八幡宮とは何の神様で総本山はどこにある 天皇家と八幡神の関係と歴史

神社仏閣

日本全国 神社はたくさんありますが、
『八幡さま』と親しまれる八幡宮とは何の神様なのでしょうか。
そして八幡宮とか八幡神社と言われる神社の総本山は、
どこにあるのかということについて、まとめてみました。

また、八幡神社の八幡信仰と天皇家との歴史的な関係について、
どのような繋がりがあったのかをお伝えします。

  

八幡宮とは何の神様で総本山はどこにある

最もなじみが深く、全神社の3割を占める八幡様

日本の歴史に忽然と現れた八幡神

日本にある神社の中で最も多いのは、
八幡信仰に関わる神社だとされています。

八幡神社や八幡宮、若宮神社などがそこには含まれるのですが、
その数は全国でなんとダントツの1位なのです。

“八幡”の名がついた町名や『八幡さま』『八幡さん』と、
親しみを込めて呼ばれることが多いことから見ても、
八幡神が私たちにとってどれほど身近な存在なのかがわかります。

それほど親しまれている八幡神ですが、
実は『古事記』や『日本書紀』といった日本神話の中には一切登場せず、
日本の歴史の中に忽然と姿を表したのです。

宇佐神宮は、八幡大神(応神天皇)・比売大神・神功皇后をご祭神にお祀りし、
神亀2年(725年)に創建されました。

文献として最初に八幡神を確認することができるのは、
737年で、『続日本紀(しょくにほんぎ)』に記載されています。

『続日本紀』が完成したのは797年のことなので、
八幡神は、八世紀頃になって突然現れた神様だということになります。

現在、全国にある約11万の神社のうち、八幡さまが最も多く、
宇佐神宮は約44,000社ある八幡様の総本宮です。

宇佐神宮
〒872-0102 大分県宇佐市南宇佐2859
0978-37-0001

八幡宮とは何の神様?天皇家と八幡神の関係は?

記紀神話に登場していないのに、
八幡神が多くの人々から信仰を集めている背景には、
第15代応神天皇との習合が大きいと考えられています。

それによって皇室の祖とされる神・皇祖神となり、
朝廷からの崇敬をも集めたのです。

天皇家と八幡神の関係の深さを窺い知ることが出来る、
歴史的な事件が二つあります。

そのひとつは、
聖武天皇による奈良東大寺の大仏建立です。

743年、聖武天皇は、大仏建立の詔を出されました。

『正倉院文書』によりますと、
その年、宇佐八幡神宮から、東大寺へと建立費が送られているのです。

さらにこの際、八幡神は、
「神である私が天の神や地の神を率いて、
必ずこの大仏建立を成功させる為に、あらゆる障害を取り除こう」と、
お告げを下したというのです。

『宇佐八幡宮託宣集』によると、
大仏建立の際、八幡神は、
「銅を扱いやすい水に変え、木や土に自分の体を混ぜ込んで・・・」と、
まさに身を粉にして協力したと伝えられています。

大仏建立と言う国家の一大事業において、
八幡神は大きな役割を果たし、
その結果として、重要な存在として上り詰めていくこととなったのです。

また、もう一つの事件は、
道鏡と言う僧侶に纏わるものです。

第48代称徳天皇は、道鏡を寵愛し、
道鏡は法皇の地位を授けられるのです。

769年には、宇佐の八幡神から、
道鏡を皇位に就けるよう託宣があったという知らせがありました。

それを確認するために勅使が向かわされたのですが、
宇佐から戻った勅使は、正反対のお告げを持ち帰ってきたのです。

道鏡を皇位に就けようとしていた称徳天皇は激怒し、
勅使を島流しにしました。

しかし翌年、称徳天皇が亡くなってしまい、
結果的に道鏡が皇位に就くことはありませんでした。

この『宇佐八幡宮神託事件』において重要なのは、
八幡神の託宣が皇位継承を左右するほどのものだったということで、
この時代、既に八幡神はそれほどの影響力を持っていたということなのです。

八幡宮とは何の神様 八幡信仰が広まる要因は?

八幡信仰が広まる要因となったのが、
仏教との密接な関係です。

東大寺の大仏建立において、多大な貢献を果たし、
東大寺の守護神として祀られ、
781年には、『護国霊験威力神通大自在王菩薩』の号を贈られることで、
菩薩の役割も担うようになったのです。

神仏習合の集大成ともいえる存在となり、
しだいに庶民にも八幡信仰が浸透していったのです。

さらに八幡神は、
武士を守る『武神』と言う一面も持っていました。

このことは源氏が八幡神を氏神としたことで、
より一層広がっていきました。

河内源氏の二代目である源頼義は、
1063年、東国へ進出する足掛かりとするために、
石清水八幡宮を由比ガ浜に勧請して、鶴岡若宮を建立しました。

後に源頼朝が、鎌倉幕府を開いた際に、
この鶴岡若宮を遷して、現在の鶴岡八幡宮となったのです。

さらに後の足利氏や徳川氏も、八幡神を氏神としたことで、
武神としての崇敬を集めることになったのです。

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あとがき

1300年もの昔、八幡信仰と天皇家や、
仏教と八幡宮の間にあったいろいろな出来事を知ると、
八幡さまをお詣りする時、
その時代に生きた人々の姿が見えてくるような気がします。


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