土用の丑の日に鰻を食べる習慣はいつから? 食べ方の種類と梅干しとの食べ合わせは?

グルメ

2019年 今年の土用の丑の日は、
7月27日(土)です。

土用の丑の日は、年に2回ある年もありますが、
今年は1回だけです。

陰陽五行説に基づく土用の期間は約18日間あり、
その中の丑の日ということで、

土用の期間は、春、夏、秋、冬と、年に4回あるのですが、
ココでいう土用は夏の土用のことです。

暑い時期を乗り切るために、
栄養価の高いウナギを食べるという習慣は、
万葉集にも詠まれている古いものです。

土用の丑の日に、ウナギを食べる習慣となったのは
文政5年
当時の話題を集めた『明和誌』(青山白峰著)によれば
安永・天明の頃よりの風習であるということです

  

土用の丑の日にうなぎを何故食べるようになったのか

土用といえば
夏の土用の丑の日を思い浮かべますが、
この日は昔から、
梅干し・うどん・うりなど、
「う」のつくものを食べて夏バテ防止をする風習があり、
「う」のつく「うなぎ」は、
まさに疲労回復効果抜群の食べものとされていました。

しかし、
日本における疲労研究の第一人者、
大阪市立大学大学院特任教授の梶本修身氏によれば、

栄養価の高いものを食することが当たり前になった現代において、
エネルギーやビタミン等のの栄養不足が原因で、夏バテになることは考えにくく、

夏バテ防止のためにうなぎを食べるという行為は、
医学的根拠に乏しいとされ、効果があまりないとしています。

しかし、暑くて食欲不振の時でも、うなぎなら食べたくなるかも、、、、

夏バテしそうな時は、ガッツリ栄養のあるものを食べて、
元気になりたいですよね!

栄養をつけるのなら 肉でも卵でもよかったわけですが、

なぜ
土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのか、
その由来にはいろいろな説があります。

・平賀源内(ひらがげんない)説

この説が最も知られているのですが、
江戸時代 平賀源内はうなぎ屋の知人から、
夏に売れないうなぎを売る方法はないかと相談を持ちかけられました。

平賀源内は、
「丑の日に『う』の附くものを食べると夏負けしない」という、
民間伝承からヒントを得て、

『本日丑の日』と書いて店先に貼ることを勧めました。

すると、

物知りとして有名な平賀源内のいうことであればと、
うなぎ屋は大繁盛!

他のうなぎ屋もまねるようになり、
土用の丑の日にうなぎを食べる風習が定着したといいます。

・大田南畝(おおたなんぽ)説

同じような説に、
江戸後期の狂歌師・戯作者である大田南畝が、
「神田川」といううなぎ屋に頼まれ、
「土用の丑の日に うなぎを食べたら病気にならない」
という内容の狂歌を作って宣伝したという説もあります。

・春木屋善兵衛(はるきやぜんべえ)説

文政年間
神田泉橋通りにあるうなぎ屋「春木屋善兵衛」のところに、
大名から大量の蒲焼が注文され、
「子の日」「丑の日」「寅の日」の三日間で作って保存しておいたところ、
「丑の日」に作ったものだけが、
悪くなっていなかったからという説です。

・丑=うなぎ二匹説

ひらがなで墨汁を使って毛筆で書いた「うし」という文字が、
まるで2匹のうなぎのように見えたからという説!

この4つの説
正しいのかどうかは明らかではありませんが、
どれも皆もっともらしくて面白い話です。

商売の策略に、うっかり乗せられた感が強いのですが、
今でもそういったビジネス戦略はたくさんあります。

とにかく夏を元気に過ごしたいという思いは、
昔も今も変わらないということですね。

土用の丑のうなぎの食べ方の種類 関東風と関西風の違い

土用の丑の日には、テレビなどのメディアで、
街のうなぎ屋さんが賑わう様子を盛んに放送します。

そうすると、どうしても土用の丑の日には、
うなぎを食べなければいけないような気分になって、
やっぱり、うなぎを食べたくなるのですね。

うなぎを食べる時は、ほとんどの場合、うなぎをかば焼きにしますが、
そのうなぎの調理法、 関東と関西ではまったく違っているのです。

関東風のうなぎは、頭を取って背開きにし、
素焼きにしたあと、
それを蒸してから再び焼きます。

関東風のうなぎはそのために柔らかく焼き上がるのが特徴です。

背開きにすると、串を打って蒸すときに、
身の厚い背に串がさせて安定するという利点もあり、
調理法としても理にかなっているようです。

江戸時代、武家社会の関東では、
腹開きにすることが「切腹」に繋がるとして、
忌み嫌ったということです。

それに比べて、
関西風のうなぎの料理法は、
うなぎの頭はつけたままで腹開きにし、
炭火でじっくり焼き上げます。

そのために関西風のうなぎは、
パリッと香ばしい焼き上がりになります。

商人社会の関西では、
「腹開き」をするということを、
腹を割って話せると解釈して、
好としたという説があります。

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うなぎと梅干しの食べ合わせはホント?

土用の丑の日だけでなく、
うなぎを食べる時、一緒に梅干を食べると、、
「うなぎと梅干は食べ合わせが悪い」のでお腹を壊すといわれてきました。

医学的には、
梅干は胃酸を濃くして、うなぎの油分の消化を助けるので、
一緒に食べることは逆に好ましいと言われます。

ですからこの言い伝えは単なる迷信だったようです。

しかし、
なぜそのような迷信が生まれたのでしょうか。

これには発想力豊かな諸説があります。

・贅沢の戒め説

梅干は胃酸を分泌させ、食欲を増進させます。

それで高価なうなぎをたくさん食べられるようになるので、
贅沢を戒めるために生まれたのではないか、という説。

・過食の戒め説

うなぎも梅干も食がすすむ食材です。

脂っこいうなぎも梅干を食べながらだと、
つい食べ過ぎてしまうので、
食べ過ぎを防ぐ意味ではないか。

・栄養の消失説

梅干には、脂っこい食物をさっぱりさせる性質があるので、
体内でうなぎの栄養分が消されてしまうのでは…と心配したため。

・食中毒の予防説

うなぎが腐っていたら酸味を感じるだろうけれど、
梅干を一緒に食べると、
梅の酸味のせいでうなぎが腐っていることが判らないため、という説。

いろいろと考えるものですね

食べ合わせの言い伝えの中には、
食べ物を大切に考えた昔の人の知恵がたくさん詰まっています。

うなぎは高タンパクで、
ビタミンA・B群が豊富に含まれているスタミナ食ですから、
夏バテ防止には最適だと思われますが、
カロリーもとても高いので、
メタボな方はちょっとお気を付けください!

まとめ

土用の丑の日に食べるうなぎ。

あの ニョロニョロした蛇の様なうなぎを、
初めて食べた人は勇気ある人ですね。

ところで 
うなぎはなんでウナギと呼ばれるようになったのか?

ウソかマコトか、二つのダジャレです。

落語のマクラに、
ウナギを食べる習慣がなかった頃、
小料理屋のおかみがウナギ料理を出したところ、
案外美味だったので、
「お内儀もうひとつくれ!おないぎ!おなぎ!うなぎ!」
となったというダジャレ。

もうひとつは、
「薬缶」と題する江戸小咄に、
「鵜が飲み込むのに難儀したから鵜難儀…うなんぎ…うなぎ」
となったというダジャレです。