京都の和菓子は、
古の都らしく風情のある上品なものばかりです。
代々伝統を受け継いできた“老舗”と呼ばれるお店には、
一子相伝と言われる重みがあります。
京都の歴史とともに、伝え継いできた技と味を誇る
老舗の代表銘菓を、
創業の古いもの順にランキング、
今も愛される銘菓をご紹介します。
京都の和菓子 起源と歴史
京都の和菓子 京菓子は、宮中や公家、寺社、茶家などで、
行事や儀式に用いられた献上菓子のことです。
目で見て、色や形が美しく、
食べた時の舌で感じた感触と味のやさしさ、
香り豊かで、季節ごとの京都の風情が感じられ、
老舗名店の名や菓子の銘を耳にすることで京情緒を感じられる。
視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚、
五感で京都の四季を感じることができる、まさに食の伝統工芸品です。
特に老舗名店の歴史に培われた京都の和菓子は、
平安京の宮中や神社仏閣、茶道・華道などの伝統文化とともに、
時代を超えて愛されてきました。
菓子の起源は遠く、日本書紀、古事記の時代にまでさかのぼります。
十一代垂仁天皇の頃、天皇の命を受け、
南の国から田道間守(たじまもり)が持ち帰った橘(たちばな)の実が、
日本での菓子の始まりと伝えられています。
奈良時代に入ると遣唐使により大陸文化が盛んに輸入され、
唐菓子が日本に伝来しました。
唐菓子は神社仏閣の供物に、
また平安時代には貴族の宴卓をいろどるのに欠かせないものとなったのです。
このように、菓子は宮中と深い係りを持ち、
日本独特の変化を見せながら発達してきました。
当時の京の都には、御所をはじめ宮家公卿の家が多く、
そのような処に菓子を納めることができたのは、
優れた腕を持つ菓子司に限られていました。
京の菓子職人は、技を競って優美で典雅な意匠を考案し、
花鳥風月に因んだ美しい銘をつけ、献上菓子の創作に情熱を傾けました。
また、禅僧栄西によって日本に茶が伝えられてのち、
茶の湯が確立されるころには、家元の多くが京の地を住まいとしており、
京都独特の趣きを持った「京菓子」も、
この茶道によって一層の磨きがかけられ、
加えて良質の京の水、都に近い近江や丹波、
大和や阿波の国の最高の原材料に支えられ、
日本の菓子の代表としての「京菓子」の座を築き、
日本人の心のふるさとと賞賛されるようになったのです。
京都の和菓子の老舗とはどういうお店のこと?
京都の和菓子屋さんで老舗と言われているお店はたくさんありますが、
老舗と言われるにはどのような条件を満たしている必要があるのでしょうか?
京都の和菓子以外でも老舗と呼ばれているお店があります。
京都は古い都ですから、一説ですけど、
応仁の乱(1467年)以降に移転されてきた人は、
“余所者(よそもん)”と言われ、新参者扱いされていたということで、
それからいうと老舗と名乗れるお店は、創業五百五十年以上でないと、
老舗とは認めてもらえないことになります。
さすがにそんなことはないにしても、
創業より百年以上経過していて、
同じ商いを三代以上引き続き盛業中であることということになります。
今の時代、一つの商売で30年以上続いているという企業は、
わずか0.02%と言われていますから、
100年続くということがどれほどすごいことなのかということです。
京都の和菓子に限らず、一番の老舗というと、
長保二年創業1000年以上という、
今宮神社参道にある“あぶり餅屋さんの一文字屋 和輔”さんでしょうか。
お向かいで御同業の“かざりや”さんも500年近い老舗です。
どちらも京都の和菓子屋さんの大老舗ですが、『門前菓子』ということで、
ランキングとは別にします。
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京都の和菓子 老舗ランキング 銘菓おすすめベスト10
川端道喜の『道喜粽』
文亀3年(1504年)創業、室町後期から御朝物と呼ばれた餅を、
毎朝献上してきたという伝統を誇る名店です。
御ちまき司『川端道喜』の名物です。
寒晒しした吉野葛を砂糖と炊き、北山の笹で包み湯掻いたもので、
葛の風味と笹の香りの絶妙な調和と、清々しい甘さに驚嘆させられます。
水仙粽のほか、こし餡を練り込んだ羊羹粽も上品でおいしい逸品です。
京都市左京区下鴨本通り北山角
〒606-0847 京都府京都市左京区下鴨南野々神町2−12
営業時間 AM9:30~PM17:30
定休日 水曜
電話: 075-781-8117
川端道喜 https://www1.doshisha.ac.jp/~prj-0604/pc/kawabata.html
亀屋清永の『清浄歓喜団』
元和3年(1618年)創業、社寺御用達の 亀屋清永に伝わる格調高いお菓子です。
お供え物として使われていた貴重な唐菓子の姿をそのままに伝えています。
比叡山の阿闍梨から習ったという秘法によって
「清め」の意味を持つ7種類の香を練り込んだ生地でこし餡を包み、
純正の胡麻油で揚げたものです。
蓮華と金袋を表す姿形にも気品が漂います。
京都市東山区祇園石段下南
営業時間 AM8:30~PM17:00
定休日 水・月2回日休
亀屋清永 http://www.kameyakiyonaga.co.jp/
笹屋伊織の『どら焼き』
享保元年(1716年)の創業以来、御所と社寺、茶道御家元の御用を勤めてきた
「笹屋伊織」の代表銘菓です。
江戸末期に東寺の御坊様から依頼され生れたというお菓子です。
一般のどら焼きとは全く異なっていて、
懐かしさと上品な甘さが調和し、モチモチとした秘伝の皮がとても美味です。
京都市下京区七条通大宮西入
営業時間 AM9:00~PM17:00
定休日 日休(7・8・12月 どら焼き発売日は無休)
笹屋伊織 http://www.sasayaiori.com/
京菓匠鶴屋吉信の『京観世』
享和3年(1804年)創業の老舗 鶴屋吉信で『柚餅』と並ぶ代表銘菓が、
選りすぐりの小豆を使った小倉餡と村雨を手作業で巻き上げた棹菓子『京観世』です。
本店近くに祀られている観世家の鎮守「観世稲荷」に湧く観世井に龍が舞い降り、
水が渦を巻くようになったという伝説にちなむ意匠で、
堂本印象による外装も美しいです。
『つばらつばら』はもっちりとした焼き皮に小倉案を包んだ名品で、
焼皮とあんこのバランスが絶妙です。
〒602-8434
京都市上京区今出川通堀川西入る
TEL (075)441-0105
FAX (075)431-1234
営業時間 AM9:00~PM18:00
お休みは 元旦のみ
京菓匠鶴屋吉信 http://www.turuya.co.jp/index.html
本家 月餅家直正の『月餅』
文化元年(1804年)の創業と伝わる。
「月餅家直正」の初代がオーブン釜を発明して生み出し、
好きな謡曲から名付けたという『月餅』
小麦粉を使った生地でこし餡を包んだ焼き菓子で、
絶妙な味わいの生地と上品な甘さの餡、けしの実の香ばしさがたまりません。
焼き栗や干菓子との詰め合わせ『大枝の里』や、
おしるこ『玉しぐれ』も好評です。
京都市中京区木屋町通三条上る
営業時間 AM9:30~19:00
定休日 木曜 第3水曜
本家 月餅家直正
紫野源水の『松の翠』
文政8年( 1826年)創業の老舗「源水」に生まれ、
修行した後に店を構えた主人が作る紫野源水の代表銘菓『松の翠』は、
羊羹の上に丹波大納言小豆を重ね、すり蜜を衣がけにしたもので、
良質の材料による深みのある味わいと、
ほろりとした口溶けの後に広がる上品な甘さが楽しめます。
『有平糖』などの美しい干菓子や季節折々の創作和菓子も人気です。
京都市北区新町北大路下ル
営業時間 AM9:30~PM18:30
定休日 日・祝
紫野源水
長久堂の『きぬた』
天保2年(1832年)に創業した初代が丹波に帰郷した際、
絹につやを出すために打つ砧(きぬた)の音に感じ入って考案したとされる銘菓です。
白い絹に見立てた求肥(りゅうひ)で羊羹を巻き、和三盆をまぶし、
反物を表した容姿は透き通るような繊細な美しさを持ち、
上品で豊かな風味と相俟って京菓子らしい情趣を醸し出しています。
京都市北区上賀茂畔勝町97-3
営業時間 AM9:00~PM17:30
定休日 月・木(祝祭日は営業、11・12月は木曜のみ)
長久堂
亀屋良永の『御池煎餅』
天保3年(1834年)創業
亀屋良永の『御池煎餅』は、サクサクとした食感の後、
ふわりと溶けて上品な甘みが広がり、やみつきになる風雅なお菓子です。
糯米粉の煎餅に亀甲型の焦げ目が付けられ、
刷毛で引かれた程よい甘さのなかにたまり醬油の風味がほのかに香ります。
棟方志功作のラベルも趣を添えています。
所 在 地 京都市中京区寺町通御池下ル下本能寺前町504
T E L 075-231-7850
F A X 075-251-0066
営業時間 AM8:00~PM18:00
定 休 日 日曜日、第1・第3水曜日
亀屋良永http://www.teramachi-senmontenkai.jp/shop/s01/s01btm.html
阿舎利餅本舗の京菓子司『満月』
安政3年(1858年)創業、阿舎利餅で名を馳せる『満月』のもう一つの看板菓子です。
明治初期に考案され、九条家の御用達であった菓子です。
近年復元され、本店で土日・祝祭日にのみ販売されています。
丹波の最上級の白小豆を使った上品なこし餡の風味が堪能できます。
シンプルで上質な和菓子に調和する掛け紙のモダンなデザインも見事です。
京都市左京区鞠小路通り今出川上る
営業時間 AM9:00~pm18:00
不定休
阿舎利餅本舗 http://www.ajyarimochi.com/
松屋藤兵衛の『紫野松風』
江戸時代中後期の創業、大徳寺前に佇む「松屋藤兵衛」の代表銘菓が、
『紫野松風』です。
自家製の大徳寺納豆が入っているのが特徴で、白味噌が醸し出す香ばしさや、
上品な甘さを引き立てています。
和風カステラのような風貌と裏腹に、
白味噌の麹を発酵させた弾力あるもっちりとした生地も独特です。
切り落としの『福耳』も人気です。
京都市北区紫野北大路大徳寺バス停前
営業時間 AM9:00~PM18:00
定休日 木曜
松屋藤兵衛
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あとがき
甘いものには目がないのですが、
老舗と言われるお店の銘菓には、
お味の中にも歴史を感じます。
見て美しく、食べて美味しい京都の和菓子。
丁寧に作られた銘菓は、丁寧に頂きたいと思います。
頂いた後に満足感を感じます。