施餓鬼会の意味と由来とは?塔婆代とお布施の相場はいくらで別にするもの?

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お盆にご先祖様を供養する盂蘭盆会ですが、
その時、施餓鬼会の法要を行うことがあります。

この施餓鬼会にはどういう意味があって、
何から由来するものなのでしょうか。

施餓鬼会の法要とはどういうもので、
施餓鬼会の塔婆代とお布施の相場はいくらするものなのか、
また、
塔婆代やお布施はどのように納めればよいのかをまとめました。

  

施餓鬼会の意味と由来とは?

お盆のとき、
必ずといっていいほど「お施餓鬼(せがき)」の法要を勤める風習があります。

お盆のお施餓鬼の由来は諸説ありますが、
いずれも餓鬼道に関係があります。

施餓鬼会とは、無縁仏を供養するお盆前後の行事で、
餓鬼道に堕ちて苦しんでいる人々のために、
施餓鬼棚に食べ物をお供えして供養するとともにお救いをします。

ご先祖をお祀りするのと同時に、
死後誰からも祀られない無縁の人々にも飲食を施して霊を慰める心で、
こういう心を私たちの先人たちは持っていました。

お盆に限らず、法要とは、
生きている者が故人のことを振り返り、
先祖を敬い、報恩、感謝の念(おも)いで行うお勤めであり、
仏法に親しみ、また学ぶ、絶好の機縁といえます。

そうすることで、故人は苦しみや患いから逃れられ、
善処へ導かれます。

そのことで生きている人間もともに救われるということです。

お盆には、
それぞれの家で先祖や故人の霊を迎え 再びあの世に送ります。

「施餓鬼会」は、
釈迦の弟子・目連(もくれん)の母が死後、餓鬼道に落ちていると知って、
母を救うため、仏の教えに従い無縁仏を供養したことに由来します。

これによって仏教では、
お盆に無縁仏や浮遊霊を供養する法要を行うようになったのです。

これは この世に生きている人々が、
自分の心に潜む強欲な餓鬼の心を反省する行事でもあるのだそうです。

施餓鬼会や盂蘭盆会はいつ行う

施餓鬼はお盆の時期とは限らず、いつでも行って良いものであり、
盂蘭盆会はお盆の時期限定のものです。

施餓鬼の「餓鬼」は飢えに苦しんでいたり、
身寄りがなくこの世に彷徨っている霊です。

施餓鬼会は、自分の先祖供養だけでなく、
このような餓鬼の供養を行って徳を積むことで、
自分にも救いがあるとされています。

しかし、
浄土真宗系では死者は全て極楽往生していると考えられているため、
施餓鬼会を行いません。

曹洞宗では施す者と施される者の関係に、
身分差別があってはならないという考え方のため、
「施餓鬼」でなく「施食会(せじきえ)」と呼びます。

日蓮宗、真言宗、臨済宗では、
施餓鬼法要はお寺からの案内があり、
大勢の人がお寺に集まって盛大に供養されることが多いようです。

ですから施餓鬼会については、
宗派によって捉え方も供養の仕方も違います。

また、、
地域のやり方や風習、そのお寺さんのやり方もそれぞれです。

ただ、施餓鬼会と盂蘭盆会は、
似ていることから一緒に行うことが多いというだけです。

お盆に僧侶を招いて供養する時、施餓鬼会の供養をしたり、
お寺で施餓鬼法要が開かれ供養するところもあります。

盂蘭盆会はいつ行う

盂蘭盆会(うらぼんえ)とは、
7月15日を中心に7月13日から16日の4日間に行われる仏教行事のことです。

日本における日付については、
元々旧暦7月15日を中心に行われていましたが、
改暦にともない新暦(グレゴリオ暦)の日付に合わせて行ったり、
一月遅れの新暦8月15日や旧暦のまま行っている場合に分かれています。

一般的に“お盆”と呼ばれている盂蘭盆(うらぼん)は、
亡き父母や祖霊を供養したり、
故人を偲び仏法に遇う縁とする行事のことです。

『盂蘭盆経』(西晋、竺法護訳)、
『報恩奉盆経』(東晋、失訳)などに説かれている、
目連尊者の餓鬼道に堕ちた亡母への供養の伝説に由来しています。

なお、旧暦7月15日は、仏教では安居が開ける日である「解夏」にあたり、
道教では三元の中元にあたります。

日本では、この「盂蘭盆会」を、
「盆会」「お盆」「精霊会(しょうりょうえ)」
「魂祭(たままつり)」「歓喜会」などとよんで、
今日も広く行なわれています。

この時に祖霊に供物を捧げる習俗が、
いわゆる現代に伝わる「お中元」となって伝わっています。

古くは推古天皇14年(606年)4月に、
毎年4月8日と7月15日に斎を設けるとありますが、
これが盂蘭盆会を指すものかは確証がありません。

斉明天皇3年(657年)には、
須弥山の像を飛鳥寺の西につくって盂蘭盆会を設けたと記され、
同5年7月15日(659年8月8日)には京内諸寺で『盂蘭盆経』を講じ、
七世の父母を報謝させたと記録されています。

後に聖武天皇の天平5年(733年)7月には、大膳職に盂蘭盆供養させ、
それ以後は宮中の恒例の仏事となって毎年7月14日に開催し、
孟蘭盆供養、盂蘭盆供と呼びました。

奈良、平安時代には毎年7月15日に公事として行なわれ、
鎌倉時代からは「施餓鬼会」(せがきえ)をあわせ行なうようになりました。

また、明治5年(1872年)7月に、
京都府は盂蘭盆会の習俗いっさいを風紀上よくないとし、
停止を命じたこともありました。

現在でも長崎市の崇福寺などでは、
中国式の盂蘭盆行事である「(普度)蘭盆勝会」が行われます。

施餓鬼会の塔婆代とお布施の相場はいくら?

お寺で施餓鬼法要が行われる場合は、案内が届き、
「施餓鬼供養料」等と書かれた封筒が同封されていることもあります。

施餓鬼法要の案内状には、
施餓鬼料なども記載されていることもあるので、それに従いましょう。

お寺からの指定がなければ、熨斗袋(仏事用の金封)に包んで持参し、
その場合の表書きは「御布施」です。

お供え物を行う場合の表書きは「御供」です。

施餓鬼法要でのお布施の相場は3000~10000円程度が一般的ですが、
地域性の違いもあり、お寺によって相場は異なり1万円以上のこともあります。

お寺での施餓鬼法要の案内に、
施餓鬼料のほかに卒塔婆料が記されている場合があります。

お塔婆の金額はお寺さんによって決まりが有り、
お布施とは別に包むようにします。

塔婆は、釈迦の遺骨を分骨して、塔を建てて供養したのがその始まりで、
五輪塔を簡略化したものが現在のような板塔婆です。

板塔婆は人間の形をかたどってあり、梵字が書かれていますが、
表面の下部や裏面には、建立する人の名前、建立の日付などが入ります。

塔婆料・塔婆供養料は、寺院によって金額が異なりますが、
目安の相場はおよそ2,000円~10,000円です。

事前に塔婆供養する人の人数と、姓名をお寺に伝えるようにし、
塔婆料・塔婆供養料は、
水引きのない不祝儀袋か白無地の封筒に入れておくと良いでしょう。

あとがき

法要などのしきたりには、わかりづらいことがよくあり、
お寺さんによってもいろいろ異なることも多いものです。

できればお寺さんに直に訊くことが間違いないですね。

ご先祖様のお供養に関するマナーで、
一番難しいのは、お布施などの相場ですね!