「人の不幸は蜜の味」なんて表現もありますが、
ゴシップと聞くと、
その場を盛り上げる悪いうわさ・他人の不幸話など、
ネガティブなイメージが思い浮かびます。
今回は、
そんな「ゴシップ」について、
さらに詳しく深掘りしてみましょう。
ゴシップという言葉の意味と語源になったのは何なのか?
ゴシップは英語で「Gossip」と書きます。
嘘かまことか?
本当のことは誰も知らないまま、
伝言ゲームのように伝わる「うわさ話」ですね。
似たような意味で「スキャンダル」という言葉もありますが、
スキャンダルとは「実際に起きた不祥事」に対して使われることが多く、
ゴシップに比べると事件性も信憑性も高いので、
ニュースとして扱われることが多いです。
逆に「ゴシップ」は、
嘘か本当か分からないけど「面白いからネタにしちゃおう!」という、
メディアや娯楽雑誌などに使われることが多いですね。
ゴシップの語源をたどると、
「Godsibb」という古英語から来ており、
「d」はサイレント文字なので発音が無く、
「bb」は「p」の方が言いやすいということで、
現在の「Gossip(ゴシップ)」という呼び名になりました。
たしかに、
声に出してみると「ゴッシブ」…というのは、
ちょっと言いにくいですよね。
ゴシップという言葉が日本語に初訳されたのはいつ?
「ゴシップ」という言葉が日本で初めて翻訳されたのは、
江戸時代末期と言われています。
日本初の本格英和辞典が出版された1862年には、
「多言する女・多言」と翻訳されていたようです。
そして当時は、
「ちょっとした小話」というニュアンスで使われていました。
また、大正時代入り1914年に出版された「外来語辞典」よると、
「閑話・無駄話」と翻訳されており、
世間では、「雑誌」「世間話」という意味で使われていたようです。
この頃から、
いまのゴシップと繋がってきたのではないでしょうか?
なぜなら、
明治末期~大正時代は、時代の変化に伴い、
恋愛や結婚に対する考えも大きく変わった時代です。
「浮気」「不倫」「自殺」など、恋愛事情の変化に伴い、
ゴシップネタは豊富だったに違いありません。
いつの時代も、男女の関係は人生の大きな問題なのに、
他人から見ればただの娯楽。
暇人や平凡な毎日を過ごす人にとっては、
ちょっとした刺激を与えてくれる、
精神安定剤として広まってきたのかもしれませんね。
ゴシップという言葉の名付け親という英語の意味はどこから?
この「Godsibb」の意味は、
「親族と同じような関係を神によって認められた人」のことで、
「Sibb」とは「親族」の意味を持っています。
キリスト教では、
赤ちゃんが産まれたときに洗礼式を行うのですが、
この時、
カトリックの場合は洗礼を受けた後にクリスチャン・ネームを付けます。
このクリスチャン・ネームの名付け親を、
「Godfather」「Godmother」「Godparent」などと呼び、
「Godsibb」もおなじ意味で使われていました。
なので、「Godsibb」は、
名付け親となった赤ちゃんの家族と、
お互いの家を自由に行き来できる親密な関係になります。
何でもない他人でも、神によって認められた間柄になるので、
本人の意思とは関係なく、
その家庭の良いことも悪いことも知ってしまうのでしょうか。
「親しい知人」から「親しい知人との無駄話」になり、
さらに「親しい知人の噂話」として、
ゴシップは広まってきたのかもしれません。
あとがき
秘密にすべき話ほど、
人に話したくなるのはどうしてでしょうか?
しかも、
その話を大げさに誇張するほど盛り上がりますよね。
それほど私たちは「他人」に対して強い関心を持ち、
弱い心を持っています。
ですが、
まわりの環境に合わせながら、
ゴシップを鵜呑みにせず、
スムーズな人間関係を築くツールとして役立てるのが、
ゴシップを利用する一番良い方法だと思いますよ。