6月の第3日曜は『父の日』です
1909年にアメリカのワシントン州に住むドット夫人が
「母の日があって 父の日がないのはおかしい
父に感謝する日があってもよいのではないか」
と提唱し
自分の通う教会の牧師へ
父の日を設けるように
嘆願したことがきっかけとなって
『父の日』が誕生しました
父の日誕生の由来
ドット夫人の父
ウィリアム・ジャクソン・スマートは
1861年から1865年まで続いた
アメリカの南北戦争に 北軍の軍人として召集されました
戦争中
ドット夫人の母は 5男1女の子供を
女手一つで育てましたが
父の復員後
過労で他界してしまいました
妻を亡くした父は
再婚せずに男手ひとつで子供たちを育て上げ
6人全員が成人したのを見届けた後
この世を去りました
ドット夫人は 南北戦争後に懸命に働いて
自分を含む6人の子供を育ててくれた父を偲び
父の誕生日である6月に 父の日を開くことを唱え
翌1910年に実現することができました
1914年には5月の第2日曜が
母の日としてアメリカ国民の祝日となりましたが
一方
父の日も徐々に世に広まっていき
1923年には第30代アメリカ大統領 カルビン・クーリッジが
父の日の重要さを訴えるまでに浸透したのです
そして
1972年に第37代アメリカ大統領 リチャード・ニクソンにより
6月の第3日曜が父の日として法律上 アメリカ国民の祝日となったのです
それ以後 父の日は
家族の幸福のため自己犠牲もいとわない父を敬い
感謝を捧げる日として 世界各国へと広まっていったのです
日本では 1947年にアメリカと同じく
5月の第2日曜が母の日となりましたが
父の日は昭和25年(1950年)以降になって
ようやく認知され始めるようになっていきました
そして昭和56年に 日本ファーザーズ・デイ委員会が設立され
父の日イエローリボンキャンペーンの一環である
『ベスト・ファーザー発表』などの活動が きっかけとなり
飛躍的に認知度が高まってのです
今では
日本でも父の日は誰もが知る記念日として普及したのです
父の日に何色のバラをプレゼントするのかその由来
母の日にカーネーションを贈るように
『父の日』にはバラを贈る風習があります
父親が健在ならば「赤いバラ」を贈り
すでにこの世を去っていれば「白いバラ」を
墓前に供えるという風習です
ドット夫人が 父親の好きだった花である“バラ”を選択し
父の墓前に白いバラを供えたのが由来とされています
本来
母の日のカーネーションと同様に
父の日のバラも父親に贈るものというより
教会の式典で 子供たちが胸につけるというものでした
さらに日本では
男性に花を贈るという習慣が あまり一般的ではなかったこともあり
現在でも
父親にバラをプレゼントする人はそれほど多くないようです
父の日のイメージカラーの由来は
日本では 父の日を
国民的な社会行事に発展・定着させることを目的として
昭和56年(1981年)に
社団法人 日本メンズファッション協会を母体とした
日本ファーザーズ・デイ委員会が発足し
『父の日イエローリボンキャンペーン』を展開するようになりました
“黄色”は イギリスで古来より
「身を守るための色」という言い伝えがあり
それがアメリカに伝わり
南北戦争時に兵士の無事を祈って
『黄色いリボン』を身につけたり
木に巻きつけたりするようになりました
黄色いリボンは 愛する人の無事を願うものの象徴となり
日本でも 高倉健さん主演の映画で有名になりました
そうした欧米の歴史から学び
日本ファーザーズ・デイ委員会では
父親を守るという意味を込めて
父の日に贈るプレゼントには 黄色いリボンで結んだり
似顔絵や手紙に黄色いリボンを添えて渡したり
黄色いバラを贈ることを呼びかけたのです
その結果
いまでは 日本の父の日と言えば“黄色”が
イメージカラーとして広まっていったのです
まとめ
今まで 父の日のプレゼントは
それ程迷うこともなく
少し安易な気持ちで贈っていたかもしれません
父の日が制定された由来や
その経緯を知って
今はもう手渡したくても渡せない所へ逝ってしまった父に
今年は
心をこめて 白と黄色のバラを贈ろうと思います