ファットスプレッドとは、
油脂を主成分とする、食用の塗り物、
マーガリンの一種です。
低脂肪で、油脂含有率は35パーセント以上~75パーセント未満、
チョコレート・フルーツなどを加えた商品が多いようです。
一般的に、
食用油脂の割合が80%未満のものをファットスプレッドと呼び、
80%を超えるものをマーガリンと呼んでいます。
ファットスプレッドはマーガリンよりも柔らかいので、
パンに塗りやすいのですが、
炒め物などの調理には適していません。
ファットスプレッドのトランス脂肪酸は、
LDLコレステロールを増加させ、
心血管疾患のリスクを高めるといわれ、
頻繁に食べれば、
トランス脂肪酸を摂取しすぎることもあると言われています。
ファットスプレッドのトランス脂肪酸はなぜ悪い?
アメリカでは2018年6月から
“水素添加油脂”の規制が始まりました。
液体の植物油や魚油は、
“水素添加”という技術を使って固められます。
それが水素添加油脂です。
その水素添加油脂を使ってできるのが、
次のような食品です。
・マーガリン
・ショートニング
・スナック
・揚げ物
・お菓子
・カレールー
・コーヒー用クリームなど
トランス脂肪酸はこれらの食品を作るときに生成されます。
トランス脂肪酸の取りすぎによる健康被害を懸念したアメリカは、
大本となる水素添加油脂の使用を原則禁止しました。
また、世界保健機関(WHO)も、
2023年までにすべての食品からトランス脂肪酸を排除するよう
呼びかけています。
脂肪酸は、脂質を構成する成分の一つです。
大きく分けると、次のように大別されます。
・飽和脂肪酸(肉の脂身のように固形のもの)
・不飽和脂肪酸(オリーブオイルのように液体状のもの)
天然の牛肉や羊肉にもトランス脂肪酸は含まれています。
それらの加工品にも
微量ながらトランス脂肪酸は含まれていますが、
世界中で議論され注意が呼びかけられているのは、
人工的に加工されたトランス脂肪酸です。
日本ではまだ水素添加の使用を禁止するほどの規制がされていません。
諸外国と比較すると、
日本人はトランス脂肪酸の摂取量が少ないので、
現段階で健康に著しく影響を及ぼすとは考えにくい、
と考えられているからです。
日本ではトランス脂肪酸の摂取量よりも、
塩分摂取量のほうが問題視されています。
|
ファットスプレッドとマーガリンのトランス脂肪酸の違いは?
ファットスプレッドは、
JAS規格によると油脂含有率が80%未満のものをいいます。
そして、
食用油脂に水などを加えて乳化してから急冷練り合わせ、
またはそれをしないでつくられた可塑性のものか流動性のもです。
さらに、
食用油脂に水などを加えて乳化した後に、
フルーツかそれの加工品、
またはチョコレートやナッツ類のペーストなどにした
風味原料を加えてから急冷練り合わせしてつくった可塑性のものです。
風味原料は、
原材料の中の割合が油脂含有率より下になる必要があります。
ファットスプレッドは、マーガリンン一種です。
大きな違いのひとつに
油脂含有量が80%以下であるということがあります。
原材料は、マーガリンとほぼ同じです。
一般的には、コーン油やパーム油、
大豆油などの上質の植物性油脂を使用して作りますます。
さらにフルーツやチョコレート、
ナッツ類などの風味原料が加えられる事もあります。
ファットスプレッドは、
その中に含まれている油脂の含有率を
パーセントで表示する必要があります。
油脂含有率は、80%未満です。
ほかに乳脂含有率は40%未満であることと
油脂中50%未満であること、
さらに油脂含有率と合算が80%以上であることです。
砂糖類やはちみつ、
そして風味原料をプラスしたものの場合は、
65%以上と決められています。
ファットスプレッドは、バターやマーガリンと違って、
あまりなじみのない名称かもしれません。
ファットは太ったという意味もありますが、
脂肪を意味します。
スプレッドは、広げるという意味がありますが、
ここではパンやクラッカーなどに塗る、塗りもののことを指します。
脂肪は、主にトランス脂肪酸のことを指しています。
マーガリンのJAS規格の定義では、
バターは動物性油脂から作られますが、
マーガリンは主に植物性油脂を作られています。
植物性油脂は大豆から摂ることができる大豆油や、
トウモロコシから採るコーン油、
紅花から採る紅花油などがあります。
油脂含有量は80%以上です。
これらの食部油脂に水などを加えて攪拌させます。
乳化することによってできたものがマーガリンです。
ファットスプレッドとマーガリンの原材料はほぼ変わりません。
植物性、動物性油脂を使用しています。
大豆油やコーン油、パーム油、菜種油などを使用します。
さらに、
粉乳、発酵乳、ビタミン
食塩などを加えて練り合わせて加工します。
■ファットスプレッドとマーガリンの違い
マーガリンとファットスプレッドの大きな違いは、
油脂含有率の違いです。
マーガリンは油脂含有率が80%以上のものをいいます。
ファットスプレッドは油脂含有率は80%未満のものです。
さらにファットスプレッドの場合は、
乳化した後にフルーツや加工されたフルーツ、
チョコレート、ナッツ類などの風味顔料を加えます。
ファットスプレッドとマーガリンの大きな違いは、風味です。
ファットスプレッドには、
フルーツやチョコレートなどの風味、甘味原料が含まれています。
マーガリンの中にはバターの濃厚なコクや香り、
味わいに近づけるために香料や食塩、
粉乳などを調合するものもあります。
一般的なマーガリンは、あっさりとして軽やかな味です。
ファットスプレッドは、
マーガリンよりも柔らかくてあっさりとした味わいで低カロリーです。
風味が加わっている場合は、
風味ファットスプレッド、
ファットスプレッド(加糖)のような表示が義務づけられています。
https://kyoumi.click/6383.html
ファットスプレッドとマーガリンのトランス脂肪酸の影響は?
トランス脂肪酸を耳にしたことがあるとしたら、
トランス脂肪酸が健康に良くない影響を与えるという、
話題があったからではないでしょうか?
・ジヒドロ型ビタミンK
トランス型脂肪酸内にあるジヒドロ型ビタミンK1とは、
油内に含まれているビタミンK1が、
水素添加によって変化してできた物質のことです。
かつてはトランス型脂肪酸そのものが、
身体に良くないといわれていましたが、
今では
ジヒドロ型ビタミンK1が人体に猛毒であると考えられています。
・悪玉コレステロールの増加
トランス脂肪酸を摂りすぎると、
血中LDLコレステロールが増加することがわかっています。
血中LDLコレステロールは、
悪玉コレステロールとも呼ばれています。
悪玉コレステロールが増加すると血管壁の硬化や老化の進行、
心筋梗塞の原因にもなります。
・善玉コレステロールの減少
血中LDLコレステロール、
つまり悪玉コレステロールが増加すると、
HDLコレステロールつまり善玉コレストロールが、
減少することがわかっています。
善玉コレステロールは、
体内にある血液中の、
余分なコレステロールを肝臓に運ぶ役割をしています。
つまり、
血液中のコレステロールが増えるのを防いでくれています。
トランス脂肪酸を過剰に摂ると、
悪玉コレステロールが増加して善玉コレステロールは減少します。
それによって動脈硬化が進行する可能性が高くなります。
悪玉コレステロールが増加すると健康に悪影響、
さらに生命の危険もあることがわかっています。
・動脈硬化
動脈硬化は、
悪玉コレステロールが増えて、
血液の流れが悪くなると発症することがあります。
動脈にコブやそのコブがはがれて血管をつまらせたり、
身体全体に酸素や栄養を運ぶことができなくなるほど、
動脈が硬くなる生命の危険もある病気です。
脳梗塞の原因でもあります。
・心筋梗塞
悪玉コレステロールが増加することで、
心筋梗塞が起こる危険が高くなります。
心筋梗塞は、
心臓につながっている血管を塞いだりすることによって、
酸素や栄養が足りなくなり心臓が壊死する危険な病気です。
あとがき
ファットスプレッドやマーガリンは、
原材料はほぼ同じですが、
大きな違いのひとつは油脂含有率でした。
マーガリンの誕生は…
元々マーガリンは、バターの代用品として生まれましたが、
マーガリンの方が健康に良いということ、
風味や味の向上により普及してゆくことになりました。
ファットスプレッドは、
マーガリンよりもさらに油脂が少なく、
健康的でクッキーなどはあっさりした感じになります。
しかし、ファットスプレッドやマーガリンは、
油脂含有量が少ないかわりに、
トランス脂肪酸によって、
悪玉コレステロールが増える危険があります。
過剰摂取をしないように、
注意をして摂るようにしましょう。