大原野神社の石段を上り鳥居をくぐると、
そこは紅葉のトンネルがあります。
赤や朱色、黄色や緑と様々な色が陽の光を浴びて輝きます。
大原野神社あたり一帯の紅葉の見頃はいつ頃なのでしょうか、
9月に行われる大原野神社の御田刈祭の神相撲や、
大原野神社のかわいい鹿のお守りや御朱印帳をご紹介します。
また、この大原野神社の歴史についてもまとめてみました。
大原野神社の紅葉や、
鯉沢池に映る紅葉も見どころです。
大原野神社の紅葉 見頃はいつ?
源氏物語の作者紫式部は大原野神社を氏神と崇め、
この大原野の地をこよなく愛していました。
源氏物語二十九帖「行幸(みゆき)」の巻には、
大原野へと向かう冷泉帝の華やかで美しい行列の様子が描かれ、
紫式部のこの地への思いの一端を伺い知ることができます。
そんな大原野神社は紅葉の名所としても名高く、
近隣にも勝持寺や金蔵寺など、紅葉の名所が多くあり、
じっくりと歩いて巡る人も多いのです。
電車の駅からは離れているのにも関わらず、
秋になると多くの人が訪れます。
8万3千平方メートルもある大原野神社の神域は、
およそ8割が林で、
紅葉のみならず、
春夏秋冬それぞれに違った景観を楽しませてくれます。
紅葉は、最低気温が8度以下の日が続くと、
次第に見頃が近くなっていき、
最低気温が5度から6度になると、一気に紅葉が進みます。
大原野神社の紅葉は、
例年、11月中旬から下旬に見頃を迎えます。
大原野神社
〒610-1153
京都市西京区大原野南春日町1152
TEL 075-331-0014 FAX 075-332-1977
大原野神社 御田刈祭の神相撲
毎年9月の第2日曜日に斎行される御田刈祭は、
秋の豊かな収穫に感謝するお祭りです。
五穀豊穣を奉謝する祭儀で、
古くよりある当社の特殊神事です。
このお祭りは、
平成27年3月に京都市無形民俗文化財に登録された特殊神事で、
神相撲が奉納されます。
神慮を慰め奉り 氏子が平穏無事に過ごせるよう
享保2年(1717年)より、300年以上にわたる長い歴史を有する神事で、
毎年神相撲の神事が行われています。
神相撲とは、古式にのっとり、
南北の氏子の代表による神相撲力士により相撲がとられます。
氏子地区の北春日町と南春日町の神力士が、
清めの塩を包んだ白紙をくわえて立ち合い、
必ず1勝1敗で引き分けます。
これは、
地域の人々が争いなく互いに助け合って生活してゆきますという、
神様への誓いだとも言われています。
あわせて、相撲振興会による小学生豆力士の土俵入り、
かわいらしい赤ちゃんの土俵入りも行われ、
夜には氏子青年会主催のナイトコンサートが開催され、
大変賑やかです。
大原野神社の鹿のお守りや御朱印帳は?
京の春日さんと言われる大原野神社ですが、
奈良の春日大社のように、境内に鹿はいません。
けれど、拝殿前には狛犬ではなく『狛鹿』があり、
手水舎にも鹿の像があります。
大原野神社のおみくじは、
木彫りの鹿がくじを口に加えた愛らしいものですし、
土鈴などの授与品にも、鹿をモチーフにしたものがたくさんあります。
・神鹿みくじ・・・¥700
木彫りの神鹿が巻物をくわえた姿です。
巻物が みくじになっています。
・神鹿縁結び土鈴
紅白一対の神鹿をかたどった土鈴です。
・神鹿張り子
神様の御使いである神鹿の張り子です。
ちょうど手のひらに収まる大きさで、つぶらな瞳が愛くるしいです。
開運のお守りとしてご家庭にお飾りください。
・鹿顔絵馬
目と口を自由に書き加えて、
あなただけの神鹿様を完成させてください。
裏面には願い事をお書きのうえ、絵馬掛けに奉納して下さい。
神鹿様が神様へ願いごとを届けてくださいます。
・絵馬・・・¥600
境内を跳びはねる一対の神鹿の姿を描いたものと、
本殿を背景にゆったりとした姿の神鹿を描いた2種類の神鹿絵馬がございます。
・御朱印帳(ごしゅいんちょう)
大原野神社オリジナルの御朱印帳
大原野神社の社格と歴史
大原野神社は、京都市西京区大原野にある神社で、
二十二社の一社とされています。
この二十二社とは、神社に与えられる社号の種類で、
社格制度で、優遇される神社が決められていました。
いわゆる神社のランク付けです。
平安時代中期以降になると、祭りなどの際に、
天皇から勅使が送られる重要な神社が、畿内から22社選ばれました。
この『二十二社』は非常に格式が高い神社となり、
さらにはそれらを、上・中・下 の3段階に分けていました。
大原の神社の旧社格は官幣中社で、
その中の“中”の位で、『中七社』とされていました。
現在は神社本庁の別表神社にあり、
奈良の春日社から勧請を受けたもので「京春日」の別称があります。
784年の長岡京遷都の際に、
藤原氏の氏神である、奈良の春日大社の神々を、
分霊して祀った神社が大原野神社です。
ですから大原野神社は、春日大社の第一分社であり、
奈良の春日社から勧請を受けたもので、
「京春日」「京の春日さん」の別称で親しまれています。
春日大社の建つ御蓋山(みかさやま)は平城京に近く、
神々が降臨された山です。
大原野神社の建つ小塩山も同様に、
長岡京に近く、
京都・西山の中でもひときわ美しい稜線を持っています。
桓武天皇の鷹狩に随行してこの地を訪れていた藤原氏の人々も、
何度もその風景を愛でていたということです。
社殿の造営は850年ごろとされていて、
左大臣・藤原冬嗣の孫にあたる文徳天皇によって造営された本殿は、
奈良の春日大社と同じく春日造です。
檜皮葺で鮮やかな朱塗りの色が美しく、
一間社が四つ並んでいるところも春日大社と同じです。
藤原一族では、女の子が生まれると、
中宮や皇后になれるようにと、大原野神社に参詣し、
それが叶った際には、
華やかな行列を整えて再び参ることが習わしとなっていました。
藤原道長や紫式部もお供をした1005年3月の、
中宮彰子の行啓は、一際華やかだったと伝わっています。
本殿南の神苑にある『鯉沢の池』は、
奈良・興福寺の『猿沢の池』がモデルとなって造られています。
初夏には杜若や睡蓮が花を咲かせ、境内に彩りを添えます。
約40m四方のこの池には、流れ込む川などはなく、
湧き水や雨水だけで成り立っています。
池の西側には、奈良時代の歌人・大伴家持が好んだとされる、
瀬和井(せがい)の清水も湧いています。
この清水は、
文徳天皇の皇子、
のちの清和天皇の産湯にも用いられたとされています。
鯉沢の池の源と同様、
古くから清らかな湧き水に恵まれていたようです。
あとがき
京都市内の清水寺や南禅寺あたりの紅葉も美しいのですが、
嵐山や嵯峨野の紅葉も有名です。
それからすると大原野神社の紅葉は混雑もまだ少なく、
ゆっくりと紅葉を眺めるには最適です。