福の神の七福神とは、
どういう神様のことを言うのでしょうか?
そして七福神には何という名前の神様がおられるのでしょう。
その読み方は難しいですし、
名前の意味や、どのようなご利益をもたらされてくださる神様なのかも
わかりづらいようです。
日本に古くから伝わる神話は奥が深いですが、
興味を持ちだすとなかなか面白いお話しが多いようです。
福の神の七福神とはどんな神様?
福の神という言葉から、
まず最初に思い浮かべる神様はえびす様ではないでしょうか。
そうはいってもえびす様という神様がどのような神様なのか、
知っているようで知らない方も多いと思います。
えびす様がどこで生まれたどんな神様なのか、
知っておくとますます運が開けると思いませんか?
そもそもえびす様は、
福の神とされている七福神の一柱なのです。
えびす様は、日本古来に伝わる最強の開運の神様です。
柱というのは神様の数え方ですから、
七福神とは、七つの柱からなっている神様だと言えるのです。
日本古来の、土着信仰である神道では、
『八百万の神々』というように、たくさんの神様がおられます。
伝承の中では、ほかの神仏と混じった神様もおられれば、
人や動物、植物など、様々なものから神格化された神様もおられます。
七福神はそうした八百万の神々をはじめとして、
福の神が民俗的にも広く七柱集められたものなのです。
その起源にはさまざまな説があるのですが、
室町時代、
中国の水墨画(竹林七賢図)にならったのが始まりなどとされています。
現代風に言うなれば、
『福の神ベスト7』といったところでしょうか。
長い歴史の中で、一部の御顔ぶれを入れ替えながら、
江戸時代には今の御顔ぶれに落ち着いたようです。
福の神の七福神は何という名前の神様で読み方や意味は?
七福神とは、
大黒天(だいこくてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、恵比寿天(えびすてん)、
寿老人(じゅろうじん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、
弁財天(べんざいてん)、布袋尊(ほていそん)の七つの神様の総称です。
「七難即滅、七福即生」の説に基づくように、
七福神を参拝すると七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かると言われています。
七福神の信仰は、室町時代の末期のころより生じ、
当時の庶民性に合致して民間信仰の最も完全な形となって育てられてきました。
特に農民、漁民の信仰として成長し、現代に今も生き続けてきたのです。
恵比寿(えびす)
えびす様は、古くから大漁追福の漁業神で、
商売繁盛や五穀豊穣などをもたらす福の神です。
七福神で唯一日本由来の神様です。
右手に釣竿を持ち、左わきに鯛を抱え、ふくよかな笑顔をたたえるえびす様
大黒天(だいこくてん)
大黒天様は、
インドのヒンドゥー教シヴァ神の化身マハー(偉大な)カーラ(黒)を意味し、
五穀豊穣や財福を司る神様です。
左肩に大きな袋を背負い、右手に打出小槌を持ち、米俵の上に立ちいかにも福々しい
毘沙門天(びしゃもんてん)
毘沙門天様は、インド神話の財宝神クベーラが前身のヴァイシュラヴァナ。
財福や無病息災、勝負事にご利益があるとされる神様です。
憤怒の相に唐の武人装束をまとい、
左手に宝塔、右手に金剛棒(あるいは三叉戟:先が三つになった槍)を持ち、
二体の邪鬼を踏みつけている姿で表わされ、古くから武人たちの厚い信仰を得ている。
弁財天(べんざいてん)
弁財天様は、七福神の神様の中で、唯一紅一点の神様で、
元はインドのヒンドゥー教の女神サラスヴァティー。
音楽・弁才・財福・知恵に徳のある天女様です。
琵琶を弾く妖艷な姿で現される弁財天(弁才天とも書く)は
福徳・諸芸能上達の神として広く信仰されている。
福禄寿(ふくろくじゅ)
福禄寿様は、宋の道士の天南星の化身。または、南極星の化身。
実子に恵まれる福や、財産、健康を伴う長寿をもたらす神様です。
背が低く、長い頭に長い髭、巻物を結んだ杖を持ち、
長寿のシンボルともいえる鶴を伴っている。
寿老人(じゅろうじん)
寿老人様は、道教の神仙で、南極老人星(カノープス・寿星)の化身。
不死の霊薬を含む瓢箪を運ぶ。
白鬚明神とも称されている神様です。
背は低く、身の丈三尺(約90センチ)といわれ、
長い頭に長い白髭、巻き物をつけた杖を持ち、鹿をつれている姿で描かれる。
布袋(ほてい)
布袋様は、唐の末期の明州に実在したとされる仏教の禅僧。
常に背負っている袋から財を与え富貴繁栄を司る神様です。
大きくふくれた腹をしており、いつも手に杖を持ち、大きな布袋を背負い、
背は低く、額や鼻にしわを寄せ、満面に笑みを浮かべた姿は愛嬌があったようだ。
七福神 商売繁盛や金運アップ 開運のご利益は?
この七福神の中でも、
福の神として格別なのが、えびす様と大黒天様です。
えびす様は、大漁追福の漁業神、
大黒天様は五穀豊穣の農業神の側面を持ち、
ともに食物と財福を司ることから、
二福神としてとりわけ熱く信仰され、像や絵図にもなっているのです。
えびす様と大黒天様は、謂わば福の神の筆頭であり、
二大開運神と言える存在なのです。
漁業と農業は商業にも結び付き、
健康や財にも関係が深い存在です。
えびす様と大黒天様は、二福神として錦絵のような絵画や像となっており、
金運効果の象徴とされています。
一方、神道では海外由来の神様も、
神仏習合して信仰され祀られています。
七福神も神道に根差した日本独自の信仰ですが、
より広くから神々を集めているため、
六柱まではインドや中国に由来する神様です。
しかし、ただ一柱、インドにも中国にもない日本の神様がおられます。
それがえびす様なのです。
七福神の中でも、
日本の土地や自然、そして日本人の心に最も通じている福の神様だと言えます。
七福神は、龍の背中の宝船に乗る姿がよく描かれています。
龍も、日本では九頭龍伝承に見られるように、
水を司り、心願成就の強い力を持つところがえびす様にも通じます。
その宝船で右手に釣竿を持ち、左わきに鯛を抱え、
ふくよかな笑顔をたたえるのがえびす様で、
『えびす顔』という言葉があるように、福をもたらす象徴的な神様なのです。
ただ、このえびす様について、
『恵比須』と書かれたり『恵比寿』と書かれたりします。
書き方だけでなくえびす様には、
事代主神伝説と蛭子伝説という、二つの大きな伝説が伝わっています。
事代主神伝説は、えびす様が大国主神のこどもであるという説。
大国主神は大黒天ということですから、
七福神のえびす様と大黒様は親子だったとする説です。
もう一つの蛭子節は、
えびす様は、
伊弉冉(イザナミ)伊弉諾(イザナギ)の子供・蛭子大神(ヒルコオオカミ)だとする説です。
となれば、えびす様は、天照大神や素戔嗚尊の兄弟だという説です。
日本全国にはえびす様をお祀りするえびす神社が3300社以上あるということで、
神社によってそれぞれの説を提唱しています。
あとがき
福をもたらす神様というならば、
仲良くさせていただきたいと誰もが願うと思いますが、
『笑う門には福来る』というように、
恵比須様みたいにいつもニコニコしていれば、
福の神様にもお近づきになれるのではないでしょうか。
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