梅雨の時期に咲く紫陽花の花にはいくつもの花言葉があります。
その花言葉の中には、良い意味を持つものもあれば、
悪い意味を持つ花言葉もあります。
なぜ、紫陽花というひとつの花が、
花言葉でよい意味にたとえられたり、
悪い意味でとらえられたりするのでしょうか。
それはあじさいという花の咲き方にあるようです。
たくさんある紫陽花の花言葉と、
その花言葉の持つ意味についてまとめてみました。
あなたは紫陽花の花言葉に、
良い意味と悪い意味、
どちらが相応しいと感じられますか?
紫陽花の花言葉には良い意味と悪い意味がある
アジサイの花には3000もの種類あると言われていますが、
よく知られている紫陽花の花は、
大きく分けて「ガクアジサイ」と「ホンアジサイ」2つのタイプがあります。
まず、そんな紫陽花の花言葉の中で、
良い意味や素敵な意味を持つ花言葉をご紹介します。
紫陽花の良い意味の花言葉として、一般的に一番知られている花言葉は、
『元気な女性』です。
紫陽花の花がきれいに咲くところを見かけられるのは、
5月の末から6月、梅雨の季節です。
小さく可憐な紫陽花の花が、
降りしきる雨に打たれながらも咲いている姿に強さを感じ、
『元気な女性』をイメージするもののようです。
また、強い雨の中でもしっかりと咲いていることから、
『辛抱強い愛情』という花言葉があります。
そして小さな花が肩を寄せ合うように咲く姿から、
『一家団欒』とか『家族の結びつき』という花言葉に表されています。
素朴な優しさを思わせることから
『元気なお母さん!』という花言葉もあるようですが、
5月は母の日もあるので、お母さんとのイメージが重なるのかもしれません。
紫陽花にはそんな暖かな花言葉があるのですが、
その花言葉とは真逆の花言葉もあります。
悲しいイメージや悪い意味の花言葉として、
たとえられる紫陽花の花言葉では、
『移り気』『浮気』『変節』等があります。
これは、紫陽花の花が咲き始めてから色を変えていくことから、
『移り気』『浮気』『変節』のイメージにつながるということのようです。
また、紫陽花は『あなたは美しいが冷淡だ!』とか、
『高慢』『無情』などという花言葉も持っています。
これらの花言葉も、
『移り気』『浮気』『変節』といった花言葉の延長線上にある意味でしょうか。
紫陽花にはこのように、
良い意味の花言葉と悪い意味の花言葉があります。
紫陽花の花言葉に“何故” 良い意味と悪い意味があるか
紫陽花は、梅雨の時期に咲かせる事でお馴染みの花木で、
アジア、アメリカに40種ほどがあり、
そのうち日本には25種ほどが分布しています。
大まかに手毬型をしたホルテンシア系と呼ばれるものと、
平たい感じのガクアジサイの形をした、
レースキャップ系と呼ばれるものがあります。
自生しているものに手毬型というのはなく、
ガクアジサイ形が変異して出来たのではないかと言われています。
主に花屋で見かけるものは、ハイドランジア(西洋アジサイ)と呼ばれるもので、
18世紀後半に日本の紫陽花がヨーロッパに紹介され、
20世紀になって、
ヨーロッパやアメリカで品種改良されたものが呼ばれるようになったそうです。
ちなみに、紫陽花をヨーロッパに紹介したのは、
オランダ人医師のシーボルトだと言われています。
花弁のように見える装飾花は萼片が大きくなったもので、
受粉のため虫を呼ぶための飾りだそうです。
受粉できるのはガクアジサイなどの中央に小さな両性花があるものだけで、
手毬状のものはあっても奥に隠れているので受粉する事が出来きないそうです。
また両性花だけを持ったコアジサイという野生種もあります。
そんな紫陽花の一番の特徴は、花の色が変化していくという点です。
紫陽花の花の色は、その土壌に含まれるpHによって変わり、
酸性度が強ければ青色系に、アルカリ性が強ければ赤色系の花が咲きます。
しかし、花の色が変わっていくのは、それとは関係なく、
最初は花に含まれる葉緑素のために薄い黄緑色を帯びていて、
それが分解されていくとともにアントシアニンや補助色素が生合成され、
赤や青に色づいていくのです。
そして、さらに日が経つと有機酸が蓄積されてゆくため、
青色の花も赤味を帯びるようになっていきますが、
これは紫陽花の花の老化によるものなのです。
紫陽花の花はこのようにして、花が咲き出してから色を変えていくので、
『移り気』とか『浮気』という花言葉に繋がったようです。
ただ、紫陽花の花言葉に言われる、悪い意味のものは、
どちらかといえば西洋でつけられた花言葉なのです。
紫陽花の花言葉として日本的には、
『一家団欒』とか『家族の結びつき』という花言葉の方が相応しいようです。
紫陽花の花言葉が怖いと言われる理由は?
紫陽花の花言葉、日本では、
『一家団欒』や『家族の結びつき』という良いイメージのものが多いのですが、
一方で、紫陽花の花言葉が怖いと言われる話も耳にします。
しかしそれは。紫陽花の花言葉が怖いと言われるのではなく。
紫陽花の花自体が怖いと言われることのようです。
実は紫陽花の花は、魔除けや厄除けに使われたりしています。
昔から紫陽花には霊力が宿っているといわれており、
紫陽花を切って軒下などに吊るしておくと、
魔除けや厄除けになり健康運や金運をもたらす言われていたり、
トイレの隅につるしておくと、
女性の婦人病の予防のおまじないになるとも言われているのです。
紫陽花の原産地は日本なんですが、
当初、紫陽花は日本人にはとても不人気な花でした。
青色の花が多いせいでしょうか、
江戸時代には「ユウレイバナ」と呼ばれていたほどです。
その後、紫陽花は日本から中国に伝わり、
シルクロードを伝わってヨーロッパへと伝わりました。
イギリスなどで「東洋の花」として人気がでて、
品種改良も進み日本へと逆輸入されました。
数多ある花の種類の中で、こわい意味の花言葉を持つ花は、
他にもたくさんあります。
たとえば、
アザミ:復讐
マリーゴールド:絶望
クワ:ともに死のう
イラクサ:中傷・悪口・悪意・残酷
イトスギ:死・哀悼・絶望
パセリ:死の前兆
ガマズミ:無視したら私は死ぬ
キスツス(ゴジアオイ):私は明日死ぬだろう
ロベリア:悪意
オトギリソウ:恨み
ドクニンジン:貴方の命取り
キョウチクトウ:用心・油断大敵・危険
アメリカイヌホオズキ:汝を呪う
クロユリ:呪い
オモト:葬儀
マンドラゴラ:恐怖
メハジキ:憎悪
ブドウ:酔いと狂気
エリカ:裏切り
なんだか不気味な花言葉が多いですね。
御多分に漏れずアジサイにも『冷酷』という花言葉が与えられています。
そしてもう一つ、紫陽花が怖いと言われる大きな理由は、
紫陽花の花には毒性があるということです。
紫陽花と呼ばれる植物の一部の種類に、
摂食したことによる中毒事例が報告されているということです。
ですから、紫陽花は有毒植物であるため、
園芸や切り花として利用の際には取り扱いには、
注意が必要といわれています。
どの種類の紫陽花にどのような毒性があるのかを含めて、
紫陽花の毒性については、まだわからないことが多く、
そのせいもあって“紫陽花は怖い!”とされている理由のようです。
あとがき
紫陽花の花が、花の色が変わることで“移り気”といわれるのなら、
人間は“移り気”そのものの生き物だと思う。
時によって、場所によって、場合によって、
その状況によって意見や態度、考え方や好みまで変えてしまって、
これを『臨機応変』という便利な言葉でかたずけてしまっている。
花言葉の意味も受け取り方次第ということですね。