師走はいつからいつまでのこと?意味や使い方と語源の由来は?

年中行事・イベント

暦の中でも最も有名な言葉が「師走」ではないでしょうか?

年賀状などのあいさつ、
寒さを例える表現として定着しています。

「師走」の意味や使い方語源の由来について調べてみました。

師走はいつからいつまでのこと?

師走は「しわす」または「しはす」と読みます。

本来は旧暦の12月の事を示しますが、
今では新暦の12月も同じく
「師走」と呼ばれることが多いです。

旧暦の12月とは新暦でいうと、
12月20日から1月20日ごろに始まる1ヶ月の事を指し、
年によって変動しますのでその正確な日付はわかりません。

ですので、
分かりやすく、
12月1日~12月31日までの事だと捉えると良いでしょう。

年が明けてから師走という言葉は使いませんからね。

師走の意味や使い方は?

「師走」の意味は以下の通りとなります。

・暦(旧暦)の12月を指す。
陰暦12月の異称の一つが「師走」。

・他の陰暦12月の異称には「極月」「臘月」がある。

・別表記「師馳」「師趨」「季冬」「十二月」も「しわす」と読める。

要するに、陰暦12月を指す言葉であり、
本格的な冬の寒さを表現するのが「師走」です。

陰暦12月の異称は「師走」以外にも
「極月」「臘月」がありますが、
一般的に最も有名なのが「師走」です。

現在の暦に当て嵌めると、
毎年12月後半から2月中旬ぐらいになりますが、
実感としては12月に入ると使われるようになり、
1月では頻度が減っていく感覚があります。

特に年末から新年にかけては「師走」という言葉は、
全国各地で今でも多く使われています。

■師走の使い方

12月に使える時候の挨拶にはこのようなものがあります。

・初冬の候
・初雪の候
・寒冷の候
・短日の候
・霜寒の候
・歳末の候
・歳晩の候

などです。

厳密には、
上旬、中旬、下旬で使い分けることが多いです。

特に上旬には、
冬の始まりを表す初冬の候や初雪の候をそして、
年の暮れが迫った下旬には
歳末の候や歳晩の候を使うようです。

「寒冷の候」や「短日の候」は、
12月を通じて使えますが、
せっかくなら、上旬や下旬には、
その期間しか使えない表現を使って、
季節感を味わいたいものです。

■時候の挨拶の使い方

・皆様におかれましては、
お変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。

・ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

・いかがお過ごしでしょうか。

・この一年はどんな年だったでしょうか。

など安否の挨拶といわれるものをしましょう。

師走という語源の由来は?

師走の由来については、4つの説が存在します。

①師(僧侶)が走る

②御師(おし・おんし)が1年で1番忙しい時期

③当て字

④1年が終わる事

では、①から順番に見ていきましょう。

①師(僧侶)が走る

僧侶とはお坊さんの事です。

日本には古くから、
年末は各家庭に呼ばれて、
お経を唱えるという習慣がありました。

毎日忙しく走りまわっているお坊さんの姿から、
師走という言葉が出来たという説です。

「師匠の僧が、お経をあげるために、東西を馳せる月」
と解釈する「師馳す」が語源になっています。

②御師(おし・おんし)が1年で1番忙しい時期

御師とは、特定の寺社に所属して、
その寺社への参詣者の参拝・宿泊のお世話をする人の事です。

その御師がこの時期に最も忙しい事から、
師走になったという説です。

※他にも師は「教師」の事で、
年末で先生も忙しくなる時期だからという説もあります。

③当て字説

昔から12月の事を「しわす」と呼んでいて、
それが当て字で師走になったという説です。

これに関しては曖昧な感じがしますが、
これも1つの説になっています。

④1年が終わること

今年最後の仕事が終わり、
1年が終わる事を師走という説です。

諸説ありますが、
どれが本当の由来なのかは分かっていません。

■師走の季語

・年越し蕎麦

大晦日の夜に食べる蕎麦をいいます。

江戸時代からの風習といわれ、
蕎麦のように細く長く年を越すという
縁起の意味があるとされています。

・年越し詣で

大晦日に翌年の歳徳方角の社寺に参詣することをいいます。

二年参り、初詣とも言いますが、
元々は年の神を迎えに行ったのが起こりといわれています。

・除夜の鐘

大晦日の夜半過ぎ、十二時近くになると、
近在のお寺の除夜の鐘が鳴り始めます。

百八煩悩を除去するとして、
煩悩の数の百八回鐘を撞く音色が殷々と鳴り響きます。

・冬至

冬至は「二十四節気」の一つで、
12月22日ごろを指します。

太陽の高度が最も低く、
昼が短く、夜が一年で一番長いです。

この日に南瓜を食べ、
柚子湯を立てて入る風習があります。

南瓜は「中風除け」、
柚子湯は「無病息災」の効能があるといわれています。

・歳の市

「歳の市」は、
新年の正月神を迎えるための飾り物などを売る市で、
十二月中頃から大晦日まで、社寺の境内に大市が立ちます。

注連飾りのほか、まな板、包丁、菜箸など、
神迎えの新しい品物が売りに出されます。

・門松立て

「門松立て」は、
年末に新年の正月神迎えの門松や
しめ縄などを飾ることをいいます。

門松はもともと歳神の
「依り代(歳神が現れる時に宿るとされるもの)」とされていて、
12月半ば頃に山から伐りだしてきた松を、
門松仕立てして大晦日前日までに立てます。

あとがき

普段何気なく使っている師走という言葉。

調べてみると割と曖昧な由来ではあるものの、
日本で古くから使われてきた言葉になります。

この師走という言葉を聞くだけで、
年末の忙しい街の風景が思い浮かびます。

師走はなにかと人が多く、
人が行きかう場面に遭遇します。

年末の買い出しや銀行まわりなど、
師走はどこに行っても人混みです。

新型コロナウイルスやインフルエンザ、
風邪などをもらわないよう
マスクなどを着用してお出かけしましょう。