パワーアシストスーツ atounの価格と国内の市場規模は?問題点は使う側の理解不足?!

仕事

atounのパワーアシストスーツは、
人間の動作をアシストする着用型ロボットです。

体幹の動きに合わせて、両腰部のモーターを回転させ、
荷役作業時の腰への負担を軽減します。

力の弱い女性でも、
荷物の積み替え作業などに用いることで、
重たい荷物も軽々と持ち上げることができるスーツなのです。

まさに力をアシストするスーツ、
着用型ロボットですから、かなりお高い!

これからは、パワーアシストスーツのおかげで、
男女の差なく仕事が出来るようになるということで、
国内の市場規模にも期待されているのですね。

  

パワーアシストスーツ atounの価格はどれくらい?

パワーアシストスーツとは?ですが…

人が身につけ、
機械の力を使って人の動きをサポートする装置を、
「パワーアシストスーツ」と言います。

重いものを持ち上げたり、
運ぶといった力仕事を補助してくれるこのスーツ、
高齢者や女性でも軽々ものを持ち上げられるということで、
大きな注目を集めています。

多くのパワーアシストスーツは、
腰の動きを補助するものです。

上半身につける部分と、
下半身につける部分が腰で蝶番のようになっており、
腰を曲げたり伸ばしたりする動きをモーターなどで補助します。

アシストの力のもととなる部分であるアクチュエータは、
モーターや空気圧などいくつかのタイプがあります。

パワーアシストスーツは、
介護・農業・物流分野で活躍が期待されています。

人を持ち上げる力仕事が必要ながら人不足の介護の現場、
高齢化が進む農業現場、
利用量が近年一気に増えた物流業界など、
力仕事が必要な業界で注目され、実証実験や製品化が進んでいます。

パワーアシストスーツの価格は?気になる値段

一般に発売されているもので、
価格は安いもので60万円から、100万円~150万円が多いようです。

まだまだ発展途上なので、
今後価格は下がっていくことが期待されています。

今販売されているパワーアシストスーツを紹介します。

★ATOUN(パナソニック子会社 旧アクティブリンク)

パナソニックの子会社で、
2003年に松下電器の社内ベンチャーとして発足し、
ゴム製のアシストスーツなどを開発していました。

2015年にパワーアシストスーツ AWN-03を発表。

社名変更をしてATOUNとなってからは、
ATOUNシリーズのモデルを製品として扱っています。

ATOUN パワーアシストスーツ
ATOUN MODEL A AWN03B AWN-03B

・サイズ:幅48×奥行27×高さ77cm
・性能:防塵、防水
・充電時間:60~90分
・稼働時間:約8時間(約10kgの重量物の積み上げ作業想定)
・アシスト力:15kgf
・動作環境:0~40℃
・想定装着者:
 身長160~180cm
 体重50~80kg
・参考価格1,291,680円前後

★クボタ

トラクターでおなじみ、農業機械の国内トップメーカー。

建設機械や建設材料など、幅広い産業機械を取り扱っています。

WIN-1

重いコンテナを持ち上げることに特化して作られたWIN-1。

ウィンチ型であることが特徴で、
肩から伸びたフレームからつながったワイヤーを、
コンテナに引っ掛け、
ワイヤーを巻き上げることで重い荷物を持ち上げます。

同時に腰・ももへのアシストもつき、
負担を軽減します。

操作は手元のスイッチで行います。

メーカー希望小売価格は約115万円。

本体は約9.5kg、
連続作業回数は200回。
最大アシスト力20kg。

★サイバーダイン

筑波大学発、
ロボット・情報科学の研究成果を生かした製品製作を行っている会社です。

主に医療、介護分野で、
ロボット技術を活用した製品を生み出しています。

HAL®︎腰タイプ 作業支援用:ウィンチ型

医療・介護分野用のアシストスーツモデルを数タイプ販売していおり、
汎用的な作業支援アシストスーツも販売しています。

HALシリーズの特徴は、
人が体を動かすときに、
脳から筋肉に送られる信号を読み取って動くこと。

腰タイプについても、その技術が生かされ、
「操作をしないでも使える」様な使い心地です。

屋外使用に適した防水・防塵モデルも開発されています。

★イノシス

2013年に設立された、
東京理科大学初発のベンチャー企業。

マッスルスーツ自体は2001年から開発が行われていたものです。

マッスルスーツ 
標準モデル・軽補助モデル・スタンドアローン:空気圧

マッスルスーツの特徴は、
空気圧を用いた人工筋肉で駆動する点。

また、操作を口にくわえたマウスピース、
またはあごのタッチセンサーで操作をする点もユニークです。

他のパワーアシストスーツに比べて低価格なのも特徴で、
標準モデルのメーカー希望小売価格は60万円となっています。

重量6.6kg、最大補助力35kg。

★ニッカリ

園芸機器を作っているメーカーで、
刈払機や運搬用のモノラックを製作しています。

パワーアシストスーツ Buddy

モーターのアシストにより、
腰の負担を軽減してくれるパワーアシストスーツ。

荷上げや中腰、
歩行などそれぞれの作業のアシストを自動で切り替えてくれる他、
外部スイッチでタイミングを自由に設定することも可能。

約8時間稼働、最大補助力は約13kg、本体は6.8kg。

足腰を使う仕事に適したスーツなのですね、
お値段は高価です。

パワーアシストスーツ atounの国内市場規模は?

パワーアシストスーツの市場規模は1.4倍!

背景に「介護ロボ支援事業」ありと言われています。

2016年度のパワーアシストスーツの市場規模は26億7600万円でした。

これは、
2015年度とくらべて約46%も拡大していることになります。

その理由としてあげられるのが、
「介護ロボット等導入支援特別事業」の存在です。

介護ロボット等導入支援特別事業とは?

介護ロボット等導入支援特別事業とは、
介護ロボットを導入する費用を助成してくれる事業です。

平成27年度の補正予算として成立し、
平成28年以降に実施されました。

介護ロボット等導入支援特別事業

介護ロボットの導入を特別に支援するため、
1施設・事業所につき300万円を上限に、導入費用を補助するとしていたが、
応募が殺到したため上限が92万7,000円に引き下げられました。

52億円という異例の予算がついたことでも話題になりました。

これによって、
介護事業所は費用ゼロで介護ロボットが導入できるため、
全国の事業所から応募が殺到しました。

この助成金制度が、
パワーアシストスーツをはじめとする介護ロボット特需を生んだのです。

パワーアシストスーツ atounの問題点は使う側の理解不足?!

介護ロボット特需により、
多くの事業所がパワーアシストスーツを導入しました。

しかし、
すべての事業所で、問題なく活用されているとはいえない現状があります。

Twitterでは、
パワーアシストスーツを始めとする介護ロボットの、
“使い勝手の悪さ”を指摘する声もあがっています。

・前に介護ロボットの出張に行ったけど、
全く魅力を感じなかった。。。

ハルとかの介護ロボの装着に時間かかるし、
使用可能回数少な過ぎだし。。。
だったら
そのまま頑張っちゃうって人が大半じゃないかと感じた‼

・介護ロボットなー、ニュースで何度か見たけど、
使用する際のセッティングが面倒臭そうだったな。

あんなに時間がかかるんじゃ、現場では使えない。

・腰痛軽減ベルト(介護ロボットのひとつ)なるものもあるけど、
なんたっていちいち装着するのがめんどくさい!

「装着が面倒」
「機器が重すぎる」といった実用性の不十分さが指摘されている一方で、
使う側である介護事業所の理解不足も問題となっています。

介護事業所のなかには、
「補助金がでるから」と安易に導入を決めてしまった結果、
上手く活用できず、
せっかくの機器を、
「持ち腐れ状態」にしてしまっているところも少なくありません。

でも、今はもっと簡易型で低価格のものも開発されています。

一般的な作業の現場でも、活躍する日は近いようです。

あとがき

まだまだ高額なイメージの“パワーアシストスーツ”。

普及の鍵となるのは、
「低価格化」「使いやすさ」「効果の実感」の3つです。

とくに個人向けの歩行支援型スーツは、
気軽にレンタル・購入できる価格であることが強く求められるでしょう。

2016年6月に販売を開始した、
今仙電機製作所の無動力歩行アシスト「aLQ by ACSIVE」は、
歩行効率が約20%向上させるという実績がありながら、
税込で5万円をきる価格を実現しています。