ヨーグルトとは、発酵乳の一種で、
乳酸菌を用いて乳を凝固させた発酵食品のことです。
日本では、ヨーグルトといえば、
牛乳に乳酸菌や酵母を加えて発酵させたものが一般的ですが、
羊・ヤギ・馬・水牛の乳を原料にしたものもあります。
今回は、
ヨーグルト菌の種類による効能効果や
効果的な食べ方を紹介します。
ヨーグルト菌の種類はどれくらいあるのか?
糖を発酵させて乳酸をつくる菌のことを乳酸菌と呼びます。
そもそも乳酸菌は、
約35億年前から存在していたと考えられており、
約1万年前に生まれたとされる人類より、
とても古くからいる微生物です。
最初に乳酸菌を発見したのは、
レーウェンフックという人物で、
オランダで商人をしていました。
そして、乳酸菌の発酵の研究を行い、
腐敗と発酵の仕組みを解明したのが
フランスの科学者パスツールです。
乳酸菌の研究がさらに進んだ現代では、
ヨーグルトといえば、
腸で良い働きをする善玉菌の代表として知られています。
乳酸菌は、
ヨーグルトや漬物、納豆、チーズなど、
酸味のあるものに多く含まれており、
私たちの生活を知らず知らずの間に支えてくれているのです。
乳酸菌は、
主に動物性と植物性の2種類に分けられます。
乳製品に含まれるものが動物性乳酸菌、
キムチなどの発酵食品に含まれるものが植物性乳酸菌です。
乳酸菌の種類は、
現在で400種類程度見つけられていますが、
それでもまだまだ種類があると考えられています。
ヨーグルトの種類によって効果効能は違うのか?
乳酸菌には色々な種類があり、
乳酸菌とは糖を分解して乳酸を作り出す菌の総称です。
カスピ海、R1、ギリシャヨーグルト、
ブルガリアヨーグルトなど、
同じヨーグルトでも
含まれている乳酸菌によって作用が異なります。
ヨーグルトには、
「整腸作用」「美肌効果」「免疫力強化」
「花粉症の予防・改善」「インフルエンザの予防効果」
「潰瘍性大腸炎の改善」「アトピー性皮膚炎の緩和」
「コレステロール値の低下」など、
さまざまな効果があります。
これらは、
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の働きによって
もたらされるものです。
しかしヨーグルトの健康効果は、
乳酸菌によってもたらされるものだけにとどまりません。
その秘密は、栄養素にあります。
ヨーグルトの主な栄養素は、
3大栄養素である
「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」と、
「カルシウム」「ビタミンB2」です。
これらの栄養素が
カロリーに対し豊富に含まれていることも、
ヨーグルトが健康食品だといわれる理由になっているのです。
■主な乳酸菌の特徴
★ガセリ菌
尿酸値が高めの人におすすめなのが、ガセリ菌です。
プリン体を体内に吸収しにくい形に変えたり、
プリン体を増殖に利用したりすることで、
血液内の尿酸値を下げると言われています。
ガセリ菌は睡眠にも良い影響を与えます。
脳内の血流量を変化させることで
ストレスの感受性を下げ、
眠りやすくなると考えられています。
★ブルガリクス菌・サーモフィラス菌
ヨーグルトに含まれるこの2つの乳酸菌は、
互いに協力し合い、腸内環境を整えます。
その結果、便秘や下痢の解消に繋がります。
また、腸内環境が整うと免疫機能もアップし、
風邪予防にもアプローチできます。
★ビフィズス菌
東京工科大学のマウスを使った実験では、
食べ物から摂取した鉄を
体に吸収しやすい形に変えることにより、
鉄の吸収を助けることがわかっています。
より多くの鉄を吸収することができれば、
貧血が改善されます。
★アシドフィルス菌
アトピー性皮膚炎をもつ子どもに
アシドフィルス菌を摂取させた結果、
症状が和らいだという研究結果があり、
ヨーグルトはアトピーにも良いと言えます。
また、
免疫力が下がっていると
感染しやすい感染症のひとつであるカンジダも
ケアできる可能性があります。
アシドフィルス菌を摂ることで
悪玉菌が増えるのを抑制して腸内環境を整え、
免疫力を高めることができるからです。
★ヘルベティカス菌
ヘルベティカス菌の乳たんぱく質分解により作られる成分が、
血圧上昇に関係する酵素の働きを阻害し、
血圧を下げると言われています。
ヨーグルトが腸に効く効果的な食べ方は?
乳酸菌やビフィズス菌を生きたまま腸に届かせるには、
胃酸や胆汁が少ないときに食べるほうがいいでしょう。
胃酸の出方が一番落ち着くのは、
食後2時間ほどたってから。
それから少したつと、今度は胆汁が出始めます。
胃酸や胆汁の影響を少なくするには、
食後2~3時間ぐらいがいちばんいい時間帯です。
空腹時、
とくに朝食前は胃酸が最も多いので、
朝起きて最初にヨーグルトを食べるというのは、
腸活としては、あまり望ましくありません。
食事をしたあとのデザートにするか、
あるいは食後2~3時間たったころ、
次の食事までの間食として食べるのがおすすめです。
そして、おススメしたいのは、
エサとなる水溶性食物繊維や
オリゴ糖などを一緒にとることです。
腸活のための車の両輪となります。
腸に届くまでに死んだ菌も
腸内にすむ善玉菌のエサになるので、
腸内環境を良くするのに役立ってくれます。
善玉菌を育てる畑づくり食材のことを
「プレバイオティクス」、
乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌そのものを
「プロバイオティクス」ともいいます。
そして、この二つを組み合わせ同時にとるのが
「シンバイオティクス」です。
ヨーグルトでも、
食物繊維が豊富な果物や豆類などをトッピングしたり、
オリゴ糖を含むはちみつをかけたり、
お好みでアレンジしてみてください。
■効果的な食べ方レシピ
・生姜と合わせて
しょうがは体を温める作用があるので、
冷蔵保存のヨーグルトでも
体を冷やす心配がなくなります。
すりおろしがオススメですが、
苦手な人は市販のしょうがシロップでもOK。
・ココアと合わせるとアンチエイジング効果も
鉄分や抗酸化力が高い
ポリフェノールなどを豊富に含むココアを混ぜれば、
アンチエイジング効果が期待できます。
無糖ココア+微糖ヨーグルトが、
ヘルシーさも食べやすさもアップします。
・蜂蜜とあわせると乳酸菌の効果がアップ
ハチミツに入っているオリゴ糖は、
乳酸菌と同様に腸にいる
善玉菌のエサになる働きがあります。
相乗効果で腸内環境が整うから、
ヨーグルトの栄養素がより吸収しやすくなります。
・お通じがよくなる チアシード
チアシードに含まれる水溶性食物繊維で
より便秘解消に!
乾燥したまま入れて、
ヨーグルトに含まれる水分だけで膨らませた方が、
栄養素をフル活用できて効果的です。
あとがき
カスピ海ヨーグルトは我が家の常備薬の様なもの。
花粉症対策、インフルエンザ対策には欠かせません。
毎朝ヨーグルトを食べていたのですが、
これは間違いだったようですね。
食べる時間帯を考え、
これからは、夕食後の
“ちょっと小腹がすいた時”にしようと思います。
腸内環境を整えることで、
自己免疫力をアップさせ、
新型コロナにも負けないようにしましょう!