近頃、“AI(エーアイ)”というフレーズを、
テレビや雑誌で頻繁に見かけたり、耳にすることがあります。
AIってどういう意味?
AIとは、
Artificial Intelligence
(アーティフィシャル インテリジェンス)の略で、
人工知能のことなんです。
何となく感覚的には、
便利なものなんだということはわかるのですが、
生活に身近なところでは、
どのような関わりができてくるのでしょうか。
一体何ができるものなのか、
また、今後それが発展していくと、
人間を超えて、
AIに人間が支配されるような危険性はないのでしょうか?
AIってどういう意味?
テレビのCMでも見られる『Google Home』や『Siri』もAIです。
「オッケー、グーグル、日本で一番高い山は?」と話しかけると、
「日本で一番高い山は富士山、3776メートル。
北岳3193メートル、そして穂高岳3190メートル。」
という音声が返ってきます。
iPhoneに「ヘイ、シリ!」と呼び掛けてから質問をすると、
こちらも答えを返してくれます。
これらはAIスピーカー、
またはスマートスピーカーのグーグルホームと、
音声アシスタント「Siri」というもので、
どちらも、AIなのです。
翻訳ソフトにもAIが活用されていて、
入力した文章を訳すだけでなく、
会話の音声を聞きながら、
違う言語に音声で訳してくれるものも開発されています。
そのほか、手書きの文章の内容を判別したり、
医療現場で画像診断をしたり、
農作物の収穫時期や、株価の値動きを予測するなど、
さまざまな分野でAIが取り入れられているのです。
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そもそも、AI とはどういうものなのかということですが、
簡単に言うと、
人間のように思考できるコンピューターなのです。
AIは、計算をはじめとする機械的な情報処理のための道具として、
開発されたコンピューターを、
人間のように賢くしたいという動機から生まれた技術なんです。
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たとえば、「明日東京に行く」と言われたら、
出張かな?
旅行かしら?
遠いなあ~!
などと考えますよね。
AIの仕組みを持つコンピューターなら、
人間と同じように考えることも可能だということなんです。
ひとつの情報(東京へ行くという情報)を与えたら、
それに関係がありそうな情報
(旅行・出張・距離)を取り出すことができるのです。
いわゆる『推論』を導くことができるのです。
従来のコンピューターでしたら、
何かの言葉(情報)が入力されたら、
蓄積されたデーターの中から、
それと同じ言葉が含まれているものを、検索結果として出してくれました。
AIは、まるで人間のように・・・なのです。
AIってどういう意味で何ができる?
推論の仕組みはどうやって導き出されるのでしょう。
昔のAIは、
コンピューターに推論の仕方をプログラミングしていましたが、
今のAIでは、
コンピューターにデーターを与えて、
答えの導き方を学習させるというのです。
コンピューターが『学習する』というのはどういうことなのでしょうか。
ここでいうデータというのは、
インターネットの情報などを指しています。
これらのデータに、
ひとつの事柄“A”に対して、同じ表現や画像である“B”を多く集めた場合、
AとBが関わりがあると認識します。
たとえば、『花』を“A”とした場合、
データ上に『きれい』という“B”の表現が多くあれば、
『花』と『きれい』の間には関わりがあることを学んでいきます。
これを“機械学習”というのだそうです。
データは、いわば回答集のようなもので、
AIは、ほかの人の答えを参考に“勉強”して、
自分の答えを見つけ出しているのです。
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AIが今後人間を超える危険性はあるのか?
AIを利用する時に、
気を付けなければいけないところはどういうところでしょうか。
AIは便利なものなのですが、注意も必要です。
就職試験での採用面接に、
AIが利用されるという話もあります。
顔の表情を読み取って、
本当のことを言っているか、どの程度緊張しているかなどを、
AIが採点するというのです。
何年か経って、AIの採用面接で合格した人の働きぶりを見て、
やっぱりAIの判断が正しかったと言えることがあるかも知れません。
そうなると、誰もがAIの判断が一番正しいと考えるようになり、
AIに従っておいたら間違いはないと思うようになるかもしれません。
これはとても恐ろしい現象です。
採用試験の面接で、人間の審査官が良い人材のようだと感じても、
AIが良い人材ではないと判断しているのなら・・・と、
AIの意見に従うようになって行くことも考えられます。
人は自分が下した判断に責任を持つことをあまり好みません。
下した判断で人の人生を変えてしまうこともあるでしょうし、
判断が間違っていた時、自分自身の人格に傷がつくからです。
しかし、AIには人格があるわけではありませんし、
AIとしてはじき出した答えを提示するだけなのです。
AIの判断が間違っていたとしても、そのAIを採用した企業が、
そのやり方を問われることになるのです。
何でもかんでもAIの判断を鵜呑みにしてはいけないということも、
理解した上で、
AIに頼りすぎることがないように注意する必要があるのです。
今後、AIはどのように進化・発展していくのでしょうか?
AIは比較的、簡単な設備でも研究や開発がしやすい分野のようで、
ますます進化し続け広がっていくと思われます。
ですから、介護や教育など人手が足りない分野において、
また、
たとえばこういうことにAIが活用できないだろうかというアイデアを、
それぞれの現場で働いている人の中から出てくることで、
もっとAIの利用価値が上がっていくのではないでしょうか。
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あとがき
人間にはプライドがあって、
失敗したらどうしようとか、
間違っていたら恥ずかしいという思いがあって、
それを回避するために、AIにその責任を託すのだとしたら、
とんでもないことが起こりそうな気がします。
AIは失敗しない、
AIの判断に間違いはないということが前提となり、
頼り過ぎになることは危険なことだと思います。
今後、AIが進化し続けて、人格のようなものが備わり、
AIの中に、今流行りの“忖度”という機能が備わることはないのでしょうか。
文明の進化は素晴らしいことですが、
機械は機械、道具はあくまで道具であって、
人間が操作するものであって欲しいと思うのは間違いでしょうか?