通夜や葬儀の手順はどのように執り行われるのでしょう?
現在、葬儀の様式も多様化していて、
無宗教による葬儀も執り行われるようになってきていますが、
日本ではやはり、仏教式の葬儀が多いようです。
仏教式で執り行われる、通夜や葬儀、告別式について、
一般的な手順の式次第をまとめました。
同じ仏教式でも、宗派によって、
通夜や葬儀の流れなど、手順が異なることがあります。
通夜の流れの手順
仏教式の葬儀の場合、通夜を行うのが一般的です。
通夜は、葬儀の前に家族や近親者が、
故人との最後の別れを惜しむことを言います。
僧侶に枕経と呼ばれるお経を上げていただき、
灯明や線香を絶やさないようにしながら、
故人の思い出を語り合います。
しかし、最近では弔問客が訪れることが多くなったことから、
式次第に準じた式を執り行うことが一般的になっています。
【通夜の式次第】
①受付開始
玄関を開けたままにして、式の三十分前には受付を開始します。
喪主と遺族は前もって着席しておき、
弔問客の挨拶を受けます。
僧侶が到着されましたら、控えの部屋に案内し、茶菓でもてなします。
②喪主・遺族・会葬者着席
喪主と遺族は、弔問客の出迎えはせず、
着席したまま弔問を受けます。
③開式
④僧侶入場
会葬者は黙礼して僧侶を出迎えます。
場合によっては僧侶から簡単な挨拶があります。
⑤読経と焼香
僧侶の読経を静かに拝聴し、
喪主から遺族、親族、世話役代表と続き、
一般弔問客の順にお焼香をします。
⑥僧侶退席
会葬者は黙礼して僧侶を見送ります。
僧侶をもう一度控えの部屋へ案内し、
茶菓でもてなします。
⑦喪主挨拶
喪主が遺族や親族を代表して、会葬者へご挨拶します。
喪主の代わりに遺族や親族の代表、
または世話役代表がご挨拶する場合もあります。
⑧通夜ぶるまい
通夜が終わると『通夜ぶるまい』という、
弔問客への飲食の接待がされます。
葬儀の手順 告別式との違い
葬儀と告別式は、似たような意味で使われていますが、
本来は別々に執り行われるものです。
葬儀とは、遺族や近親者が、故人の冥福を祈ったあと、
故人が無事に成仏できるように、僧侶が弔う儀式です。
告別式は、故人と親交があった友人や知人が、
最後のお別れをする儀式で、
お焼香という形で行われます。
しかし、最近では、
葬儀と告別式を一緒に行う場合が多くなっています。
また、葬儀は遺族や近親者だけで密葬を行い、
お別れの会や告別式を、違う日に改めて行うこともあります。
葬儀から告別式を一緒に行う場合の式次第は、
宗派や喪主の立場、
式の規模によって多少異なってくる場合があります。
【葬儀から告別式を一緒に行う場合の式次第】
①受付開始
開式の三十分前には受付を始めます。
②喪主・遺族・会葬者着席
開式の十分前には、通夜の時と同じように着席する。
③開式
④僧侶入場
会葬者は黙礼をして僧侶を迎える。
⑤読経
読経を静かに拝聴する。
⑥僧侶による焼香
⑦弔辞、弔電の奉読
あらかじめ依頼しておいた弔辞を奉読してもらう。
また、届いた弔電の紹介がある。
⑧遺族や近親者の焼香
席次の順に従って焼香する。
⑨一般参列者による焼香
席次の順に従って焼香する。
⑩僧侶退場
⑪閉式
喪主または世話役代表のあいさつ、その後 出棺
通夜や葬儀でのお焼香とは、立礼焼香・座礼焼香・回し焼香の仕方
焼香は、死者を弔うために香(線香や抹香)を焚く、
仏式葬儀の儀礼の一つです。
お香には、その香りで邪気を祓い、霊前を清める意味があり、
焼香する人が冥福を祈る気持ちを込めるものです。
棒状になっているものを線香と言い、
粉末状のものを抹香と言います。
一般的な弔問では線香をあげることが多いのですが、
通夜の読経のあとや、葬儀・告別式・法事の際に、
僧侶の読経のあとの焼香は、抹香を用いることがほとんどです。
焼香には三つの方法があります。
【立礼焼香】
①房が下になるように数珠を左手に持ち、
焼香台に向かって進む前に、自分の後に焼香する人に、お先にと一礼、
向き直して遺族や僧侶に一礼をしてから焼香台へ進みます。
②焼香台の手前で立ち止まり、遺影と位牌を見つめてから、
焼香台の前まで進み合掌します。
③右手で抹香を 親指・人差し指・中指の三本でつまみ、
少し頭を下げるようにして、目を閉じながら額の高さに捧げます。
④抹香を香炉の中に静かに落とします。
宗派によって一~三回と、焼香の回数は異なりますが、
会葬者の人数が多いときなどは、一回だけ丁寧に焼香して、
後の人に譲ります。
⑤焼香が済んだら合掌して、
その後、遺影の方を向いたまま少し後ろへ下がり、
僧侶や遺族に一礼をし自席に戻ります。
【座礼焼香】
基本的には立礼焼香と同じ方法で焼香します。
和室などの場合に、立ち上がらずに、
焼香台まで移動(膝行)する場合があります。
【回し焼香】
香炉と抹香をお盆に載せて、
参列者の間を回してお焼香する方法です。
回し焼香では、参列者は自席に座ったままで焼香することになり、
焼香の順番は前の方に座っている親族から回すようにします。
①前の人からお盆が回ってきたら、軽く一礼をして受け取ります。
②次に回す人に向けて、お先にと軽く会釈します。
③自分の膝の上、または膝前にお盆を置いて焼香します。
④焼香が済んだら合掌します。
⑤軽く一礼しながら、次の人にお盆を渡します。
あとがき
お通夜と告別式のどちらに参列するとよいのか迷うことがあります。
最近では、お通夜と告別式の意味合いは曖昧になってきているので、
遺族の意思を配慮した上で、
どちらに参加するかを決め方が良いのかもしれませんね。