古典柄浴衣とレトロ柄浴衣はどう違うのか意味と特徴 生地の材質は何?

ファッション

ゆかたは好きですか?

縁日や夏祭り 花火大会など
夏のお出かけには浴衣姿がぴったりです

夕暮れ時 色とりどりの浴衣や
藍染めのしっとりとした浴衣

昔ながらの古典的な柄や
近頃人気のレトロ柄のゆかた
アンティーク調浴衣
ブランド浴衣
デザイナーズ浴衣
アイドルがプロデュースした浴衣など

たくさん出回りすぎて迷ってしまいます

古典柄とレトロ柄について
いろいろ知っていくうちに
もっと浴衣が好きになってきました

  

古典柄浴衣とレトロ浴衣 違いは何?

手染めの浴衣は 注染という技法で染められていて
反物を屏風のように折りたたみ
何枚も重なった布を特殊な糊で防染し
上から染料を注ぎ込んで染めます

そのため染料は裏までしっかり染まっていて
同じ柄が裏表繰り返し繋がっていることが特徴です

いまでは一般的になったスクリーン染めの方が多いようです

スクリーン染めも繰り返し柄ですが
裏まで染料は通っていませんし
裏目の柄はでてきません

どちらの染め方も 色の数だけ染め型が必要で
それだけ染めの工程が多くなります

鮮やかな色合いに染め上げることができるのも
化学染料の進歩によるもので
古典柄に見られる草木染めの様な
天然染料に近い色合いも 
化学染料で染められるようになってきました

そのようにして染められた浴衣の柄ですが
古典柄やレトロ柄は 
やはり今年も大人気です

レトロ柄浴衣のレトロという言葉には 
懐古趣味…昔を懐かしむ趣向という意味がありますが
レトロ浴衣と称されている浴衣の柄粋は 
本来の懐古的という意味からは少し外れているようです

レトロ浴衣とは
大正ロマンを想わせる柄粋やアンティーク調の柄を言い
その大胆な柄粋や斬新な色遣いが
おしゃれな女子たちの目にとまり 

超~可愛い!と 
持て囃されています

それに対して 

古典柄の浴衣は 
いつまでも飽きの来ないオーソドックスで
伝統的な柄です
日本特有の草花を
モチーフにした柄などが多く見られます

そういった昔から伝わる伝統柄は
年齢を問わず 
また 流行に流されることなく広く好まれています

伝統的な古典柄には 
その柄に込められた願いや想いがあり 
情緒や風情を表現するものがあります

古典柄浴衣は 白地に紺の藍染が多いのですが
臙脂色や萌黄色など 草木染めのものも好まれます
おもに単色染めで柄を出していますが
柄に注し色を加えることもあります

古典柄浴衣とレトロ柄の浴衣がどう違うかというと

古典柄は普遍的な伝統柄で
昔から そしてこれからも永く愛される浴衣の柄です

そして
レトロ浴衣特有の大胆な色遣いで
古典柄やアンティーク柄を表現したものが
レトロ柄の浴衣ということになります

どちらも浴衣の柄としてとても人気の高いものです

古典柄とレトロ浴衣の柄に込められた意味と特徴

浴衣の柄を選ぶ時
その柄の持つ意味と特徴を知ることで
自分に合った浴衣の柄を選ぶ参考になると思います

花鳥風月を描いたものや幾何学模様のモダンなものなど
浴衣の柄にもいろいろありますが
昔から変わらぬ人気の古典柄には
ステキな意味が込められています

古典柄に見られる『草花模様』

・朝顔
夏の朝 涼しげに咲く朝顔の花
毎朝 忘れずに咲く日本人らしい花 
江戸時代から 庶民に愛された人気の花です

・撫子(なでしこ)
「大和撫子(やまとなでしこ)」
理想の女性像的な言葉もあるように
日本女性のかわいらしさを表しています
秋の七草のひとつで涼感を与えます 別名:セキチク

・桜
桜は春の花ですが 日本を代表する花でもあり
縁起のよい花として一年を通して使われる模様です

・椿
椿は樹齢が長いので
「不老長寿」を意味する縁起のよい柄です
花の形もかわいいです

・牡丹・芍薬・百合
「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」
美しい女性を褒め称える言葉にあるように美人の象徴
「幸福」という意味もあります

・花菖蒲(はなしょうぶ)アヤメ
尚武に通じるため
「必勝」「礼儀正しい」などの意味があります
菖蒲には魔除けの力もあるとされています

・水仙 
知性美を感じさせる水仙は
すらっと伸び凛として涼やかな印象
そんな姿が柄となって知性を表現します
また水仙は新春の瑞兆花ともされています

・藤 
いつまでも美しく咲いている姿から 
「子孫繁栄」の意味を持つ花です
垂れる藤の落ち着いた曲線が浴衣によく映えます

・梅 
冬を耐え忍び 春一番に花をつける姿から
「忍耐力」の象徴とされます
梅には「澄んだ心」という花言葉もあります
吉祥文様の松竹梅にもある柄で
中国の四君子柄にも数えられている

『虫・鳥・動物』

・蝶
蛹(さなぎ)から羽化する様子が「蘇り」や「不老不死」に通じる

・トンボ
前向きにしか飛ばないトンボは「勝ち虫」と呼ばれる縁起の良い虫

・つばめ
渡り鳥の『つばめ』という鳥は
「幸せを運ぶ」とされ「恋」の使いともいわれる
番で仲良くヒナを育てるのところから
「夫婦円満」「家庭円満」の象徴とされています

・うさぎ
とび跳ねる様子が「飛躍」を著わしています

『幾何学文様』

・麻の葉
正六角形を基本とした連なる幾何学文様が麻の葉に譬えられる
麻は丈夫に育つことから「成長祈願」や魔除けの意味があります

・市松模様…正方形を互い違いに並べた柄
江戸時代の歌舞伎役者 佐ノ川市松が好んだ柄
長方形が互い違いに並んだ模様は 石畳模様

そのほかの幾何学模様・・・
青海波・立涌・矢絣・七宝・鮫小紋・鹿の子・疋田
亀甲・紗綾形

古典柄浴衣とレトロ柄浴衣 個性的な生地の材質は何?

現在はさまざまな色の浴衣がありますが
昔は浴衣といえば紺地か白地が定番でした

紺地はすっきり涼しげに見え
白地は清涼感を与えます

紺地には藍染を用いますが
藍染の原料となる蓼藍(たで)には
「蓼食う虫も好き好き」という言葉があるように
虫除け効果があります

紺地の浴衣を着ることで虫さされを防ぐ
暮らしの知恵でもあったのです

浴衣は本来
素肌の上にさらっとまとうものですが
女性の場合 透けて見えないようにすることと
汗取りにもなるように
和装用の下着をつけ
その上から「補正」をしっかりとすると
着崩れることなく 涼やかな着こなしができます

浴衣と言えば 藍染というくらい
白地に紺で染められた浴衣は定番でしたが

昨今
外国の観光客にも 
大胆でカラフルな色使いの浴衣が評判です

古典柄や大胆な柄を染めている浴衣ですが
浴衣は 湯帷子(ゆかたびら)から転じたものといわれています

「湯帷子」とは 入浴時に着る「帷子」のことで
「帷子」とは夏用の単衣の着物という意味です

高貴な方々が沐浴をするとき
人に肌を見せぬように着用したのが麻でできた湯帷子

麻の湯帷子は一度しか使用しないもので
使用後は 下々のものにお下げ渡しされていました

お下げ渡しになった湯帷子に
柄をつけて着るようになり
それが江戸時代に庶民の間に広まって
浴衣となったそうです

浴衣となった湯帷子は 入浴後だけでなく
単衣の着物のひとつとして夏祭りや花火大会
盆踊りなど身近な場所で着るのはよいとされるようになりました

つまり もともと浴衣は麻で出来ていたのですが
その後 日本に入ってきたコットン(綿)による
綿織物が普及していきました

夏の暑い季節に着る浴衣には
綿素材のものがさらりとして肌触りもよく
通気性も良いので
次第に浴衣と言えば綿素材となっていきました

同じ綿100%素材でも
「綿紅梅」「綿絽」など
上級感のある織り方のものもあります

また 三重県の有松地方特産の
有松絞は 高級浴衣地の最高峰だと思います

最近はポリエステルでも吸湿性や速乾性に優れていて
通気性の良いものが開発され
さらに
綿よりも発色がよいので
くっきりとした柄と鮮やかな色を出せるのが特徴です

水濡れや擦れなどによる色落ちもしにくいですし
お家で洗濯機で洗うこともできます
皺になりにくく
アイロン掛けもほぼ不要という優れモノです

まとめ

浴衣の柄っていろいろたくさんあって
迷ってしまいますね

古典柄やレトロな柄について
調べてみました

さあ!この夏は
どんな浴衣を着てお出かけしましょうか