京都の中心部、二条城の南側にある神泉苑は、
平安京遷都で都が京へ移された延暦13年(794年)に造営されました。
もともとこの地には古い池があり、
その池の周りに庭園を造り、
桓武天皇のために造られた禁苑でした。
天長元年(824年)淳和天皇の時代には、
弘法大師空海が神泉苑で祈雨の修法を行った雨乞いで、
長く続いた干ばつから救ったとされています。
また神泉苑は、平安時代に次々と起こった災害や、
庶民を苦しめた疫病を鎮めるため、
御霊会が国家的に行われるようになり、
それが今の祇園祭に繋がったと言われています。
そんな数々の伝説が残る神泉苑で、毎年行われる神泉苑祭の日程や、
見どころについてお伝えします。
京都の神泉苑 スピリチュアルな神泉苑祭の日程は?
桓武天皇の平安京遷都による、
平安京造営から千二百年の歴史をもつ神泉苑では、
毎年、五月二日~四日にかけて、神泉苑祭が行われます。
神泉苑の善女龍王社拝殿には御神輿を祀り、
境内には三本の剣鉾が立てられ、
大勢の地域の方や参拝客の方で賑わう祭典です。
神泉苑の中心には法成就池があり、
神泉苑の南側に面する通りの、
『御池通り』という名前の由来にもなっています。
神泉苑の北側に面する通りは『押小路通』といい、
その向かい側に二条城のお堀があります。
神泉苑は現在、二条城の南側にあります。その神泉苑の起源と歴史、神泉苑に祀られている雨乞いの善女龍王と、毎年の恵方を示す歳徳神について、また源義経が静御前を見初めたと言われる神泉苑の御朱印には、恋愛のご利益があるのではないかというお話をまとめました。 神泉苑の起源と歴史神泉苑は、延暦13年(794年)平安京遷都で都が京へ移された時、当時の大内裏の南に接する地に造営された禁苑でした。禁苑、つまり神泉苑は、天皇のための庭園だったのです。神泉苑はもともとここにあった古京都湖(古山城湖)の名残の池沢を、庭... 神泉苑の歴史と善女龍王の雨乞い 静御前と義経の恋愛ご利益の御朱印 - 興味津々 |
神泉苑はその昔、
東西を240m 南北500mという大庭園だったのですが、
徳川家康が二条城を創建するときに取り込まれ、
今は十分の一ほどになってしまいました。
神泉苑の東側には狂言堂があり、
以前は神泉苑祭の日に、大念仏狂言が行われていましたが、
現在、大念仏狂言は十一月の第一金曜日からの三日間に行われています。
神泉苑では、神泉苑祭のほかに、
十二月三十一日の『恵方回し』や正月の『初詣』、
二月三日の『節分祭』が有名です。
神泉苑は知る人ぞ知る京都のパワースポットです!京都の大晦日の夜に行われる行事の一つに、『神泉苑の恵方回し』と言われる“歳徳神の方違え式”があります。神泉苑にある恵方社は、“恵方”つまりその年の幸福をもたらす方角を、礼拝する可動式のお社(おやしろ)で、毎年方角を変えてお祀りされる、日本で唯一のところです。また、龍神様ゆかりの地としてパワースポットでもあるのです。陰陽道に基づいて決められた新しい年の恵方に向けてお社を回転させ、般若心経を唱えて法要します。 京都の神泉苑で大晦日に行われる恵方回しとは?... 京都の神泉苑 大晦日に行われる恵方回しの儀式でその年の恵方が決まる? - 興味津々 |
神泉苑のスピリチュアルな神泉苑祭の見どころは?
大般若経六百巻転読祈願法要
5月2日 午後2時 本堂にて
神泉苑本堂に於いて、六百巻の大般若経を転読し祈願いたします。
本堂に上がってお詣り頂けます。
神泉苑龍王市
5月2日~4日 午前8時~午後8時
神泉苑境内にて
5月2日 10:00~20:00
5月3日 8:00~20:00
5月4日 8:00~20:00
神泉苑の境内にてお店が並びます。
手作りの陶器やアクセサリー、衣服や骨董品などいろいろあります。
奉納よかろう太鼓
5月2日 午後7時半~8時半
5月2日 午後7時半~
神泉苑祭の宵宮を、気合いの入った熱い太鼓や笛の音で盛り上げます。
子供みこし巡行
5月3日(神泉苑祭当日) 午前9時半~正午
教業子供みこし会の一行が、
善女龍王社前にてお祓いを受け、
無事に巡行できるようお詣りをしてから、南門を出て西へと向かい、
神泉苑をぐるっとい周回ります。
そのあと御池通の南側、三条商店街当たりの細い道を、
縫うように練り歩きます。
龍王社祭祀
5月3日 午前11時 善女龍王社前にて行われます。
稚児拝礼・お練り
5月3日 午後1時より
御神輿の前で龍神様に無事を祈り、教業小学校から東西二手に分かれて、約40名のお稚児さんが、稚児装束を身に着けて学区内をお練りします。
雅楽奉納
5月3日 午後4時~
法成就池・船上にて 王朝のみやびを再現し、雅楽奉納が行われます。
「静御前の舞」 奉納
5月3日 午後6時半~ 法成橋にて
『静御前と神泉苑』(義経記より)
今を去る寿永元年(1182年)、
大日照りとなり賀茂川や桂川の水も絶え、日本中の人々が苦しんだ。
慣例によって神泉苑に各寺院の高僧が100名集められ、
経を読み雨を祈ったが効験がなかった。
そこで、見目麗しい百人の白拍子を神泉苑に集め、
後白河法皇の行幸を仰ぎ、九十九人が舞いを舞ったが
効験はなかった。
「あと一人舞ったくらいで龍神様が雨を降らせるだろうか」
という意見もあったが、
法王は静御前に舞わせてみた。
静御前が舞いを舞ったところ、
にわかに黒雲が出てきて、三日間大雨が降り続いて
国土は安穏になった。
法王は感激されて、静御前に「日本一」の称号を与えた。
そのとき義経が静を見そめました。
静は源義経(幼名:牛若丸)に水干に立烏帽子という舞姿を見そめられ、
側室となったのです。
野点茶会
5月3日 午前10時~午後3時 本堂前にて野点茶会が行われます。
お茶菓子の柏餅は、つぶあん、こしあん、みそあんを選べます。
祇園囃子奉納(平成女鉾清音会)
5月4日
午後1時~ 法成就池・船上にて
午後3時~ 法成就池・船上にて
午後5時~ 本堂にて
貞観11年(869)、
66本の鉾を神泉苑で厄祓いをしたことが、
祇園祭の始まりと伝えられています。
その祇園祭の発祥地、神泉苑で祇園囃子が奏でられます。
神泉苑祭で祇園ばやしを奏でる『平成女鉾清音会』は、
1994年、平安建都千二百年事業をきっかけに、
「平成女鉾をつくる会」発足させました。
老若男女を問わず参加できる鉾をつくり、
伝統と文化を花開かせ、新しい歴史を開いていこうという構想が、
平安建都千二百年事業の中で持ち上がり、
京都の有識者の協力や財界の有志により
「平成女鉾をつくる会」発足しました。
「平成女鉾をつくる会」は多くの市民からの賛同を得、
入会・寄付をいただき、1996年には『平成女鉾』が完成しました。
1996年4月1日、建立費約5千万円で、
高さ20m 巾4.5m 鉾重量10tの「平成女鉾」が建立され、
櫛稲田姫命(クシイナダヒメノミコト)がお祀りされています。
「平成女鉾をつくる会」では、1996年7月から囃子方を募集し、
約200名の応募から80人が選考されました。
1996年8月下旬から、
祇園祭の『函谷鉾(かんこぼこ)』のベテラン囃子方の指導のもと、
囃子の練習をはじめました。
そして、2015年から毎年、
神泉苑祭で奉納囃しを行っています。
祇園囃子の奉納は、法成就池船上や本堂などで奉納されますが、
令和となった神泉苑祭で『平成女鉾清音会』は、
『令和女鉾清音会』となるのでしょうか・・・
👘本日練習日でした👘
東山花灯路での祇園囃子奉納を終えてから、初めての練習日。5月の神泉苑祭に向け、
これまでトライしていなかった組み合わせや
しばらく奏でていなかった特別遍に久しぶりにチャレンジしました✨
5月の神泉苑祭もお楽しみに☺#祇園囃子#京都 #平成女鉾清音会 pic.twitter.com/oxA4sf4qOF— 平成女鉾清音会 (@sayanekai) April 11, 2019
神泉苑へのアクセス
神泉苑へは、JR二条駅が最寄り駅です。
JR二条駅は、
京都駅から嵯峨野線(JR西日本山陰本線)に乗って3つ目の駅ですが、
三つ目と言っても、
京都鉄道博物館や京都水族館近くに最近できた『梅小路京都西駅』
京都市中央卸売市場やリサーチパークのある『丹波口駅』の次です。
JR二条駅の東口を出ると、
目の前にまっすぐ伸びる道路が『御池通』です。
その御池通を進み、約100mくらい東へ行くと、
左手に神泉苑があります。
JR二条駅からバスもありますが、
バスを待ったりするより、のんびりと歩けばすぐです。
向かい側には、
しば漬けや千枚漬け、すぐき漬けで有名な『赤尾屋』があります。
グルメ雑誌で話題になったリストランテ野呂や、
神泉苑と言えば平八が有名ですが、
なぜだかこの辺り、クリニックがやたらと目立ちます。
JR二条駅から歩いて、神泉苑を通り越して堀川通まで行くと、
左にへ曲がったところに二条城があります。
京都四条 東の突き当りに八坂神社の朱色の門が見えます。そして祇園祭の鉾は、八坂神社から少し離れたところに建てられます。なぜ、八坂神社の近くに山鉾が建たないのかと、京都を訪ねてきた人に訊かれました。八坂神社の近くも遠くも、祇園さんは京都の町ぜんぶのお祭りどすよって、そんなん 関係あらしまへん! 八坂神社の歴史と祇園祭八坂神社は、慶応4年(1868)5月30日付の神衹官達により八坂神社と改称するまで、感神院または祇園社と称していました。創祀については諸説あるのですが、斉明天皇二年(656年)に、高麗より来朝した... 八坂神社はなんの神様なのか歴史をわかりやすく!祇園祭の起源や御祭神は? - 興味津々 |
あとがき
京都にはたくさんの神社仏閣があります。
神泉苑は平安遷都の時代からあり、
数多くの伝説もあるのですが、
それほど混雑することはありません。
神泉苑祭の日だけは、
雅やかな音色がこの界隈に響きわたっています。