厄年のお祓いはしないといけない?お守りやお参りするだけではいけないの?

通過儀礼

厄年には何故、
厄除けのお祓いを受けなければいけないと言われているのでしょうか。

そもそも厄年とはどんなもので、
厄年に厄除けのお祓いをする意味は何なのでしょうか。

厄年にお祓いを受けないで、お守りを買ったり、
お参りするだけではいけないのでしょうか。

また、男性と女性とでは厄年の年齢も違いますが、
厄年の年齢が男女でなぜ違うのかなどをまとめてみました。

  

厄年のお祓いはしないといけない?

厄年に厄払いのお祓いをしないといけないのかというと、
「別にそんなことはない」という答えになってしまいます。

しかし、
「厄年にお祓いをしなくてはいけないのかなぁ~?」と思った時点で、
厄年のことが気になっているということですから、
それならば厄年のお祓いへは行っておいたほうが良いと思います。

「自分も厄年になったんだ」と感じた時に、
厄年のお祓いを済ませておけば、
「厄年にはお祓いをしなくてはいけないのかなぁ~?」と、
いつまでも思い悩むことはなくなります。

「厄年のことなど全然忘れていた」と、あとになって気づいた人は、
厄年でも何にも悪いことが起きなかったのなら、
それはそれでよかったことなのです。

でも、もしも何か良くないことが起こってから、
「厄年のお祓いをしておけばよかった」
なんて悔やむことがあるかも知れないと思うのなら行っておくべきですね。

ただ、厄年というものが単なる迷信で済まされるものなら、
こんなに昔から人々が厄年について考えたり、
思い悩むこともなかったことだと思います。

やはり昔からの言い伝えや風習には、
長い時間に蓄積された、
データーとも云うべき理由があるのではないでしょうか。

テレビのニュースを見ていて、
「ええっ!あの人、事故に遭ったの?そういえば厄年だったよね!」
そんなこと言った覚えはありませんか?

事故や事件のニュースで報道される被害者の年齢を見ていると、
厄年の人を多く見かけるのは思い過ごしでしょうか。

事故や事件だけでなく、病気になる人の年齢も、
厄年の前後という人が多いように感じますが、
これこそ迷信というより、
この年代、この時期に、体が変調を来していることは間違いありません。

人間の体は生身ですから、
厄年でなくてもいつ何が起きるかわかりません。

ですが、人の人生には節目と言われるものがあって、
その節目には、いつも以上に気を引き締めて行動をするよう注意喚起し、
厄年もその一つで、生きているということを大切に感じる時だと思います。

ですから、厄年のお祓いが必要かどうかというより、
厄年にお祓いをすることで、
生きていることを見つめ直す、良いきっかけとなるのではないでしょうか。

厄年のお祓いに、
神社で御祈祷していただくことを進めているのではありません。

『厄年』ということを自覚して、
その人生の節目に立ち向かう勇気を確認することが、
『厄年のお祓い』の意味なのかも知れません。

厄年のお祓いをしないでお守りやお参りするだけではいけないの?

厄年だからって、普段見向きもしなかった神社で、
厄年のお祓いをしてもらおうなんて、虫が良すぎやしませんか?

常日頃から信仰心の強い人は別として、
けっこう日本人は神仏をご都合よく取り扱ってますよね。

お正月にはリクレーションとして初詣に出かけ、
初詣のグッズとしてお守りを買う、
法事や葬儀は仏式が多く、クリスマスにはパーティーをして騒ぐ。

こんな不節操な輩が、いまさら御祈祷を受けて守ってもらおうなんて、
都合よすぎませんか。

厄払いのお祓いを受けたいと神社仏閣に出向けば、
御祈祷料を払えばお祓いを受けることはできます。

でも「お祓いを受けたのにこんな目に遭った」なんて、
神様に文句を言うことはしませんよね。

起こった出来事の結果を人のせいにするなんて、
ましてや神仏のせいにしてはいけません。

悪いことをした報いで苦しんでいる人に、
『因果応報』だと言ったりしますが、
これは良いことも悪いことも、自分が受ける結果のすべては、
自分の行いにあるのだという仏教の教えにある言葉です。

「バチが当たった」と言ったりもしますが、
バチが当たったと感じる時は、その原因に心当たりがあるわけです。

お守りを買ったからと言って確実に守られているということはなく、
お参りに行ったからと言って、たくさんのご利益を望むのも、
チョット違っていると思います。

お祓いをしていただいた、
お守りを授与していただいた、
神仏をお詣りした、
・・・それはあなたの行動で、
その行動を起こした心の動きを見つめなすことができれば、
厄年に対する考えも違ってきませんか?

厄年のお祓いだけでなく、
厄年だからとお守りを見につけていることで、
つねに慎重に行動するとか、物事に対して気を引き締めて対応するなど、
気づきのきっかけになるのではないでしょうか。

厄年の厄除けに『お参りに行くだけでいいのか?』
それはその人の心次第。

厄年という人生の節目を自覚する行動が、
厄年のお祓いであっても、お詣りすることであっても、
お守りを手にすることであっても良いのではないでしょうか。

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厄年のお祓い 男性と女性で厄年が異なるのはなぜ?

ご存知のように厄年とは、
一生のうちで災いや災難に遭う恐れが多いと言われる年齢のことです。

男性と女性ではこの厄年が異なり、
数え年で男性が25歳、42歳、61歳、
女性が19歳、33歳、37歳が厄年とされています。

これらの年を『本厄』といい、
本厄の前の年を『前厄』と呼び、あとの年を『後厄』と言います。

また、とくに男性の42歳、女性の33歳は、
もっとも危険な『大厄』とされています。

昔から厄年には神社にお参りをして厄払いをする風習があり、
現在でも厄年を気にして、厄除けの祈願をする人は多いのです。

「そんなのは迷信だよ!」という人もいますが、
そもそも、
厄年とはどういうことから信じられるようになったのでしょうか。

厄年の起源は中国の陰陽道に由来したある信仰の一つです。

迷信と言ってしまえばそれまでですが、
これがなかなかどうして、
生理学的に見ても、もっともな部分があるのです。

たとえば、男性の厄年の25歳は、
青春時代から心身共に大人になる活動的な年齢です。

この頃は怖いもの知らずで、
何事にも立ち向かう傾向にあります。

そんなときは、不意の事故にも遭いやすいものなのです。

また、42歳は中高年への過渡期であり、
働き盛りと言える時期の当たります。

社会的にも責任が増えて、
精神的、肉体的な疲労度が増してくる年齢になります。

さらに61歳は、老年期を迎えるときとなり、
肉体的には長年の疲れが出てきて、
生活習慣病などを発症しやすい時期でもあるのです。

女性の厄年の場合はどうでしょうか。

19歳という年齢は、
昔であれば結婚して、子どもを産む年頃です。

出産を控えて、体調を崩しやすくなるので、
健康に注意しなくてはいけないということになります。

33歳は子育ても終わり、ひと息つく頃ですが、
そうしたときこそ、体調を崩しやすいので健康に留意すべき時なのです。

37歳は昔なら中年に入り、更年期に差し掛かるころで、
ホルモンの分泌も低下してくるので、
体調管理を怠らないようにということになるわけです。

男性も女性も、
厄年はさまざまな要因で体調の変化を生じやすい年齢と言え、
さらに、社会的にも大きく環境が変わる時期と重なっています。

男性と女性の違いに応じた別々に年齢を設定して、
注意を喚起する年齢が厄年ということで、
厄年は迷信とかではなく、なかなか理にかなったものなのです。

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あとがき

“厄”とは何かを調べると、わざわいや苦しみと書かれています。

ですから、
厄年はわざわいや苦しみが起こる年ということなのでしょうか。

できることなら苦しみたくないですし、
わざわいとは遭遇したくありませんね。

でも、はじめから厄年はわざわいや苦しみが起こる年と覚悟して、
リスク管理や危機管理を万全にしておけば、
わざわいや苦しみも少なくて済みます。

厄年のお祓いや御守も、
心のリスク管理の一つかも知れませんね。