山車を作るのですから
ねぶた祭りが盛り上がるのは当然のことですよね
ねぶたが終わると、ねぶたは1度壊します
ねぶた師はひと段落したら 秋ごろに次の年のねぶたの絵のレイアウトを考えます
そして冬から春にかけては山車を組み立てたり
骨組みをつくり 骨組みに紙を貼って絵を書き
色を塗ったりと本格的な作業をしますので
ねぶた祭り本番以外はねぶたを作っているんですね
各団体によって異なりますが ほとんどのものは解体されます
「ねぶたの家ワ・ラッセ」他地域での催しで展示されるもの等
引き取り先が決まっているものはそれぞれ引き取られて行きます
また
その団体の自社のPR用として活用されることもあります
ねぶたの山車 大きさと題材として使われているモチーフは何?
ねぶたの山車の大きさは目を見張るものがあります
台車の高さが約2m
大きさはそれを含めて 幅9m・奥行き7m・高さ5mの制限があります
重さは台車も含めて4トンもあります
台車自体は 大型車両の車軸・タイヤを活用し
発電器を収容するスペースを配置して作られています
代表的なねぶたと言えば 青森ねぶた・五所川原立佞武多・弘前ねぷたが有名です
それぞれのねぶたによって 題材となるテーマが違い
用いるモチーフも独特なものです
・青森ねぶた祭りの山車の大きさは 高さ5m 幅9m 奥行7mの規定があり
その重さは4トンもあります
ねぶたの山車に乗っている形は 人形型で
題材としては 歌舞伎の狂言に出てくる役柄や
歴史上の人物 神話や伝説上の人物などがモデルとされることが多いです
青森ねぶたの祭りに作られた人形型は
『ねぶたの里・ねぶたの家ワ・ラッセ』という展示施設に展示されます
・五所川原立佞武多の形は人形型ですが
中国の歴史上の人物や
今話題のアニメの主人公を題材にしたものなどが人気を集めています
巨大な立佞武多は 高さが22m 幅・奥行ともに8m 重さ17トン
迫力満点です
五所川原立佞武多の山車の数は 大小合わせて約20台
立佞武多の館に展示されています
・弘前ねぷたには扇ねぷた(扇型)と組ねぷた(人形型)があって
大きいものは高さが9mほどのものもあり
総数約80台というの県内最多のねぷたが運行されるのです
弘前ねぷたの形は 扇形と人形型ですが
どちらかといえば扇形主体で
表面の鏡絵や人形の部分では
中国物として三国志・水滸伝・漢楚軍談・呉越軍談等
また和物としては源平盛衰記・津軽為信などがありますが
時として世相を風刺したようなものも登場するようです
その大きさは 高さが5m~9m
幅が6m 奥行は4m 重さは3トン
山車の数は80台 そのほとんどは扇型で人形型は6台
「津軽藩ねぷた村」に展示されています
それぞれのねぶたは 制作される地域によって特色があります
その地域のねぶた師の方々が 毎年趣向を凝らし
人々に感動を与えられるねぶた作りに命を懸けているといっても過言ではありません
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まとめ
ねぶた祭りに 莫大なお金をかけ 時間もかけ
趣向を凝らし作られるねぶたの山車ですのに
ねぶた祭りが終わったら壊してしまうなんて
作っている人にとって
ちょっと悲しいのではないかと思いますが
祭りが終われば消えてしまう
なんだかそこにねぶた師の美学があるようにも感じます