持ち家はあるけれど、預貯金に余裕がなく、
老後の生活が心配という方に、
リバースモーゲージという仕組みがあります。
自宅を担保にして住み続けながら融資が受けられる制度です。
公的制度と民間の制度があり、
そのメリットとデメリットについて、
わかりやすくまとめました。
リバースモーゲージの仕組みとは
リバースモーゲージとは、持ち家をすぐに売却せず、
担保にして融資を受ける制度です。
持ち家はあるけれど、預貯金は心許ないし、
老後の生活資金は大丈夫だろうか？
そんな不安を抱かれているのなら、
リバースモーゲージの利用を検討されてみてはいかがでしょうか。
リバースモーゲージとは、現在お住いの持ち家を担保として、
一括または年金の形で定期的に融資を受けられる制度です。
この制度は、国や自治体による公的なものと、
銀行などの金融機関が行う民間のものがあり、
それぞれの制度によって、
利用対象者の年齢要件や融資限度額などの要件が異なっています。
自宅の担保評価に基づいてお金を借りることができます。
公的制度と民間制度、いずれも居住用不動産を担保に、
老後資金が手に入る点では同じです。
公的制度は、都道府県の社会福祉協議会が窓口で、
低所得者の高齢世帯を対象に、生活資金を貸し付ける、
『不動産担保型生活資金』と呼ばれるものです。
福祉が目的のため利用可能な土地の評価額は民間よりも低く、
概ね1000万以上、その7割程度が貸付限度となります。
一方、民間制度とは民間の金融機関が取り扱うもので、
老後にゆとりのある生活を営むための、
『金融商品』制度です。
スタート当初は、
土地の評価額が一億円以上でないと利用できない商品でしたが、
最近では、評価額が3000万円程度まで下げた商品や、
マンションを対象にする商品も出てきています。
また、このほかにも『マイホーム借り上げ制度』といって、
リバースモーゲージを利用しながら、
住み替えが可能な商品もあります。
リバースモーゲージのメリットとデメリット
一口にリバースモーゲージと言っても、それぞれに特徴があるので、
ご自宅の条件やライフプランに合ったものを検討することが大切です。
契約が終了した時点で、持ち家を処分し一括返済
リバースモーゲージの融資期間は、
利用者の死亡時までの期間または、貸付元金利(貸付元金＋利息)が、
融資限度額に達するまでの期間とされています。
そして、最終的には利用者の死亡、もしくは契約が終了した時点で、
担保不動産を処分し、
それまで受けた融資の元金と利息を一括で返済するのです。
リバースモーゲージのメリットは、
なんといっても、自宅を手放すことなく暮らし続けながら、
融資を受けられることです。
そして、利用者が亡くなった際に、残された家族が不動産の処分に、
頭を悩まさずに済むことです。
とは言えリスクがないわけではありません。
注意するべき点は、
不動産価格が下落すると担保割れしてしまい、
融資が途中でストップしたり、
場合によっては返済を迫られる可能性があることや、
金利上昇の利息増加によって、
予定よりも早くに担保額に達してしまうことです。
また、想定以上に長生きした場合は、
存命中に借入限度額に達してしまうことも考えられます。
リバースモーゲージは、
こうした様々な点を考慮した上で判断しなければいけません。
老後のライフプランの選択肢の幅を広げてくれるリバースモーゲージは、
ご自分のご家族の意見も十分に確かめたうえで考慮するべきでしょう。
リバースモーゲージのまとめ
①住み続けながら自宅を担保に融資が可能
②死亡時に担保不動産を処分して一括返済
③金利などの変化で融資が減額されることも
リバースモーゲージは簡単に言うと、
「高齢者が持ち家を担保としてお金を借りられる住宅ローンの一種」です。
『老後の生活で、子供には迷惑を掛けたくない』
親ならば誰もが思うことです。
『少ない年金だけでは老後を過ごせそうにない』
家のローンや子供の教育資金で精一杯だったから、老後の貯えが心許ない。
所有している自宅を担保に差し入れることを条件として、
毎年一定の金額を借りることができることになります。
居住している自宅を対象とするため、
通常、建物については評価額が残っておらず、
そもそも対象にならない方が多いです。
ほとんど土地のみが評価の対象
利用者当人の年齢は60歳～65歳以上とされている場合が多く、
評価額が低い不動産は、
残念ながらリバースモーゲージの対象にならない場合も多いのです。
あとがき
『誰にも迷惑をかけずに豊かな老後を過ごせる』
世の中、そんなに甘い話はないものです。
高齢者が嵌められるようなことがないことを祈ります。
